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テストのこと

多くの学校では期末テスト、学年末テストの時期。
最近は前後期制の学校も多いので、定期テストの回数は少なくなっているのではないか。

かく言う自分の勤務校も2学期制。1学期の中間テストが5月末頃、期末テストは夏休みを挟んで9月下旬。2学期の中間テストは11月下旬で、期末テストは2月下旬。

学校の定期テストであるから、当然のことながら学校の授業で学習した内容からの出題。授業は主に教科書に沿って行われているから、出題範囲は教科書のページで示される。

今回、自分が担当する理科では、教科書で言うと100ページ分くらいの出題範囲があった。その中には、水溶液、光、音、力、火山、地震と大きく分けて6つの小単元が含まれていた。これほどの試験範囲は生徒にとっては酷だなと思いながら、だとしたらできるだけはやくと思って1か月前には伝えておいた。

自分は授業では実験や実習を重視するので、生徒はその度にレポート的なものをデジタルでまとめ提出している。最近は、タブレットで実験の様子を記録して見返すことも簡単にできるので、細部にわたる観察などは非常にやりやすく、紙にレポートをまとめていた頃に比べれば、生徒にとっても授業時間内に終えられるような1時間完結で学習は進んでいく。単元の区切れ目で行う、いわゆる単元プリント(多くの先生は単元テストという)では、そこそこの得点をとる生徒が多い。

しかし、定期テストとなるとそうはいかないようである。自分の学校では、定期テスト前3日間は部活動停止となる。生徒の勉強の時間を確保すると言う意図である。しかし、この期間に早く帰った生徒に聞いても、その分勉強をしたと言う生徒は少数で、どうも時間を持て余してゲーム三昧というのもあるらしい。

ここ数年、自分はテストの約2週間前にテスト準備用問題を作成して配付している。内容は、同じ試験範囲の時に自分が作ったテスト問題を集めたもの。どうも、塾によっては各学校の各教科の定期テスト問題がストックされていて、塾生に配付しているとの話を聞き、それでは不公平だと考えて配付するようにした。ただし、解答例は付けず、解いた生徒が採点してほしいと持参すれば添削して返却している。

思うに、多くの生徒はテスト準備を「暗記」だと思っている。確かにそれで解答できる問題もあるのだが、同じ出題の仕方でも図が別のものになっていたり、数値が変わっていたりしても、それでは「暗記」した答えしか書けないので、正解できない。自分がテスト準備用問題を生徒に配付するのは、「教科書で学習したものは、こんな問題になるんだよ。教科書を見ながらやっってみれば、絶対にできるはずだよ」ということを知らせたいからである。これは、配付の時に生徒には伝えているのだが、それを汲みとって理解する生徒は残念ながら少数である。

かくして、先週行われた期末テスト。前回よりも得点が上がった生徒、ほぼ同じ生徒、さがった生徒、それぞれが見られた。
考えてみれば、同じ単元から出題しているわけではないので、得意や苦手を考えれば、当然のこと。ましてや、数学的な知識や技能を用いなければならない物理分野は苦手と思い込んでしまう生徒も少なくないので、全体的に得点は高いとはいえない。

それでも、前回と比べてという考えが生徒だけではなく先生の中にもまかり通ってしまう。合計点が何点だとか平均点がどうだとか順位がどうだとか。数字だけをみれば確かにそうなのだが、何かが違う気がする。

定期テストで高得点したからと言って、きちんと理解したとは限らないし、得点が思わしくなくても理解はできていて書くことに困難がある生徒だっている。だから、どの先生でも同じだろうが、定期テストの得点は評価の参考としてしか扱わない。それよりも何よりも、時間をかけてでも自分なりに努力をして仕上げた授業中の課題を重視する。

定期テストの目的は何?
いま、自分の中ではこれということが残念ながら見つからない。

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