つじもとひでお

ビール会社に5年間務めたあと、キリスト教主義の高校で英語を教えました。部活動ではジャズ…

つじもとひでお

ビール会社に5年間務めたあと、キリスト教主義の高校で英語を教えました。部活動ではジャズバンドを指導していました。今は大学の学生寮の寮監をしています。みなさんがちょっとだけ幸せになれるような、本や映画の紹介、イラスト、エッセイ、小説、漫画を投稿してゆきたいと思います。

最近の記事

20240128 イラストエッセイ「ぼくが住んでいる漁村」8 天照皇太神宮

 ぼくが住んでいる漁村には三つの神社があります。  金毘羅神社、小鷹神社、そしてこの天照皇太神宮です。  普通、天照皇大神宮と書きますが、わが集落のものは、「大」ではなく、「太」と書きます。どちらも同じ意味だと思いますが、天照大神を祭る神社ですね。  ぼくは神社についてはこんな風に考えています。  もともと日本には神様がたくさんいた。自然信仰、アニミズムですから、それこそ無数の神様がいらっしゃった。  大きな樹、岩、立派な体格をした動物。みな、神様です。  神様には善悪はな

    • 20240127 イラストエッセイ「ぼくが住んでいる漁村」7 小鷹神社

       ぼくが住んでいる新潟県胎内市の漁村には三つの神社があります。  一つ目が、前回ご紹介した、金毘羅神社。言うまでもなく、漁業の神様ですよね。   二つ目が、今日ご紹介する小鷹神社です。   古代、ぼくが住んでいる胎内市周辺は、城氏が開発し、寄進した荘園で、これを奥山荘(おくやまのしょう)と言いました。  中世になって、鎌倉の御家人、三浦和田氏の支配下にはいりましたが、相続の過程で南条、中条、黒川などに分割されました。  胎内市は、中条町と黒川村が2005年に合併して生まれた新

      • 20240126 イラストエッセイ「ぼくの住んでいる漁村」その6 金毘羅神社

         ぼくが住んでいる集落には、神社が三つあるのですけれど、その一つがこの「金毘羅神社」です。  立派なお堀があり、鯉や亀が住んでいます。  これは集落の旧家、平野家が天保の飢饉(1830)の時に、困窮した村民救済の社会事業として私財を投じて建設したものなんです。  お堀も、村の人たちが掘ったんですよ。  ぼくが住む集落は漁村。言うまでもなく、金毘羅様は漁業の守護神ですよね。  この平野さん、捕鯨船も所有していて、あのジョン万次郎も乗船していたとのこと。  今でも平野家は集落の中

        • 20240125 イラストエッセイ「ぼくの住んでいる漁村」その5

           ぼくが住んでいる漁村から国道113号線を渡ると、日本海に出ます。  遠く、新潟東港の石油タンクや発電所の煙突が海に浮かんでいるように見えます。  都会にお住いの方は、新潟の空の大きさにきっとびっくりされると思います。  最近は温暖化でそうでもありませんが、以前は11月から3月まで分厚い雲に覆われ、太陽が顔を出すのは2,3度ほどでした。  冬の空は、黒雲が織りなす壮大なドラマです。時に、薄明光線、別名ヤコブのはしごが見えることがあります。  この日は遠い発電所が薄明光線の中に

        20240128 イラストエッセイ「ぼくが住んでいる漁村」8 天照皇太神宮

          20240124 イラストエッセイ「ぼくの住んでいる漁村」その4

           ぼくの住んでいる新潟県、胎内市の漁村。  一番海沿いの家は、こんな風に板を並べて日本海の強風を防いでいます。  ずいぶん年季の入った板で、おそらく直径20センチぐらいの丸太を半分に切って並べてあるのですが、日本海の厳しい風雨にさらされて、板みたいに薄くなっちゃってます。  この板は春になると取り外します。冬の間だけ見られる光景なんですね。  集落の南西の端に「塩の湯温泉」があります。温泉の向こうに見えているのは風力発電。間近で見ると大きいんですよ。  右手の木は、榎。一里

          20240124 イラストエッセイ「ぼくの住んでいる漁村」その4

          20240123 イラストエッセイ「ぼくが住んでいる漁村」その3

           ぼくの住む村松浜にはヨウ素を採掘する施設があるのです。核戦争になっても安心(ではないか 笑)。  昔は日鉱と言いましたが、今は、XJ石油開発と言うそうな。  ヨウ素だけでなく、石油も天然ガスも算出しております。(国内唯一とのこと)  実は胎内市は江戸時代から石油の産地で、「燃える水」を幕府に献上しておりました。胎内市は旧黒川村と中条町が合併してできた市なのですが、黒川とは石油に黒く染まった川のことだったそうです。  そんなわが集落には、「塩の湯温泉」という温泉がありまして、

          20240123 イラストエッセイ「ぼくが住んでいる漁村」その3

          20240122 イラストエッセイ「ぼくの住んでいる漁村」その2

           ぼくが住んでいる小さな漁村、集落の北の端を過ぎると、畑へ向かう道の途中に「ゴミステーション」があります。  どうです?この景色。  集落の周りは畑と海。あとはみんなこんな感じなんです。  今年は新潟にしては珍しく雪が少なく晴れの日が多い冬になりました。  この日はすっかり晴れて、日本一小さい「櫛形山脈」、二王子岳(新発田市)、そして、地元関川村の人々に「おらが村のマッターホルン」と呼ばれている光兎山、それから、ゴミステーションの向こう側に朝日連峰の鷲が巣山も見えます。  ぼ

          20240122 イラストエッセイ「ぼくの住んでいる漁村」その2

          20240121 イラストエッセイ「ぼくの住んでいる漁村」その1

           わが集落は、新潟県胎内市M浜といいます。  移り住んで30年以上になります。  200戸ほどが日本海の強風に耐えるべく、肩を寄せ合って暮らしています。  それでも当時は小学校があったんですよ。一学年十人に満たない小さな小学校で、長女は6年、次女はここに5年間通いました。(最後の年は統合した別の小学校で過ごしましたけど。)  漁師の集落だから、おじいちゃんたちは入れ墨なんかがあって、ものすごい迫力でした。笑   木造の船を、櫂で漕ぎ出してね、漁に出たものです。  それで、昔の

          20240121 イラストエッセイ「ぼくの住んでいる漁村」その1

          20240120 イラストエッセイ 「ひろいもの」

          今年の正月、海を散歩していたら大きな電球を拾ったのです。 イカ釣り船の電球です。 真っ暗な海に煌々と明りが見えるのは夏の風物詩ですね。 これ、3000ワットの明るさだとか。大きいんですよ、とても。今は我が家の棚の上に鎮座しておられます。笑 素敵は拾いものをして、今年は良い年になりそうだなって思いました。

          20240120 イラストエッセイ 「ひろいもの」