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キャッシュレスの話⑨ 変化を恐れるものは何を見ている

いらっしゃいませ。
本日も小売王_マグロ大使のnoteにご来店有難うございます。
日曜は〇〇(キャッシュレス)の話。

「地域振興券」にも乗れなかった小売りは、やはり「キャッシュレス」にもすぐに乗らなかった。変化を恐れるもの達に見えているものは何か。

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わけもなく「うちはやってません」

店舗側が「地域振興券」で代金を受け取り、該当市町村に換金申請をすることくらい何のハードルもなかったのだが、「うちはやってません」「そういうのはわからないから」と対応しない小売店、個人店は少なくなかった。

あまりの熱狂ぶりにうちでも始めようかとようやく腰を上げる頃には、祭りは手仕舞いに入る頃。まさに後の祭りだ。

戦後日本において、人々の生活も経済活動にも定石や王道はなく、
場当たり的に道なき道を進んできたことと思う。

道なき道を突き進んできた日本経済を支えてきた彼らは
高度経済成長を抜けて、バブルを弾かせて
年齢と相まって臆病になったのかもしれない。

日本の人々ははっきりと見て取れるほどに、前に進むのをやめた
今、立っている場所を守ることが最優先になっていった。

世界は相変わらず変わり続け、
日本経済も教育もいつの間にか
アジア各国にすら追い抜かれているのに

インターネット以降のIT分野
国内しか見ない経済政策
そして通貨のキャッシュレス化

日本の人たちは、
そして日本の毛細血管である
地域社会の人々はどこで躓いたのか

できない理由を並び立てる

1つは「現金至上主義」から妄信的に抜け出せなかったこと。
それから自分のポジションを守ることに終始し、違う舞台に立とうという気概を自ら削いだこと。

PayPayが仕掛けた「100億円あげちゃう」キャンペーンに沸いた2018年にも「地域振興券」の時と同じように出遅れたもの達がいて、それは見慣れた顔ぶれだった。

約20年越しにまたも同じ轍を踏んだ経営陣は、従業員からも後ろ指をさされながら建設的ぶった理由を並び立てる。

「わが社のビジネスモデルは」、「昨今の経営環境は」、「低利益体質の我々は」と、彼らが語るのは顧客にも社会にも目を向けない自論や、あとからひねり出した理由付けばかりだった。

情報は等しくあったはずだが、せいぜい新しいものへの批判を口にするだけで他人事のようにそれを聞き、ムーブメントになっても二の足三の足を踏んでから、人のずいぶん後をようやくついてくる。

そういう負け組の行動思考はキャッシュレス対応にも同じように発揮され、
顧客に価値と利便性を提供するはずの
小売飲食業の本分
を忘れ、
客に選択肢を与えない売り手主義の商売を続けた。

やらないヤツらが見ているもの

「地域振興券」はのちの検証である程度の経済活動を作ったものの、特別な需要が生み出されたわけではなく、もともと予定されてた出費に充てられたものが多かったとされた。

要は「無駄遣いをしてほしかった」政府の思惑は外れ、浮いた現金は貯蓄に回り経済効果は殆どなかったということだ。

やはりバラマキにしかならなかったとされた批判は、コロナに沈んだ2020年春に「給付金」が持ち上がったときに再燃する。

失敗と言われた「地域振興券」を彷彿させる構造となったことで、コロナ給付金は急を要する給付であったにも関わらず、その政治的決着から実際の給付まで紆余曲折することとなる。

「地域振興券」の経済効果という面では、確かに自転車業界においては批判の通りで、あれほどの瞬間的な売り上げを見せたにもかかわらず年間の売上はそれほど変わっていなかった。

需要が創造されたわけではなく時期が集中しただけ。業界としては製造業は等しく恩恵を受けたであろうが、小売りはその取り組みで勝ち組と負け組を分けた。

コロナ給付の場合は、収入減を余儀なくされた生活者支援という目的は一定程度その役を担ったのかもしれないが、官民ともにデジタル社会への対応が未熟であったことが、その給付を遅らせた要因ともなった。

キャッシュレス社会への舵切りにはまだまだ大きな力が必要で、
何よりも人の心が変わる必要がある。
まだ見ぬ未来へ進む勇気が必要だ。

変化を恐れるもの小売りが見ているものは
顧客や地域経済ではなく、自分がすすみたい未来だけ。

眼の前にいる顧客が
見えなくなった小売りは滅びる。

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