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川光 俊哉 Toshiya Kawamitsu
2019年1月30日 18:58
日射病袖をしぼって 汗をふきヘリコプターを見あげる日まぶたでつつんだ蝉時雨石の階段 十段目ファスナー おろした 指が欠け堤防づたいに歩く午後宝探しの その 宝ダイヤモンドかカブトムシ大事な部品がたりなくて握手をこばむ権利 なく駅のベンチで金魚は昼寝本棚 めぐって 泣きやまず理解できない その 鼓動出会えるのなら時間旅行も 聖家族髪を洗って ベランダ
2019年1月29日 21:24
創世空 かぐわしく 袖 はらい花 そよがせて 月 のせて思いえがいた神さまは根に 口 開き 目 ころがし島 晴れわたり 窓 割れて風 不機嫌で 人 ほどけわがまますぎてごめんなさい罪ほろぼしは局地的かしこいだけでゆるされていくつも連結 つくりあげ失敗作を 手づかみ 食べる変わりつづける かげ ひなたあなたまかせの幸福は結局 わたしのはじまりだった それ
2019年1月27日 22:16
嬰児のパレード生まれてはじめて思い知る風にかたちがあるようにまるで夢でも見るように気が遠くなる やけどするなんて不思議な発光体行列 つくって 道を行く平野はなだらか 山 ふたつ港へつづく 道を行く焼却されると知らないでまるで明日があるようにビニールぶくろのなかに手を入れ同じことだけ考えてせせら笑う 目 あなたはだめだ見せかけの穴 もういらないから 泥の
2019年1月23日 22:53
劇場潮騒 むすんで 切る 毛糸ただ焼く 光 針千本フィルムを首に巻いている軒をならべて 長い道白黒の絵がかざられた踊り場に立つ名もなき子絨毯の色に目が燃える片足で立つ赤鸚鵡夜の女王は退屈で気まぐれに寝て 動けないかわいそうでもしかたなかった川の流れは絶え間なく瓶詰幽霊 灰皿でぐるぐる まわる 浄化の日まで 乾季色がなければ影もなく息がみだれておさ
2019年1月23日 00:57
追憶白黒 錯綜 夜明け前遠いむかしの物語発掘したもの そこにある空から落ちてきたようにくもりのち晴れ 夜明け前失われていた物語未完成でも 不滅でもずっとおだやか 花 ひらく路上に木漏れ日 めぐみ 食べあやまち 数回 胸をはる陳腐な複製 鎮座まします衰弱していく わたし 文字距離はみじかく 被害 さけぶそんな資格はあなたにはない 空中遊泳ここからなが
2019年1月21日 20:18
帰還細い目としわ 最愛のあなたは食べかけ 毎日の儀式にうんざり 表情はそれほど遠くはない 衛星起こした人は誰ですかごらんのとおりのにせものがあわれな おろかな赤い点肺の中から春を呼ぶ子供部屋でも お別れの合図がかわされ ささやかれ迷惑ですか こんなことさえ口癖 忘れて もう残暑まんざらでもない ありがとう星空 ささえて あざやかに舞う 無機物手がか
2019年1月20日 23:29
シルバーホワイト意外なところで光るからさめた両目が必要でたしかに見れば 滑走路雨のしずくをたたきつけちらばり かたまる 生命を拾いあつめて 完璧な立体 できたら 雪のようあなたの顔にたたきつけ理想と真実 あらそわせ負けたら ただちに廃棄して誰かがよろこぶ わたしもうれしいやがて裏切り すみきった音を探して 迷いこむそこは夕立 どうせみにくい エーテル
2019年1月18日 21:08
むかしむかし裏通りには なんとなくあたらしい顔 約束に手を置く 本の罫線は不滅をほこる城壁で木星 土星 イヤリングこの電線で 北風が歌う 心を運ぶ 旅膝をそろえて 腰かけて口笛 ひびく 嬉々としてかつての偉大な王国の歴史を解放する 勇気まで抱きよせるもの 本当にみすぼらしくて 幻滅で手かげんせずに 愛するとしたら もうすぐ帰るテーブルクロスに しみ
2019年1月17日 22:21
ループアンドスピン不安なままで流れましょうここは飛ぶにはやわらかく泳ぐとしてもどろどろでベッドだったら痛すぎてだからね 空気 大事なのぎらぎら ことばをふりしぼりくるしいふりして顔 しかめこれじゃなんだか微熱だよ自由にまぶたをとりかえてそれでいいなら あなた 誰そんなループは かなしくないの放置されそう 走馬灯だって だから と もう 倍速最後の手段は高気圧
2019年1月16日 00:22
魔法つかいの弟子宝箱の底 横たわる存在としてのきみだからいつでもおいで トンネルでいっしょに待ちたい 収穫祭犠牲はいつでも見送られ答案しだいでみとめられ尊敬されるとしても なぜどうして わたしの声を聞くうしなうことにおびえないあとかたもなく 整地して搭載 嫌悪増幅装置癒やせないとは思わない他愛ない罪 忘れればいつでも わたしの欲望 あげる 固体うし
2019年1月14日 08:20
ハウリング「どんなハウリング」 こんな歌炭酸 溶けない 希望 夢必然的に 毛穴 あきクリーム 塗りたい そんな朝納得できない 残滓 こそ共同幻想 「それはなに」ブレーキランプの銀河系同心円の獏の群いつものあいさつ うつろな目実はトレモロ たよりないホワイトノイズの平和などない苦しまぎれの握手には視線 集中して 貧血かさねる 広がる ひとみに夕焼け 音楽
2019年1月12日 22:52
絶交今回だけは痛いからこの記憶力 切りはなすたいらな岩の上で待ちそっぽを向いてあくびするなかまはずれは 未完成温室のなかで なかよしで図工の時間のいじわるも鼻がつまって おしまいだ腰をおろした 真正面説明しづらいこともあるわたし 多かれ少なかれ 肉眼光するどく 夢一夜一夜にして 吐く アヒルの子盗み聞きする 悪い子は どこ 落第言われたとおりに対岸
2019年1月11日 22:33
デッサンとりとめのない虚脱感鎧戸 のぞく 夕闇に目がくらみ 血に 飢え しびれつもり つもって 無我夢中思い上がった生返事うずまく 黒煙 白煙 が長々 のびる もう 歓喜さわぐ 心が 気に入らず力まかせに 折り やぶる花鳥風月 また 不平印象だけは正常でした考えている その ゆくえ槍で つついて 穴をあけ詰めこむものは 亡霊くらい アップルパイそう
2019年1月10日 22:33
進化論なにかがはじまる いらだちにまぎれて 暗い 床の下よく見てほしい わたしの血交信中のぬくもりに後悔なんて 幻影で燃焼過程 だとしてもあせって ごまかし いつまでも空虚をなげく 見捨てれば高圧線の五線譜に時間を閉じこめ むさぼってそんな資格があなたにあるのちぎった ことばが 生きていて先まわりして 追いついて立ちふさがって 人は 飛べない めぐみ