罪人はワニに食われて/17の神アイス
今にしか生きていなくてつまらない。
少し前まではたとえば、とおく宇宙の果てにあるものを、一生かけて追いかけるようなつもりで生きていた。信じるものがあった。それは完全に喪われたわけではないがしかし、ベッドの傍の窓からこの部屋の濁った空気が吹き出してゆくたびに、魂がその末端から解けて消えてゆくような、あるいは二度と会えはしない大切な人をそれとも気付かぬままに忘れかけているような、そういう虚しさが、無理に寒い住宅街へ連れてこられたヤシの木たちの葉の数を数えながらこの小さく細い身体を