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手紙

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子どもたちに遺そうとした手紙です。
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#子どもに教えられたこと

その29『勇気凛々』~THE NIGHTS~

その29『勇気凛々』~THE NIGHTS~

ある夜の帰り道だった。
遊び疲れた君をおんぶして家路についていた。
君は眠そうに聞いてきた。ねえとと━━、

『夢を叶えるためにはどうすれば良いの?』

あまりに唐突な質問に僕は噴き出してしまった。

『…突然どうしたん?』
『んー…どうしたら良いんかなあって』

僕は夢を叶えてきたんだろうか。
叶えてない気がする。
いや、叶ったのか。
そもそも僕の夢とは何だったんだ。
何を知っておけば良かったん

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その28『一視同仁』〜泣き虫親子の逆襲〜

その28『一視同仁』〜泣き虫親子の逆襲〜

おいおいおいおい。
そこはお前の居場所やないぞ。
お前みたいなヘタクソは、
外野かベンチに引っ込んどれ。
どうせだめに決まってる。
お前には無理やって、ずっと言われてたやんか。
ほんま諦めの悪いヤツやなあ。
チームのために今すぐ降りろ。
そこはマウンドや。
一番、頑張ったやつが立てる場所や。

2024年2月18日。
僕は、人生で初めて対外試合のマウンドに立つ長男を見て、心の中で、ありったけのネガ

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手紙その16『立志』〜だから何?〜

手紙その16『立志』〜だから何?〜

それは次男坊が口答えする時の常套句。
どこでそんな言葉を覚えてきたんだと思ったら、
同じ言葉を妻が叫んでいた。

それはさておき昔話をしたい。
少しセンシティブな内容かもしれない。
悪意は全くないことを先に申し上げておきます。
特定の思想に対するアンチテーゼでもないです。
ただ僕は『志の立て方』についての考えを述べたいだけなのであります。

僕の祖父は共産党系の病院で働く職員だった。
祖母は小学校

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手紙その1『誠』

手紙その1『誠』

いいかい息子たち。
「仁」や「勇」といった徳目はたくさんあるが、
その中の一つ「誠」の重要性を君達に伝えたい。

僕は人間関係において「誠実さ」こそ
最強の剣であり、最強の盾であると実感してる。

結論から言うよ。
誠実とは何か…
それは『狂気を含んだブレない動機』だよ。

『至誠』って言葉を知っているかい?
僕の野球帽の鍔の裏に書いてあっただろう。
吉田松陰という人の言葉やね。
正しくは…
至誠

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