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ともみの部屋 #2

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伊佐知美の、世界一周の旅とエッセイ。2016年10月〜
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2023年7月の記事一覧

【妊婦日記】トツキトオカの私の歩み

【妊婦日記】トツキトオカの私の歩み

2023年7月下旬、38週で臨月も後半戦。

人生ではじめての妊娠生活。

数日前の13回目の妊婦健診では、「子宮口が開き始めて、もしかしたら来週の妊婦健診より前に産まれるかもしれない」という言葉も聞けた。

先生は、胎児の頭に指先が触れられたらしい。
お腹の中に、たしかに今息づくちいさな命。

産まれる前に、産まれるまでのトツキトオカを、できれば書き残しておきたくて。

妊娠1ヶ月から、臨月まで

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旅を愛していた私、30代半ばでやっと心から「子どもが欲しい」と思えるようになった

旅を愛していた私、30代半ばでやっと心から「子どもが欲しい」と思えるようになった

最初に子どもを持つ、持たないの人生に真剣に向き合わざるを得なくなったのは、32歳の時、新宿駅で。

再来週に控えた、初めてプロデュースする海外旅行のパッケージツアーに、自分も参加するし、お客さまも10名連れてゆく、というモロッコ渡航の仕事の準備のために東京を歩いていた、日暮れの時間帯。

珍しい母からの着信。電車に乗ろうと西口から新南口に向かう坂を登っていた私、何気なく通話ボタンを押す。

「子宮

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【妊娠日記】出産予定日は「来週」に。泣いても笑ってもベビーはやってくる | あと11days

【妊娠日記】出産予定日は「来週」に。泣いても笑ってもベビーはやってくる | あと11days

臨月の変化はものすごいものがあり、とにかくお腹が重くて笑ってしまう。

予定日まで2週間を切った最近は、突然体のむくみ、とくに下半身・脚のむくみがすごくて、それでも数日前までは笑えていたのだけれど、この2〜3日はちょっと不安になるレベルの象に🐘

でもやっぱりすべては子宮が下がって、胃と肺の圧迫が数ヶ月ぶりに解消されたことでチャラにできそう。息切れのレベルもだいぶ下がった。

変わったことは、お

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【妊娠日記】36歳の365日を振り返って|予定日まであと12days

【妊娠日記】36歳の365日を振り返って|予定日まであと12days

7月24日は、私にとって36歳最後の日だ。明日になったらひとつ歳を重ねて、37歳になるらしい。

昨年までは、年齢に抗いたい気持ちが拭えなくって、どうにか認めない方向性で生きたかった気がしていたけど、今年は誕生日自体がもはや自分にとっての一大イベントではない気持ち。

もう今年は十分に幸せすぎるほど、すでにギフトをもらっているから。だからなんだか、誕生日、という存在が、まるで他人事みたいな心持ち。

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あの海を越えた先に、出会いたい未来があると思えるから #わたしと海

あの海を越えた先に、出会いたい未来があると思えるから #わたしと海

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長い旅をしている間、ずっと海のそばに居たいと思っていた。

たとえば、モロッコの砂漠に向かう道すがら、どうしても海が見たくなって、衝動的にスペインの海岸線に進路を変えたことがあった。

クロアチア国内を北上する時は、地元の人にどんなに「陸路の方が早いわよ」と言われても、船でドゥブロブニクからプリトヴィツェ湖群国立公園まで辿り着くために、海路を選んだこともある。

島が丸ごと世界遺産のマル

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【妊娠日記】さて、私たちはどう生きようか?|予定日まであと20days

【妊娠日記】さて、私たちはどう生きようか?|予定日まであと20days

里帰りした直後の一週間は、体調を整えることと、環境に慣れること、転院後最初の検診を無事に終えること(検査項目が多くて3時間くらいかかった……!)、両親と久しぶりに話すこと。

あとは何も、本当になあんにも用意していなかった新生児用品を、リストアップしていたものを参考に、とにかく片っ端から決断して買いに行ったり、ポチったりすることに時間を費やした。

二週間目は、それを引き続きやりつつも、おもに新潟

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【妊娠日記】ついに臨月にinします|予定日まであと29days

【妊娠日記】ついに臨月にinします|予定日まであと29days

できたら朝日の眩しさで目を覚ましたい、と願う私にとって、この部屋は理想的なそれだった。青々とした田んぼの稲が新潟の風にそよぐ。東から南、西の日差しが入る大きな窓たち、日々育つ畑の枝豆、すこし足を伸ばせばたどり着く海の気配、神が棲んでいそうな地元の神社。

人生の凪だ、とこの数年感じてきた。けど、2023年7月はそのかたまりみたいな始まりの1週間。予定はあるし、まだ有難いことに多少なり仕事もある。里

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