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連作短歌1:「ワンナイト・ムーン・ナイト」

月に逢う月を見ている月が指すうなばらの背の道 ほらさざなみ

ああ砂浜きみが記させた足跡が私のもとから遠のいて

あおぐろの水面に利き足浸したらどこまでもゆけるどこまでもゆこう

離島とは離れた島と書いて離島 夜空とつま先ふちがにじんで

サン・アンド・ムーンと子どもが口にした 笑顔のまるみはあたまのうえに

宇宙ならどこまでもいける気がしても地球はどこまでも球球球

しらなみがぶくぶくふくれて弾けては呼吸のようにリ・ピピピ・ピート

砂浜が包むようにざらついて月面の砂の味がわからない

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