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通勤のこと

東京の下町に住んでいた学生時代、23区内であれば1時間程度でほぼどこにでもいくことができた。電車に乗るのにも、5分も待てば次の電車が来るので、通学に苦労したことはほぼない。地下鉄に乗れば、乗り換え駅を過ぎれば運が良ければ座れるくらい空いたし、都内だからといって、満員電車ばかりではなかった。

初任の私立高校へは、新宿から京王線で通った。朝の新宿駅の雑踏たるやなかなかのもの、流れに乗って移動するしかなかった。

次に勤務した千葉県の私立中学校は下りの電車に乗り、かつそこからバスに乗らなければならなかった。登校する生徒と同じバスに乗るのだが、とにかくバスは生徒で満員。週に一度くらいは駅前でバスの乗車指導もあった。混雑するバスが嫌で、バスに乗る駅の一つ手前で降りて自転車で通勤したこともあった。バスは時間通りに走らず、かつピークの時間以外は間があいてしまうため、好きな時間に退勤というわけにはいかなかった。しかし、電車通勤だと退勤時に駅前でちょっとということもできるため、悪くはなかった。

次に勤めた専門学校は、当時の家から直線距離は10kmあるかないか。環七をまっすぐいくだけで着くところにあった。その割に、公共交通機関を使うと、都心経由になってしまうため40分程度。自転車が一番早い通勤手段。排気ガスの中、30分ぐらい我慢すれば到着。時間もきちんと読めた。
当時は高校の非常勤講師も兼務していた。こちらは渋谷からバス。衆議院議員選挙に、あのおぞましき教団から候補者が立ち、その教祖の選挙活動を渋谷駅前で見たことを覚えている。銀座線を使っていたので、大して混雑していた記憶はない。

現在の県に採用された当初、配属先は県南部でも一番北の町。通勤距離は約70km。電車に乗るのは6時過ぎ、私鉄からJRに乗り換え、さらに中距離電車に乗り換えるのだが、最寄駅に行く電車の本数は1時間に2本程度。下り電車はガラガラ。座って朝刊を隅から隅まで読んでもまだつかない。少し寝るとやっと到着。そこから歩いて15分程度で到着。定期代はバカにならない額。途中下車しても面白いところなどないが、とにかく本を読んだりする時間には事欠かなかった。ただし、当時はあまり本を読んでいなかったため、睡眠時間に充てていた。

家庭訪問があり、学区がとにかく広かったため、その後車での通勤になった。千葉県内に引っ越したため、通勤距離は少々短くなったが、毎日高速道路で往復。当時乗っていた車は決して燃費は良くなかったので2週間に3回は満タンに給油していた。当時のガソリンは1リットルあたり80円台だが、ガソリン代と高速代はとんでもない額だった。

東京都内や隣接圏の東京寄りの市町村を除けば、公共交通機関を使う通勤は非常に困難であることを知った。車がなければ買い物にも困ってしまうことも多いだろう。現在住む県では、軽自動車が家族の人数分ある家庭が日本でも最も多いと聞く。

通勤時間は長くても、それほど混まない電車通勤であれば、自分の時間が取れて良いものだ。自動車通勤はある程度の距離ならば苦にはならないが、通勤途中の寄り道が難しい。

通勤距離は短いに越したことはないが、この職業ではあまり近いのは考えものである。

現在の通勤距離は片道1.3km、信号4つ。青信号が続けば通勤時間は5分程度である。ガソリンの満タンは月に1回に減っている。

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