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鯨月
2024年6月26日 18:31
産声をいつ上げたっていい たとえばおのれが産まれたいときどこまでも走っても走っても終わらない 朝も夜も永遠じゃない爪が伸びることが許せなくてもいい 生きたい気持ちがあればいい塩に触れとけゆくおのれをただ見つめ 梅雨に死ねるならそれでもいい雨粒が肌に触れる冷たさは冬より命のぬるさがある風鈴の「リン」の音だけを拾ったら硬くて冷たくて孤独だった雲太陽雲雲雲雲 青葉闇 ひとつ夏
2024年2月27日 19:19
穴開けてピアスはつけなかった 春見えるはずだった星は眠ったじゃがいもを潰すくらいの握力で人は潰えて生ゴミの中炭酸の抜けたサイダーというものはどうしてこうも甘くて邪魔で梅と桃、桜の区別がつかなくて平等主義者を標榜するクソ桜が咲いてしまったら春になり春になったら なったら な幸先が不安だとしても花は咲く 咲いてこぼれて土になる人
2023年12月31日 13:44
「日焼けだけ痛む夏のことどう思う?」空全部眠る汗だけが光る「かたつむりずっと家がついてまわる」エアコンはまだ使えない まだ「花火って音を出す針みたいだね」きみの痛みきみだけの傷「花弁だけかがやく花だけあってほしい」ヒトだけが持つ鮮やかな欲「ひびきれが映える指!ほら一等星!」ハンドクリームは手だけを癒す「飽きがこないのが秋なわけがないでしょう」焼き芋銀杏いちょうの並木「死体に
2024年1月8日 01:00
月はたぶんひとりでいるから月でありたくさんあったら愛せなかった月はたぶん鏡とか見たがらなくてだから宇宙にいたいのでしょう月はたぶん丸くはないかもしれない でも それでもきみを愛しているよ月はたぶんすっぽんに謝り続けているけれど祈りの先は骨人の目を潰さないきみを愛してる 愛の言葉は洒落じゃないんだ
2024年1月4日 23:09
泥団子握り潰してこれが愛、これも愛だ、きみが好きだぴかぴかの魂わたしが磨いてる手垢が離れてきえてゆく振り向かない 振り向けない でも愛してる ふつうのことをしているだけだ肉 骨 脳 ヒトの主成分がなくたって きみはきみ だけど わたしはわたしあの世まで連れてはゆけない 焼かれたらきみは砂になる人魚姫愛するということ愛されないということ 人がひとりであるということまっすぐな光
2023年12月30日 22:05
昨晩から唐突に短歌を詠んでいる。細かい決まりごとをまったく知らず、どころか細かくない部分もそもそも知らない可能性もある。私が把握しているのは57577のリズムで組んで季語は必要ないという、これが四国ゲームだったら速攻で爆発していること請け合いだというレベルだ。注釈すると、四国ゲームとは西尾維新の長編小説である「伝説シリーズ」に登場する出来事で、魔法少女が究極魔法を求めて行われる実験である。なにを
2023年12月30日 02:45
月に逢う月を見ている月が指すうなばらの背の道 ほらさざなみああ砂浜きみが記させた足跡が私のもとから遠のいてあおぐろの水面に利き足浸したらどこまでもゆけるどこまでもゆこう離島とは離れた島と書いて離島 夜空とつま先ふちがにじんでサン・アンド・ムーンと子どもが口にした 笑顔のまるみはあたまのうえに宇宙ならどこまでもいける気がしても地球はどこまでも球球球しらなみがぶくぶくふくれて弾