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歴史本書評

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オススメ歴史本の読書記録。日本史世界史ごちゃ混ぜです。
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2021年8月の記事一覧

終戦記念日に勧めたい本

終戦記念日に勧めたい本

今日は76回目の終戦記念日です。
「あの戦争」をめぐる言説は、年々危うさを増しているように思います。
特に、日本軍の外国への加害や、味方に多くの犠牲を出した無能さに目を背けてはなりません。

第二次世界大戦(太平洋戦争)についての教養を身に着けるためのお勧めの書籍を紹介します。

1.加藤陽子「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」(新潮文庫)近代日本が戦った日清戦争・日露戦争・第一次世界大戦・第二

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【書評】石田勇治「ヒトラーとナチ・ドイツ」講談社現代新書

【書評】石田勇治「ヒトラーとナチ・ドイツ」講談社現代新書

写真=1933年、全権委任法(授権法)成立後のヒトラー。

ヒトラーやナチ党については、次のようにイメージしている人が多いのではないかと思う。

「ナチ党が選挙によって議会の多数を得たことにより、ヒトラー政権が成立した。ヒトラーはドイツ人の信任を得ていたのだ」

「ヒトラー政権の初期には、優れた経済政策で世界恐慌の打撃から立ち直り、失業率も改善した。経済政策だけでみれば有能だ」

果たして、この認

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