トトロ先生

中学校教員38年を終え、3月末に定年退職しました。退職後、再任用として、退職時に勤務し…

トトロ先生

中学校教員38年を終え、3月末に定年退職しました。退職後、再任用として、退職時に勤務していた学校に、教科担当として勤務しています。 立場がガラリと変わったことで、見えてくる景色もかなり変わってきました。 今だから書けること、これからのために書き残したいこと、少しずつ。

最近の記事

長続きさせたいなら、無理をしないこと。無理をするから苦しくなる。どんなことでも同じ。

    • 通知表の評価・評定と生徒の成績

      まもなく学年末を迎える。通知表が作られる学校が多い。実は通知表は法定帳簿ではない。各教科とも、学習指導要領に基づいた3観点について評価をし、5段階の評定をつける。これは、法定帳簿である生徒指導要録に書き残されるものであり、公立高校の入学者選抜では調査書に記載される。したがって、生徒・保護者が知らないものを通知するわけにはいかないので、通知表に記載しているのだと自分は解釈している。 ところで、通知表が学期ごとに作成され配布されるとすれば、評価・評定も学期ごとに出さなくてはなら

      • 公立高校入学試験と中学校の授業の関係

        多くの都道府県で公立高校の入学試験が行われているこの時期、公表された入試問題を見ながら多くのことを考える。 私が勤務する県の県立高校入学試験が先週行われ、翌日の新聞で問題と正解が公表された。担当する理科の問題、いや正解を見て、記号での解答が非常に多いという印象を受けた。勤務先の他の教科担当者も、それぞれの教科で同じような印象を受けたとのこと。英語では英作文なし、数学では証明の記述なし、国語では文中からの書き抜きなし、社会ではカタカナで語句を答える問題はあっても漢字での記述や

        • テストのこと

          多くの学校では期末テスト、学年末テストの時期。 最近は前後期制の学校も多いので、定期テストの回数は少なくなっているのではないか。 かく言う自分の勤務校も2学期制。1学期の中間テストが5月末頃、期末テストは夏休みを挟んで9月下旬。2学期の中間テストは11月下旬で、期末テストは2月下旬。 学校の定期テストであるから、当然のことながら学校の授業で学習した内容からの出題。授業は主に教科書に沿って行われているから、出題範囲は教科書のページで示される。 今回、自分が担当する理科では

        長続きさせたいなら、無理をしないこと。無理をするから苦しくなる。どんなことでも同じ。

          授業のこと

          コロナ禍である。オンライン授業が行われる学校もかなりある。 私の勤務校ではコロナ感染の影響で出席停止になっている生徒に向けて、期間限定ではあるが参加任意で授業を配信している。 「授」という文字は「授ける」「授かる」という言葉に使われることから、「あたえる行為」「いただく行為」の双方があってはじめて授業である。つまり、これまで知らなかった知識や考え方を教師から生徒に伝達する行為が授業と考えることもできる。 学校での授業は先生ひとりに対して多数の生徒で行なわれるため、ひとりひ

          授業のこと

          席替えのこと

          中学生にとって、席替えは大切なイベントである。 中学生の頃、自分は視力が悪いわけではなかったし、身長は高い方だったので、大体教室では後ろの席だった。窓側でも廊下側でもどこの席でもよかった。いちばん後ろの席の場合、プリントなどが配られるときには最後の一枚を貰えば良いので楽だが、後ろから集めるように指示されるとちょっと面倒だった。当時、教室にはエアコンはおろか扇風機もなかったので、夏は風が通るところが快適だったが、今ほど暑くはなかった気がする。冬の暖房はだるまストーブ、今考えれ

          席替えのこと

          みんなと同じでいいの?

          子どもが親に何かをねだるとき、「みんな〇〇だよ!」という言葉は殺し文句。今の子どもたちでいえば、スマホを買ってもらうときに親にいう言葉ではないだろうか。親によっては、「みんなって誰?」という言葉で子どもを黙らせることもあるらしいが、そのあとには「そろそろなのかな?」と考える。 そもそも、誰かと同じということは子どもたちにとっては重要なことであり、仲良く遊ぶときには共通のものやことが大きなポイントである。わが家の三兄弟は、小さい頃から仲良く一緒に遊んでいた。幼稚園の頃、2人の

          みんなと同じでいいの?

          ホメるより励ます

          ホメて育てると言う言葉をよく聞く。ホメられてイヤな気分になる人は少ないだろうし、ホメる言葉は口にする方も気分が良い。 特に、子どもたちはホメられると嬉しくなって、そのとき以上に頑張ったりする。 勘違いしてはいけない。ホメる材料もないのにホメるようなことを繰り返していると、勘違いする子どもになることがある。何かあるごとに、自分の好意をアピールし、ホメてほしいというオーラを発するような、異常に承認欲求が強い子どもになると言う例をたくさん見てきた。 一方で、ホメられた経験がほと

          ホメるより励ます

          無理するな

          何かをはじめるとき、三日坊主で終わらないようにしようと思うのは誰でも同じ。それでも続かない経験をしたことを経験している人はほとんど。 継続は力なりとは言うが、どんなに簡単なことであってもずっと続けたら必ず身につくものがある。入学してきた新入生には、必ず「授業で習ったことを毎日5分でいいから思い出しなさい」と伝えている。騙されたと思ってそれを継続していた生徒は、テスト前にそれほど苦労せずに試験準備ができるようになったと言っていた。 多くの中学校では、自主学習ノート提出という

          無理するな

          実験のこと

          理科という教科を暗記教科と思う生徒が多い。場合によっては、塾の先生にもそういう人がいるかも知れない。教科書に出ていることさえ覚えれば良いという人も少なくないのではないか。 自分が受けた中学校での授業。担任の先生が3年間理科の若い先生だったにもかかわらず、その先生の授業は全く記憶に残っていない。理科室に入った記憶といえば、卒業アルバムに使う写真を撮るときだけだったのではないかと思う。当時、各学年6から7クラスもあったので、考えてみれば理科室の割り振りもほとんどなかったのだろう

          実験のこと

          仲間について

          自分が思ったこと、感じたこと言葉で伝えることは大切なこと。 感情表現も同じ。 幼児であれば、うれしい時には声を出しと喜び、おもしろい時には声を上げて笑う。悲しい時には声を上げて泣き、怒った時には顔を赤くして声を荒らげる。ごく自然な行動である。 思春期に差しかかるか、思春期まっただかなになると、なかなかこれができなくなる。授業中に手をあげて発言することも少なくなり、質問しても黙っている生徒が多い。 ところが、個人名が明らかにならないようにして書き込めるような仕掛けを作ると、

          仲間について

          習慣にすること

          いま、自分が日々やっていることの多くは、習慣としていること。朝起きたら、その日に収集されるゴミを集積場に運ぶことやコンビニで缶コーヒーを買ってきて飲むことなど、ほぼ数年間変わっていない。 自分が置かれた状況や自分の役割が変わると、それに関する習慣は変えることになる。これまで経験してきたことを少しだけ変えれば済むこともあれば、全く新しくやらなくてはならないこともある。新しい状況や環境に馴染むのが早い者もいれば馴染むのに時間がかかる場合もある。 中学生の場合、小学校からの変化

          習慣にすること

          給食のこと

          学校といえば給食。 自分は幼稚園の時は母が作ってくれたお弁当だったが、小学校に入学してからは給食だった。 自分が小学校に入学した時は、新校舎を立ててはいたが、まだ木造校舎が残っている時代。朧げながらに覚えているのは、アルマイトの食器に先生がポットかやかんかわからないような入れ物から何かを注いでいたこと。味は全く覚えていないが、あれが脱脂粉乳だったのかも知れない。主食は食パン2枚。欠席した友だちには、わらばん紙に包んだ食パンを届けていた。 覚えているのは高学年になってから、牛

          給食のこと

          高校入試のこと

          いま、生徒たちは私立高校入試の真っ最中である。 普段はちょっとカッコつけている生徒、ちょっとオシャレしたい生徒が、優等生に見える。やっぱり意識するものだ。 自分の高校入試を思い出すと、当時は偏差値が大腕を振って学校内でまかり通っていた時代。何のことなのかわからず、ただ数字が大きくなればいいとしか思わなかった。100点をとったのに72とか、何だか損した気分だった。 当時の都立高校は学校群制度になっており、高校を志願する仕組みにはなっていなかった。住んでいた都営住宅のすぐ裏に

          高校入試のこと

          通勤のこと

          東京の下町に住んでいた学生時代、23区内であれば1時間程度でほぼどこにでもいくことができた。電車に乗るのにも、5分も待てば次の電車が来るので、通学に苦労したことはほぼない。地下鉄に乗れば、乗り換え駅を過ぎれば運が良ければ座れるくらい空いたし、都内だからといって、満員電車ばかりではなかった。 初任の私立高校へは、新宿から京王線で通った。朝の新宿駅の雑踏たるやなかなかのもの、流れに乗って移動するしかなかった。 次に勤務した千葉県の私立中学校は下りの電車に乗り、かつそこからバス

          通勤のこと

          テストの得点のこと

          テストの点数を気にしない生徒はほぼいない。返却のときに喜びの声をあげる生徒もあればうなだれる生徒もいる。 感想を聞くと、「点数が良かった」「点数が悪かった」というがその基準は人それぞれ。満点に近くても満足しない生徒もいれば、答えていない問題が多くても答えたものが正解だったら満足する生徒もいる。 自分が受けてきたテストのことはあまり覚えていないが、中学校のとき、音楽のペーパーテストで解答欄を間違えて悔しい思いをしたことははっきりと覚えている。悔しかったからだろう。 ある高校

          テストの得点のこと