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浜辺でいろいろと拾った。

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ノートで拾ったお気に入りを置いておきます。
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#短編小説

砂場で眠る

砂場で眠る

 砂場で眠る。私は手をつないでもらっている。
 目の前は星空ばかりで、月は見当たらなかった。でも空がぼんやりと明るいからきっとどこかに隠れているのかもしれない。
 月光が漏れ出ている空が、ジャングルジムの影を私の体に薄く這わせている。その交錯する影の直線が亀裂のようだとぼんやりと思った。つないでいる手は私を何かと繋ぎ止めてくれているもので、きっと今手を離したら、私の身体はこの亀裂から裂けてバラバラ

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一生消えなくてもいいくらいの言葉にはまだ出会っていない

一生消えなくてもいいくらいの言葉にはまだ出会っていない

小学生の頃、私の父となった人には刺青が入っていた。両肩から二の腕にかけて丸々と太った朱と藍の鯉、背中にはなぜか河童。当時の彫り師の腕が相当立ったのか。本来なら滑稽にもなりかねないはずの河童が実に雄々しく男前に描かれていた。素肌に直接色とりどりの装飾を纏ったその男が誰のお父さんとも違うことは子供の目にも明らかだった。

新しい父との生活は緊張の連続であった。どうにかしてこの男に取り入らなければ日々お

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霧の中で

霧の中で

 ここは雨ばかり降る。

 水滴が落ちてきて、蒸発して、それが白いもやもやとなって、彼女の周りを覆っている。

 「フォグおいで」

 彼女が私の名前を呼ぶとき、私はすでに彼女の膝の上にきちんといる。それでも、時々不安になるのか、彼女は私の名前を呼ぶ。

 もうしばらく開かれていないカーテンを眺めながら、彼女はいつもぼうっとしている。薄い緑色のカーテンは、淡い光を透かし、彼女の素足を柔らかく照らし

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