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不登校児と向き合う

このブログは進学校から不登校、引きこもりになった二人の息子の経験を下に書いている。
全く境遇が違うし、お子さんの特質も違うという方もいるかもしれない。ご容赦下さい。

子供が不登校になったら、急いだほうがいいと最初に書いた。
急いで理解し、覚悟を決めるということだ。一分でも一秒でも早い方がいい。
もしそれが出来ずに一度対応を間違えれば、その一言がひと月回復を遅らせる。かどうかは知らないけれど、私自身はそう考えて過ごした。多分間違えていないと思う。

うちほど酷くならない家庭もある。軽い不登校で済んで、子供がなんとか通学を始める例だ。
その時はとても羨ましいと感じた。。
でも、底まで落ちて理解し、覚悟を決めたことで我が家は本当に再生の道を歩み始めることが出来たと思う。
今は冷静になれないとしても、少し楽になった頃、周りを見回してみてほしい。不登校になっていなくても、何か問題を抱えていて、家族の誰かが不幸を引き受け続けている家庭。軽い不登校を経験し、本人の努力で克服はしたけれど、実は根本的な問題に気付いておらず、一生、その子はエネルギー不足を抱えて生きる運命を背負ってしまっている家庭が沢山ある。
子供の不登校をきっかけに覚悟を決めることで、家族全員に楽に生きるチャンスが巡ってきたとも言える。

先ずは子供のストレスが何であるかをしっかり聞いてあげよう。
いじめや受験のストレスがある場合、可能な限りストレスを無くしてあげよう。環境を変えることは親にしかしてあげられない。

聞いてあげるときは自分の意見は挟まない。
「えー?そんなこと???」と思うことを沢山言われるかもしれないが、それは親の感覚。
とにかく聞く。否定しない。ジャッジしない。
ご両親二人とも同居している場合は、お母さんに本音を吐ける状況にする。
お子さんがお母さんに本音を吐ける状況でないならば、家族関係からの見直しが必要になる。何故そうなのかを突き詰めて考えてみよう。

言葉遣いもとても重要だ。そんなつもりが全くなくても相手にプレッシャーを与える言葉遣いをしているようならば、これを機会に徹底的に改善する。
自分の言葉遣いを真剣に考えることで、コミュニケーション能力が上がるので親も生きやすくなる。

そんなつもりが無くてもはっきりと否定していたり、負の感情を押し付けている場合がある。
「・・・なの?」   と疑問を投げかける語尾。
「え・・・」「は?」 一文字だからいいということではない。
「・・・・」     無言だからOK・・・ではない。どんな顔してる?
「それは・・・でいいんじゃない?」  ジャッジはしない。
「繊細だよね」  心が風邪なんです。 風邪の人に風邪だよねって侮辱して治りますか?

関係無いことでも、ネガティブな言葉はこの際、一掃しよう。
テレビを観ながら「この芸能人、変だよね」なんて言葉も止めておこう。
恐ろしく繊細になっている人間はこの程度の言葉でも、どこかに自分との共通点を見つけて傷つきかねない。
自分が少しでも「おかしい」と思われたら、こんな風に陰口を言われるなどと妄想もしかねない。
理想は愛のあるポジティブな言葉で溢れる家庭だ。こんな風に温かい人がいるなら、外に出てもいいかもしれないと思われたい。

そして子供が自分自身を否定したり感情を爆発させたときは、ちゃんと愛を伝えよう。
このブログを目にするような方は絶対に愛のある親なのだと信じている。
愛の無い親がこんなもの、見つけるだろうか。
不登校まで来たら、もう一度ある意味、育てなおしだ。
言葉にしないとわからないのだから、言ってあげないとしょうがない。
不登校になる前と全く親の愛情に変わりがない。何があっても見捨てないから、サポートするからねと言ってあげよう。
そして、子供さんが生まれたことで、生きていることでどんなに救われているかを一緒に思い出そう。
自傷行為は止められないのかもしれないが、はっきりとあなたの体もとても大事なのだと伝えてあげよう。
感情は排泄物と同じ。生活や環境があって最後に出てくるものだ。だから否定したところで何も変わらないけど、愛を思い出せば生きる勇気が湧いてくる。

余談・脱線だけど今思い出した。。
私がなぜ生きなければいけないのかがさっぱりわからなかったとき、恩師に真剣に聞いてみた。何故生きないといけないのですか、と。
「それはあなたを形作っている細胞のひとつひとつ。全てが生きているから。生きたがっているから。あなたが死ぬことはその細胞全てを殺すことになるから。」と言われた気がする・・・。
そんなこと聞かれてびっくりしただろうと思うが、流石、お寺さんの娘。
なんだかこの言葉に私はとても納得したのだった。

「不登校のお子さんと向き合いましょう」と言われて、ガッツリ話し、今まで通りの言葉遣いで意見を押し付けて返って悪化させるケースは多いと感じる。
折角、愛があるのに勿体ないことだ。
しかし、悪化させた原因を把握することで、次回同じようなシチュエーションで挽回することが出来る。
最近、少しいい?と感じても、また同じ事が繰り返し起こる。前回の失敗のやり直しの機会が与えられたと思ってほしい。
人間はいつでもやり直せるし、親も子も、今日から違う自分で生きなおすことは可能なのだ。親子関係もいつでも修復出来る。












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