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通知表の評価・評定と生徒の成績

まもなく学年末を迎える。通知表が作られる学校が多い。実は通知表は法定帳簿ではない。各教科とも、学習指導要領に基づいた3観点について評価をし、5段階の評定をつける。これは、法定帳簿である生徒指導要録に書き残されるものであり、公立高校の入学者選抜では調査書に記載される。したがって、生徒・保護者が知らないものを通知するわけにはいかないので、通知表に記載しているのだと自分は解釈している。

ところで、通知表が学期ごとに作成され配布されるとすれば、評価・評定も学期ごとに出さなくてはならない。私が担当する理科の場合は、生物・化学・物理・地学の4分野を学習するので、得意な分野と苦手な分野で全く成績が異なる生徒も少なくない。だから、それぞれの分野(単元)ごとに評価規準を生徒に伝えて評価していても、全分野をならした評価・評定しか伝わらない。たまたま評価・評定をだす時期には基準に達していなかったとしても、復習をしていくことでのちに基準に達したのならば、それはそれで素晴らしいことだし、評価に値する。

今年は授業を受け持った生徒に、「それぞれの学習課題は時間をかけてじっくり取り組んでほしい。たとえ時間がかかっても、解決できるはずだから。それが自分の力になるんだよ。」と伝え、退出期限は設けなかった。ただし、「通知表に載せる評価・評定の締め切りは○○日だから、それだけは先生には変えられないことをわかってほしい」とは伝えておいた。

授業ごとの学習課題や標準的な進め方などは、毎回の授業ごとのクラウド上に残してあるため、生徒はどのような課題があって、それを自分は仕上げられたかどうかが簡単にわかる。生徒が何ができて何がまだできないかを確認させるようにつくったしかけである。この時期に覗いてみると、生徒の学んだ足跡が一目して分かる。学年末には、生徒にこれを配付する予定だ。

たまたま、今年は1年生の担当だったので、授業や課題・学習にどのように取り組めば良いのかを伝えられたものと思う。通知表の成績が全てではないと分かってもらえただろうか?

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