多田 翼 - #読むとマーケティングがおもしろくなるノート

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多田 翼 - #読むとマーケティングがおもしろくなるノート

おもしろいと思ってもらえるマーケティングの記事を更新。Aqxis 代表 https://aqxis.biz 。Google を経て独立。ベンチャーから上場企業の戦略やマーケに従事。1万字マーケレター毎週配信 https://tsubasatada.theletter.jp

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記事一覧

コクヨの高級ハサミ HASA のブランディング。「正直」 というパーソナリティ設計からのブランド設計とは?

今回は、文房具のハサミを取り上げます。 ハサミは 「切れればなんでもいい」 という感じで、コモディティ商品に思えるかもしれません。しかしブランド設計を磨くことで、他…

斜め3度が変える主従関係。カシオの電卓に学ぶユーザー中心設計

今回は、カシオのユニークな電卓を取り上げます。 特徴は電卓を右に微妙に傾けたデザインにあるのですが、今までになかった電卓の開発秘話からはマーケティングへの示唆が…

非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術 (齋藤太郎) 。上流から始めるクリエイティブ思考とは?

今回は本の紹介です。 タイトルは、非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術 (齋藤太郎) です。 本書の概要著者の齋藤太郎さんは、日本にウイスキーの 「角ハイボ…

スバル流・マーケティング的接客。お客さんの 「これを買いたい」 をつくる方法

今回は営業の話です。 スバルの自動車販売員の方の事例から、顧客起点での接客の秘訣を紐解きます。 SUBARU の自動車販売SUBARU (スバル) の自動車販売が好調です。2023…

サツドラの 「AI カメラ × POS データ × サイネージ」 を活用した広告配信。新しい PDCA 店舗運営のカタチ

今回は、ドラッグストアのサツドラの先進的な事例を取り上げます。 いかにテクノロジーとデータを駆使して、店内のお客さんの買い物行動を分析し、売上を向上させているの…

価値を生むマーケティングリサーチとは?ビジネス課題を解決するダブルダイヤモンドの力

今回のテーマは 「マーケティングリサーチ」 です。 マーケティングリサーチは、マーケティングには欠かせない要素ですが、行ったリサーチは本当にビジネスに貢献しているで…

相手に刺さる提案方法とは?クラウドソーシングをやって学べたエトス, パトス, ロゴス

今回はビジネスでの提案方法についてです。 相手にとって魅力のある提案にするためには、どうすればいいかをご紹介しています。 最近やっていたクラウドソーシングでの案…

児童文学 「エルマーのぼうけん」 に学ぶ、マーケティングで大切なこと

子ども向けの物語である絵本の 「エルマーのぼうけん」 。 エルマーの勇気と行動には、マーケティングの教訓が隠されています。 今回は、9歳の少年エルマーの冒険物語から、…

Itoguchi 「服のまま銭湯」 のブランディング。独創的な体験がもたらした効果

今回は、スキンケアブランド Itoguchi のユニークな体験型施策を取り上げます。 この施策は、単なる商品紹介にとどまらず、ブランド構築や売上向上に貢献しました。ブラン…

リスくんのマーケティング物語 あとがき

ここ最近、「リスくんのマーケティング物語」 というシリーズを公開してきました。 前回の18章で物語が完結したので、最後にあとがきを残しておきます。 執筆の背景自分の…

リスくんのマーケティング物語 [最終章] 何のために商売をやっている?

何のために商売をやっている?リスくんは今までやってきたことを思いかえしていました。 あらためて気づいたのは、どんぐりを売ろうと思った理由をすっかりわすれていた…

リスくんのマーケティング物語 #17 商売をみんなでやるしくみをつくるには?

商売をみんなでやるしくみをつくるには?リスくんはおいしゃさんにみてもらい、しばらく休むようにと言われました。 すぐにリスくんがたおれてしまったことは話が広がり…

リスくんのマーケティング物語 #16 お客さんどうしをつなげている?

お客さんどうしをつなげている?クッキー作りたいけんは、それだけにはとどまりませんでした。 クッキー作りたいけんに来てくれた動物さんたちが、クッキーができあがった…

リスくんのマーケティング物語 #15 お客さんといっしょにできることは?

お客さんといっしょにできることは?モモンちゃんがクッキーを売ってくれるようになり、ドングリッキーは、いろいろな動物さんたちも買えるようになりました。 モモンちゃ…

リスくんのマーケティング物語 #14 お客さんが買いやすくしている?

お客さんが買いやすくしている?ドングリッキーのことを知った動物さんたちはふえたのはよかったのですが、その一方でリスくんにはこまったことがおきました。 リスくんひ…

リスくんのマーケティング物語 #13 新しいお客さんに知ってもらうためには?

新しいお客さんに知ってもらうためには?赤ちゃんドングリッキーにつづき、お年よりドングリッキーもお客さんが買ってくれるようになりました。 お母さんたちは、今までは…

コクヨの高級ハサミ HASA のブランディング。「正直」 というパーソナリティ設計からのブランド設計とは?

コクヨの高級ハサミ HASA のブランディング。「正直」 というパーソナリティ設計からのブランド設計とは?

今回は、文房具のハサミを取り上げます。

ハサミは 「切れればなんでもいい」 という感じで、コモディティ商品に思えるかもしれません。しかしブランド設計を磨くことで、他にはない独自のハサミとして存在感を発揮できます。

コクヨのハサミ 「HASA」 のブランディングから、ぜひ一緒に学びを深めていきましょう。

コクヨの高級ハサミ HASAご紹介したいのは、コクヨの高級ハサミ 「HASA」 です。

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斜め3度が変える主従関係。カシオの電卓に学ぶユーザー中心設計

斜め3度が変える主従関係。カシオの電卓に学ぶユーザー中心設計

今回は、カシオのユニークな電卓を取り上げます。

特徴は電卓を右に微妙に傾けたデザインにあるのですが、今までになかった電卓の開発秘話からはマーケティングへの示唆が得られます。

3度傾けたカシオの電卓ご紹介したいのはカシオ計算機の 「人間工学電卓」 です。

最大の特徴は、右下に3度傾いているところにあります。わずかに傾けることで、電卓を使う手にフィットする形状になっています。

開発プロセス人間

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非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術 (齋藤太郎) 。上流から始めるクリエイティブ思考とは?

非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術 (齋藤太郎) 。上流から始めるクリエイティブ思考とは?

今回は本の紹介です。

タイトルは、非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術 (齋藤太郎) です。

本書の概要著者の齋藤太郎さんは、日本にウイスキーの 「角ハイボール」 ブームを巻き起こしたクリエイティブディレクターです。他には翻訳機 「ポケトーク」 、タクシーアプリ 「GO!」 の仕掛け人でもあります。

齋藤さんのこれまでの経験や知見、実例の案件をもとに、どんな仕事や依頼でも 「なんと

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スバル流・マーケティング的接客。お客さんの 「これを買いたい」 をつくる方法

スバル流・マーケティング的接客。お客さんの 「これを買いたい」 をつくる方法

今回は営業の話です。

スバルの自動車販売員の方の事例から、顧客起点での接客の秘訣を紐解きます。

SUBARU の自動車販売SUBARU (スバル) の自動車販売が好調です。2023年3月期は国内の前期比で 11% 増の10万台を売り上げました。

勢いのあるスバルですが、中でも東京スバル江東店は、スバルの同規模の他店舗と比べて約1.5倍の売上台数を誇り、2023年には優秀店舗の表彰を受けました

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サツドラの 「AI カメラ × POS データ × サイネージ」 を活用した広告配信。新しい PDCA 店舗運営のカタチ

サツドラの 「AI カメラ × POS データ × サイネージ」 を活用した広告配信。新しい PDCA 店舗運営のカタチ

今回は、ドラッグストアのサツドラの先進的な事例を取り上げます。

いかにテクノロジーとデータを駆使して、店内のお客さんの買い物行動を分析し、売上を向上させているのかを紐解きます。

サツドラの挑戦的な取り組み 「AI カメラ × POS データ × サイネージ」 を活用した広告配信

北海道で約200店舗を展開するサッポロドラッグストアー (サツドラ) が、先進的な取り組みを進めています。

業界

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価値を生むマーケティングリサーチとは?ビジネス課題を解決するダブルダイヤモンドの力

価値を生むマーケティングリサーチとは?ビジネス課題を解決するダブルダイヤモンドの力

今回のテーマは 「マーケティングリサーチ」 です。

マーケティングリサーチは、マーケティングには欠かせない要素ですが、行ったリサーチは本当にビジネスに貢献しているでしょうか? "ダメなリサーチ" から生まれる "ダメな戦略"、これは避けたいことですよね。

今回は、マーケティングリサーチの本でおすすめの1冊を取り上げ、リサーチで価値を出す秘訣を探ります。

本のタイトルは、 「専門家」 以外の人

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相手に刺さる提案方法とは?クラウドソーシングをやって学べたエトス, パトス, ロゴス

相手に刺さる提案方法とは?クラウドソーシングをやって学べたエトス, パトス, ロゴス

今回はビジネスでの提案方法についてです。

相手にとって魅力のある提案にするためには、どうすればいいかをご紹介しています。

最近やっていたクラウドソーシングでの案件募集から学んだことで、ビジネスで相手に刺さる提案方法を書いています。

クラウドソーシングを使ってみました最近やってみたことが、クラウドソーシングで依頼です。動画作成とビジネス文書の英訳です。

複数の方から応募があり、1つの案件で1

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児童文学 「エルマーのぼうけん」 に学ぶ、マーケティングで大切なこと

児童文学 「エルマーのぼうけん」 に学ぶ、マーケティングで大切なこと

子ども向けの物語である絵本の 「エルマーのぼうけん」 。
エルマーの勇気と行動には、マーケティングの教訓が隠されています。

今回は、9歳の少年エルマーの冒険物語から、マーケティングへの示唆を掘り下げます。

エルマーのぼうけんエルマーのぼうけんは、1948年にアメリカで出版された児童文学作品です。

島で捕まっている 「りゅう」 を助けに

まずは絵本 「エルマーのぼうけん」 の物語を見ていきま

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Itoguchi 「服のまま銭湯」 のブランディング。独創的な体験がもたらした効果

Itoguchi 「服のまま銭湯」 のブランディング。独創的な体験がもたらした効果

今回は、スキンケアブランド Itoguchi のユニークな体験型施策を取り上げます。

この施策は、単なる商品紹介にとどまらず、ブランド構築や売上向上に貢献しました。ブランディングの舞台裏に迫り、マーケティングに学べることを掘り下げます。

自社ブランドの現状把握きものブレインは、新潟県十日町市での着物加工業と養蚕事業を主軸にしている企業です。

背景にあった課題感

きものブレインは、「Silk

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リスくんのマーケティング物語 あとがき

ここ最近、「リスくんのマーケティング物語」 というシリーズを公開してきました。

前回の18章で物語が完結したので、最後にあとがきを残しておきます。

執筆の背景自分の小学生の子どもにマーケティングのことを伝えたいと思ったものの、ぴったりの本がありませんでした。

それならばと、自分が執筆をして本にし、かつ世の中にも一人でも多くの子どもたちとその親に、マーケティングのおもしろさを伝えたいと思ったの

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リスくんのマーケティング物語 [最終章] 何のために商売をやっている?


何のために商売をやっている?リスくんは今までやってきたことを思いかえしていました。

あらためて気づいたのは、どんぐりを売ろうと思った理由をすっかりわすれていたことでした。もともとは、自分の家がふるくなり直したいところが見つかり、そのためにお金がほしいと思ったからでした。

おかげさまでドングリッキーはたくさん売れ、リスくんの家を直すお金はすでにたまっていました。お金をかせぐというゴールをたっせ

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リスくんのマーケティング物語 #17 商売をみんなでやるしくみをつくるには?


商売をみんなでやるしくみをつくるには?リスくんはおいしゃさんにみてもらい、しばらく休むようにと言われました。

すぐにリスくんがたおれてしまったことは話が広がりました。
ときどきドジをするリスくんですが、さすがに今回ばかりは、森の動物のみんなは心ぱいになり、お見まいにやってきました。

* * *

ある日、ねずみのネズくんはリスくんを助けたいと思い、リスくんとドングリッキーをいっしょに売ってい

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リスくんのマーケティング物語 #16 お客さんどうしをつなげている?

お客さんどうしをつなげている?クッキー作りたいけんは、それだけにはとどまりませんでした。

クッキー作りたいけんに来てくれた動物さんたちが、クッキーができあがったあとに、その場でみんなでいっしょに食べる「楽しいおやつの時間」になっていったのです。
お客さんたちのいこいの場になったことが、リスくんやモモンちゃんにはうれしく思えました。

なかには、かたちがくずれているクッキーもありましたが、たいけん

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リスくんのマーケティング物語 #15 お客さんといっしょにできることは?

お客さんといっしょにできることは?モモンちゃんがクッキーを売ってくれるようになり、ドングリッキーは、いろいろな動物さんたちも買えるようになりました。
モモンちゃんは、せなかのまくを大きくひろげ空をとび、つぎつぎに木から木へうつり、とおくの森まで行ってくれたのです。

モモンちゃんだけではなく、リスくんもドングリッキーを森の中で売っていました。
でも、リスくんたちがドングリッキーを持ってやってくるの

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リスくんのマーケティング物語 #14 お客さんが買いやすくしている?


お客さんが買いやすくしている?ドングリッキーのことを知った動物さんたちはふえたのはよかったのですが、その一方でリスくんにはこまったことがおきました。
リスくんひとりではすべてのお客さんにドングリッキーを売ることができず、ドングリッキーを買えない動物さんたちがふえてきていました。

そこでリスくんはモモンガのお友だちのモモンちゃんに手伝ってもらうことにしました。

「ねえねえモモンちゃん、もしよか

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リスくんのマーケティング物語 #13 新しいお客さんに知ってもらうためには?


新しいお客さんに知ってもらうためには?赤ちゃんドングリッキーにつづき、お年よりドングリッキーもお客さんが買ってくれるようになりました。
お母さんたちは、今まではドングリッキーを赤ちゃん用にすりつぶしてやわらかくしたり、お年よりの動物も「もう少しやわらかければいいのに」と心のどこかで思っていたようです。

「リスくん、いいものを作ってくれてありがとう」
お客さんのかくれたのぞみやちょっとした不べん

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