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【映画】ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)

※ネタバレあります。

今、日本人は全員見るべき

理想郷(ユートピア)では、人々はみんながパーフェクトだ。
だから無用な争いはしないし、いじめもない。
まさに理想の国、楽園だ。と、思っていたのび太。
ユートピアに行けば、自分も「パーフェクト小学生」になれると信じていた。
そして、空の理想郷パラダピアへ潜入する。

パラダピア=日本というメッセージ

パラダピアの住人は、「三賢人」の導きに従って生活をしている。
決まった時間に起き、それぞれ決まった仕事をし、各人に必要な栄養を摂取できる食事を与えられている。
まさにパーフェクトな生活。
居心地の良さに、みんなすぐになじんでいく。

これを見て、気づいた人は何人いただろう。

「三賢人様の言うことに間違いはない」
「三賢人様の言うとおりにしていれば幸せだ」
このセリフは、そのまま
「テレビが流す情報に間違いはない」
「政府の言うことに従っていれば幸せだ」
と、言っている日本人の言葉に聞こえた。

脳は、とても大食らいで怠け者らしい。
脳が働く(考える)には、大量のエネルギーを必要とする。
だから、エネルギー消費を抑えるため、できるだけ働かずにいようとする。
つまり、放っておくと無意識に「考えずにすむ方法」を選択するのだ。
脳はいつも怠けようとする。
その性質をうまく利用したのがパラダピアのシステムといえるだろう。

自分で考えることを放棄した人間は、家畜に等しい。
乱暴しないジャイアンに、意地悪を言わないスネ夫に違和感を覚えた人は多かったと思う。
それぞれ違う考えを持ち、ときに争い、ゆるし合いながら生活している。
それが人間なのだと気づいてほしい。

日本の漫画家やアニメ製作者は、本当に素晴らしい。
いつの時代にも、必ず社会を風刺した作品を残している。
マンガやアニメを隠れ蓑にして、重要なメッセージを私たちに届けてくれているのだ。
私たちは、受け取るアンテナの感度を上げておく必要があるだろう。

「自分の頭で考えて!」

この一言にすべてのメッセージが集約されていると感じた。

のび太の強み

勉強も運動も苦手なのび太は、唯一この「人間家畜化システム」にハマらなかった。
その理由は、彼が落ちこぼれだからではなく、強いの持ち主だったからだ。
何よりも大切なのは、信念を持って行動することだと教えてくれているのだ。

苦手なことがあってもいいんだよ。
みんな同じでなくていいんだよ。
平均点とれなくていいんだよ。
凸凹があるって素敵じゃない!
そんなメッセージも、多くの子どもと周りの大人に届くことを願っている。

猫型ロボットは友だち

最後に超個人的な感想を言うと、エンドロールの一コマ。
「パーフェクトネコ型ロボット」だったソーニャが、まるでドラえもんのように、子どもたちの友だちになれた姿に涙した(笑)