月雲

2021年10月から始めた自分軸読書も、半年を超えました👏これからは、さらに自由に楽し…

月雲

2021年10月から始めた自分軸読書も、半年を超えました👏これからは、さらに自由に楽しみたいと思います。【超自分軸読書】は、読書感想文という体をなした、自分勝手なつぶやきですꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*) 読書の師匠は📕ほうこさん✨note.com/houkochan

最近の記事

字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ【99】

「字幕の危機」は誰のせい?  字幕屋の苦労が切々と語られ、何度も何度も頷きながら読み進めた。  こんなにも字幕屋を苦労させる原因は、ズバリ、現代人の国語力のなさ、読解力のなさに尽きる。  そして、そんなおバカさんたちに忖度しまくる配給会社にも、責任はあるだろう。  著者は、このままでは字幕が絶滅危惧種になると心配している。実際、人気の映画は吹き替え版が主流で、字幕上映の回数が極端に少なかったりする。地方の映画館では吹き替え版しか上映しておらず、わざわざ遠くの映画館まで足を運

    • ミジンコはわらった【98】

      平均を求められる教育の弊害書字障害の征司は小学生の時、母親から文字を書くことを強いられる。 息子の将来を案じる親としては、当然のことだと思われるだろう。 だが、書字障害は脳機能の特性なので、いくら努力を重ねても読み書きができるようにはならない。 決して本人の努力不足ではないからだ。 努力しても報われない。 強いられる子どもにとっては、拷問以外のなにものでもないだろう。 わかりやすい例を挙げると、聾児に対する発音練習だ。 これは、盲目の子どもに習字をさせるのと同じだと私は思うの

      • シャイロックの子供たち【97】

        厳しい世界 銀行員て、厳しい仕事だなぁ・・・ そんな感想しか出てこない。 ミステリーに分類されるのかも知れないが、心身ともに消耗していく銀行員の姿を追うのに疲れてしまった。 謎解きの部分はそれなりにおもしろかったが。 登場人物の多い物語は、苦手だ。 だが、それぞれの人物像を思い描くことができたし、物語の経過についていくことができた。 最後まで飽きなかった理由だろう。

        • 【映画】ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)

          ※ネタバレあります。 今、日本人は全員見るべき理想郷(ユートピア)では、人々はみんながパーフェクトだ。 だから無用な争いはしないし、いじめもない。 まさに理想の国、楽園だ。と、思っていたのび太。 ユートピアに行けば、自分も「パーフェクト小学生」になれると信じていた。 そして、空の理想郷パラダピアへ潜入する。 パラダピア=日本というメッセージ パラダピアの住人は、「三賢人」の導きに従って生活をしている。 決まった時間に起き、それぞれ決まった仕事をし、各人に必要な栄養を摂取

        字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ【99】

          茶の湯トリビア【96】

          お茶の知識が少しでもあれば、楽しめるのかも 私にはお茶の知識がほとんどない.。 茶道具やお茶席の専門用語はむずかしくて「へぇ〜・・・」という感じ。 「飛竜頭は南蛮スイーツだった」「和三盆の由来は?」「汁粉と善哉のちがいは?」などは、楽しく読めた。 いいヒントももらえたので、この本読んで良かったな〜と思った。 「くどこ」をひっくり返したから「ごとく」とな? 初期の五徳は、今と上下逆で、爪を下輪を上にして使っていたそうだ。 そして、火床(ひどこ)、火所(ひどころ)から転じて

          茶の湯トリビア【96】

          もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら【95】

          ノンフィクション作家だから、嘘は書かない 「まえがき」の冒頭、自らの信念を明確に語っている。 だから、「今から書くことは、すべて事実なのだ」「脚色は一切なく、だた体験したことだけを書いているのだ」という言葉が真実味を増す。 圧巻は「三島由紀夫の首」 この話は、本当に怖かった。 内容がすごすぎて、うかつに人に話すべきことではないような気がする。 興味のある人は、実際に本を手に取ってほしい。 まとめ 私は、これ系の不思議な体験をしたことがない。 だが、お化けの存在を否定

          もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら【95】

          墨のゆらめき【94】

          文字の持つ力 子どもの書道教室での一幕。 お題は『風』 この教室では「お手本は参考程度にして、それぞれ自分の思い描く風を書け」と指導する。 窓を開け放ち「いま体に感じた風を書け」と。 そして、子どもたちは見事に自分の『風』を書いてみせるという場面だ。 私の身の回りには書道の有段者が多く『笑』という書を見たときのことを思い出した。 「この文字、本当に笑っている」と感じた。 流行の「己書」のようなアーティスティックな文字ではない。 とめ、はね、はらいの基本を守り、均整の取れた

          墨のゆらめき【94】

          同志少女よ、敵を撃て【93】

          真の男女平等とは  もっとも印象に残ったのは、訓練兵同士で男女平等について語るシーン。  家庭に押し込むのではなく、チアリーダーにするのでもない。我が国は女性が望んで戦争に行くことができる、真の男女平社会なのだ。―― そうなんです。男女平等を声高に叫ぶなら、この覚悟がないとダメなんです。「戦争」は比喩です。でも、究極は、命をかけて仕事ができるかどうか。ご都合主義の男女平等論では、ダメなんです。 行動の本質  私たちはよく行動に理由付けをします。たとえば「世の中のためにな

          同志少女よ、敵を撃て【93】

          夢のユニバーサルシアター【92】

           映画『こころの通訳者たち』の主演、【シネマ・チュプキ・タバタ】の代表・平塚千穂子さんの著書です。  映画と舞台挨拶で、すっかり平塚さんのファンになってしまった私は、トークショーが終わるやいなやこの本を買い、サインもしていただきました。  ここには【シネマ・チュプキ・タバタ】ができるまでと、実際の音声ガイドの入れ方を『ローマの休日』を例に解説してあります。映像を文字化する技術は、点訳にも役立ちそうです。 利用者の声は尊い  音声ガイドが完成した際、上映前に先天盲の方に対し

          夢のユニバーサルシアター【92】

          こころの通訳者たち【映画】

          音を見えるように    光が聴こえるように 時間が経つごとに「こころの」にジワる  「舞台手話通訳者」という人たちがいるのを、ご存じですか?  演劇の舞台に役者と一緒に立ち、役者のセリフを手話に通訳する人たちのことです。通訳とはいうものの、首相の傍らで通訳している人とは違って、《手話言語を使って共に演じている》というイメージ。衣装やメイクも役者と同じです。  この舞台手話通訳者たちが、舞台初日を迎えるまでを描いたドキュメンタリー映画『ようこそ 舞

          こころの通訳者たち【映画】

          聾《デフ》8巻【91】

          『Silent』を観て手話に興味を持った人必読! 『Silent』の大ヒットで、手話に興味を持った人が増えたことと思います。そんなあなた、もう1歩進んで《ろう文化》も学んでみましょう! きっと、もっと手話が好きになりますよ!   ろう漫画家・松谷琢也さんの最新刊です。巻を重ねて、もう8巻になりました。竜一君とようこちゃんも2児のパパとママです。  5巻あたりから内容が深くなったと感じていましたが、8巻はさらに深く濃い内容です。特に、聴覚障害者を嫌う聴者の木下さんが、難聴者

          聾《デフ》8巻【91】

          【映画】ヒゲの校長

          あらためて考えるべき適正教育の大切さ 義務教育は、産業革命のころ、工場で働く人材を育成するためにイギリスで始まった。日本でも水兵を育成するため、それまでの寺子屋を捨てた。学校という場に子どもを集め、横並びの教育を始めようになる。多くの子どもたちの平均的な学力は上がったものの、どちらかといえば得意分野を伸ばす教育ではなく、不得意分野を引き上げることに力を入れる教育になっていったようだ。それは今も続いている。三者懇談では、必ず先生が「苦手な科目を克服しよう」と言う。私が好きな大学

          【映画】ヒゲの校長

          みんなが手話で話した島【90】

          30年ぶりの再刊! 手話や要約筆記に関わる人たちには有名な本なのだそうです。そうとは知らず、あまりに素敵なタイトルだったので「タイトル買い」したのでした。 読み始めると、物語ではなくノンフィクションの、学術論文に近い内容でした。  丁寧な聞き込みによる様々なエピソードはどれも素敵で、心があたたかくなりました。異文化との共生。でも、それができたのは、この島には少数者である聾者が、ある程度多く存在したという恵まれた環境があったからとも考えられます。 訳者の言葉の定義が興味

          みんなが手話で話した島【90】

          沈黙のパレード【89】

          ガリレオシリーズは、タイトルが秀逸! 過去に読んだ『容疑者Xの献身』も、謎解きが進みタイトルの意味が分かった瞬間、涙が滝のように流れました。過去一泣いた小説です(笑)  今回の『沈黙のパレード』も同様、結末に近づくにつれジワジワきます。でも、これまで以上に複雑な物語でした。 気になる二人の関係  驚いたのが、湯川博士と内海刑事の距離が縮まっていることでした(笑)前作『聖女の救済』を読んでいないので、いつからなのかは分かりませんが・・・ でも確実に二人の関係は変化していま

          沈黙のパレード【89】

          バナナの魅力を100文字で伝えてください-誰でも身につく36の伝わる法則【88】

          伝わらないのは存在しないことと同じ ドキッとした。  「伝える」を仕事にすることをめざしている身として、「伝わらない」ことがどれほど利用者にとって不利益をまねくかを痛感させられた。  伝わらなければ、その場に出向いた意味がなくなってしまう。それは、その人たちの時間を奪ってしまうことに等しい。それだけは何としても避けたい。避けなければならない。 相手の頭の中に「見える化」させる 手話を勉強していると、自分の伝えたいことを「見える化」することが重要だとわかる。伝えたい状

          バナナの魅力を100文字で伝えてください-誰でも身につく36の伝わる法則【88】

          デフ・ヴォイス【87】

          確かに新しい視点。でも、いやな話だなぁ・・・ と、言うのが読後のいちばんの感想。  コーダ(Children of Deaf Adults)の男性が主人公の小説ということで(私はなぜか、コーダたちの価値観に共感することが多いので、その理由を知るきっかけになるかもと思い)興味を持って読み始めた。ろう文化やろう者が置かれた状況、コーダの視点にミスリードされて、最後まで犯罪の核心に迫ることができなかった(この物語がミステリーであることすら忘れていた)  でもミステリーとしては結

          デフ・ヴォイス【87】