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20240524 イラストエッセイ「読まずに死ねない本」 001 夏目漱石「坊ちゃん」

 ぼくは読書が大好きで、高校生の時から息を吸うように本を読んできました。
 読書は単に知識の取得だけではなく、deep thinking 深く考えることだと言われます。
 現代は情報はたくさん手に入りますけど、いくら情報があっても深く考えることができなければ宝の持ち腐れになりかねないですよね。
 30年間教師をしましたが、間違いなく読書をすれば頭が良くなります。 学校の勉強はできなくてもよろしい。笑
 特に小説をたくさん読んできましたが、そんななかからおすすめの本をご紹介したいと思います。
 一応、1970年代に発行された集英社の日本文学全集は全巻読みました。なので、少しは本について語る資格はあるかなって思っています。笑

 第一回目の今日ご紹介するのは、夏目漱石の「坊ちゃん」。
 哲学者のアランは「アンナ・カレーニナ」を何回も読み返したと言われていますが、ぼくも好きな本を再読する派です。笑
 「坊ちゃん」は十回以上読みました。
 とにかく、日本語が素晴らしいんです。漱石先生の日本語は天下一品ですね。
 個人的には日本文学の最高傑作だと思っています。笑
 漱石先生は若い頃に漢文を徹底的に仕込まれました。その教養が生きているんですね。とにかく語彙が豊富。文章に得も言われぬリズムがある。
 それでいて簡潔にして明瞭。美文に流れることがない。語りすぎることがない。
 文学は何を語るかも重要ですが、どのように語るのかの方が大切だとぼくは思います。若いころは何を語るかの方が大事だと思っていましたけれど。
 夏目漱石が日本最大の文学者なのは、やはりその文章の良さにあると思います。
 「坊ちゃん」は短いし、読みやすいし、しかも完璧な文章なんですよね。
 「猫」もいい、「こころ」もいい。でも、「坊ちゃん」が一番良い。
 日本語で文章を書こうと思っている人は、必読の一冊だと思います。
 書き出しの一文も傑作だし、最後の一文も唯一無二です。

 

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