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note「ラッパの吹き方:Re」マガジンに「016.音を出してみよう その4(運指とそのしくみ)」記事を掲載しました

以前違うところで掲載していたブログ「ラッパの吹き方:Re」。初めてから5年ほど経って読み返すと今の考えや実践とだいぶ変わっていることが増えたので、更新を止めて1つ目の記事から加筆修正をして、noteに再掲載しております。
今回ご紹介するのは、書き直した16個目の記事「運指とその仕組みです」

その記事はこちら

ぜひご覧ください。ここで同じ話しても仕方ないので、ちょっと余談的なことを書きます。


まず半音で下がるところからスタートするレッスン

トランペットの音を初めて出した時、多分皆さん最初に教わったのは「ドレミファソ…(B dur)」だったと思います。ただ、僕の場合レッスンでは最初に五線下の解放(ピストンを押さない状態)のB音から半音で最低音まで下がってもらいます。

なぜ音階ではなく半音で下がるのか。これは、まずピストン(バルブ)の機能について理解したもらいたいからです。

突然の6ポジション

ところでトロンボーン、吹いたことありますか?
僕は初めてトロンボーンを吹いた時、中学校にあった古いテナートロンボーンだったこともあって、「ドレミ」のポジションを教わった際、「ド(B)」がスライドが一番手前であること(完全に入れてはダメとかそういう話は置いといて)、次の「レ(C)」は腕をいきなりギュイーンと伸ばして6ポジション。

え?いきなりなんでこんなに伸ばすの?と思ったら「ミ(D)」はまた急に手前に戻ってくるし…理屈を聞いても先輩も説明できず「レはこの場所、そういうもの」としか教えてわらなかったために、「レ」に対する違和感とモヤモヤが残ってしまいました。
その時「難しいなあ」「よくわからないなあ」という印象がトロンボーンに対して残ってしまいました。

トランペットの1,3ピストン

トロンボーンの6ポジションはトランペットの1,3番ピストンを押している状態です。
これも中学生の時のことですが、初めてトランペットで吹かされたのが、やはりB dur、音階でした。ドレミ…くらいしか出ませんでしたが。

ドはピストン押さない。「なるほど」
レは1と3を押す。「???」

もうわからん。何でそうなるん?

僕は理屈っぽいのでこのランダムに変化する指遣いが理解できませんでした。理解できないけど、順番だけ感覚的に記憶してドレミファドラシドとB durが吹けるようになると「音階というのはこの順番でピストンを押すもの」とインプットされてしまい、何が大変だったかと言えば、他の調が全然吹けないのです。あと、臨時記号が出てくるとすぐにわからずミスしたり、いちいち運指表を見て確認する。

理屈と音楽を同時に学ぶ

この経験があるので、大人になってレッスンをする側になった時、ウカツにB durから入るのを避けるようになりました。体験レッスンは楽しいと感じてもらうのが優先なので別ですが、ちゃんと定期レッスンをする際には、B音から半音ずつ下がり、なぜその指の順番になるのかを楽器の構造とともに説明するようにしています。

そして、ある程度音が出るようになったら、次に倍音のお話しをします。ドとソがなぜ同じ運指なのか、という話。

倍音と運指の関係、共通点が理解できると、あっという間に全音域の指の順番がわかるようになるのと(個人差ありますが)、例えばピストン1,2で何かの音を吹いていて、その半音下の指が咄嗟に出なくても、理屈を知っていると少し考えれば運指表を見なくても2,3の指だとわかるし、その音がラでもミでも、オクターブ上でも同じだということも同時にわかるのです。

経験からレッスンのストーリーを組み立てる

初心者に対するレッスンは特に、解説するストーリーが順調であるほうが良いと僕は思っています。「そんなの別にどうでもいいじゃないか」と言う方もいらっしゃるとは思いますが、長年たくさんの方にレッスンをしていて、こんな細かいことなのに後でいろいろと影響するのだと身をもって体験しているため、進め方に気を配っているわけです。

今回ご紹介した「ラッパの吹き方: Re」の記事は、その構造について解説したものです。B dur以外の調が出てくるとわけわからなくなる方や、半音階が苦手な方は、今一度楽器(バルブ)の構造を確認してもらえればと思います。
記事はこちらです、ぜひご覧ください!

荻原明(おぎわらあきら)

荻原明(おぎわらあきら)です。記事をご覧いただきありがとうございます。 いただいたサポートは、音楽活動の資金に充てさせていただきます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。