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#短編
マッチに火を付けてフーッと息を吹きかける君
その少女はカリカリに痩せていて麦茶を酒瓶をぐいっと飲むときのように飲んだ。茹だるように暑い夏、その姿は爽やかさすら感じた。常識や通例にとらわれない姿というのは、こちら側には清々しく映る。彼女はその野生み溢れる姿から男の子から人気があった。意外にも思われるかもしれないが、世の男性の中には意外とマゾヒストが紛れているらしい。しかし、彼女は特定の人は作らずに遊び呆けていた。時折り複数人で行為に及ぶそう
もっとみる月明かり、盗人現る。
月か明るすぎる夜、その少年は神のお賽銭をくすねた。今日食べるご飯にも困ってたからだ。草鞋などもなく裸足の足は傷だらけで、顔は土で汚れていた。近所の田圃を少し手伝い、なんとか食べ物を貰っていたが、弟や妹のご飯がない。まだ働けない小さな彼らを食わすためにはお賽銭をくすねるしか無かった。
その少年は神のお賽銭をくすねた。今日食べるご飯にも困ってたからだ。草鞋などもなく裸足の足は傷だらけで、顔は土で
物件探しは海辺のまち
海から坂を上がって5分、少し高台にあるその家は赤瓦の屋根と漆喰で塗られた壁が眩しかった。その家は古い日本家屋ながら手入れが行き届いていて、庭の植木も控えめながら生き生きとしていて感じが良かった。不動産屋の話を聞く限り、仲の良い老夫婦が小ぢんまりと幸せに暮らしていたそうだ。先におばあさんの方が亡くなって後を追うようにおじいさんも亡くなる。
お子さんたちもこの家を受け継ぐことなく、不動産屋に渡してし