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諸行無常

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仏教関連の記事を集めました。
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記事一覧

一隅を照らす。

一隅を照らす。

歎異抄の入門書みたいなのを読んだんですけど、浄土真宗は「すべての人々は本願によって救われる」というのが教義の中心にあるような印象です。
浄土真宗は自ら「易行」だと言っているようです。つまり、簡単に仏になれますよということ。おいおい、ええんかそれで。

鎌倉仏教は時代背景もあって、現世に希望を持てない人で溢れてました。
だからどうしても死後の世界で救われるかどうかに皆の関心が寄っていたのでしょうね。

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南無阿弥陀仏の本質

南無阿弥陀仏の本質

親鸞聖人の浄土真宗は「南無阿弥陀仏」さえ称えていれば極楽浄土に行ける弱者救済の仏教だという印象でした。

しかしこの認識は誤りで、念仏を手段として用いている時点で目的論的な考え方であり、それは真に阿弥陀を信じているとは言えません。
目的論的に念仏を称えていようが、阿弥陀を信じていなかろうが、
皆救われる、それが阿弥陀の道理だと言います。

「こうしたほうが良い」「こうするべきだ」というのは不完全な

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近代的自己への反省と仏教を学ぶ意義

近代的自己への反省と仏教を学ぶ意義

中村元先生の書籍を読んでまたdotsがconnectingしたので、記事を書きます。
connecting the dotsについてはこちら↓

読んだ本はこちら↓

キーワードは、近代的自己。
デカルトが「我思う、故に我あり」と言った。近代的自己の始まりである。
現代の日本は1億2千万人の近代的自己が暮らしているのだが、そもそも「日本の近代的自己」というのは西洋の文化を積極的に取り入れ始めた明治

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生まれてくることの困難さ

生まれてくることの困難さ

昨日、人間の尊厳性は生まれてきたときに自然から与えられるものだ、という記事を書きました。

生まれてくることの神秘性を考えていると、高校生の時に聞いた話を思い出しました。
僕は仏教校の出身なので仏教の授業があったのですが、その中で生まれてくるのがどれくらい難しいことかという話を聞きました。

生まれてくることがどれだけ難しいかと言うと
海のどこかに落とした縫い針を探し出すくらい難しいそうです。

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登山はなぜ気持ちがいいのか。

登山はなぜ気持ちがいいのか。

趣味の記事です。
仏教の唯識について学ぶうちに登山の気持ち良さの理由がわかったので紹介します。

登山の気持ち良さといえば人それぞれでしょう。僕は山の上から世界をボーッと眺めるている時間がとても気持ちよくて好きです。
「生きている実感」があります。

この「生きている実感」って何だろう?
何で山の上だと「生きている実感」がするのだろう?と思っていたのです。
そして、まさに唯識の思想にその答えがある

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仏教のあり方②

仏教のあり方②

一つ前の記事で、仏教のあり方について、一神教との違いという視点でまとめた。(島田裕巳さんの、『教養として学んでおきたい仏教』の内容を参考にしています)
仏教のあり方を端的にまとめるとこうだ。

・仏教には神のような絶対の存在はいない。
・仏教では、人が仏になるために修行することを重視する。

そして、島田裕巳はこう提言している。

この激動の時代の中で仏教はその役割を果たしていかなければならない。

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仏教のあり方

仏教のあり方

仏教についてざっくり学びたいと思い、島田裕巳さんの本、「教養として学んでおきたい仏教」を読んだ。

僕は中高と仏教校の出身である。6年間、毎朝、般若心経を唱えていたので、高校を卒業して12年経つが、今でも般若心経を唱えることができる。
宗教関連の記事を読んでいると、近年はマインドフルネス(瞑想)が流行るなど、仏教の価値が再認識されてきているように思われる。世界で1番幸福を感じている人間は、毎日16

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