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南北相法現代語訳

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江戸時代に活躍した観相家、水野南北が残した人相術の聖典『南北相法』の現代語訳版です。これまで『南北相法』の現代語訳版は数多出版されてきましたが、個人的に満足できるものがありません…
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南北相法(後篇/巻ノ五/最終巻)

南北相法(後篇/巻ノ五/最終巻)

水野南北居士 著

《気色湊(きしょくつたい)の部》《気色が湊走(つたいはし)る様(かたち)を弁ず》頭は太陽(=大陽)の集まる場所であり、身体における城市(じょうし、≒都市、繁華街)である。ゆえに、面部は一身における江湊(こうそう、≒港)に等しい。よって、万事の吉凶は潮(うしお)の干満の如く、日々面上に湊流(そうりゅう)するのである。ゆえに、これを気色の湊(つたい)と名付ける。

また、祖師の後か

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南北相法(後篇/巻ノ二)

南北相法(後篇/巻ノ二)

水野南北居士 著

《血色の部 論弁》《観相の時、その血色をよく観ようと思うならば、「潮汐」をとらえて、観なさい。そうすれば心気が安定しているため、自然と観やすくなる》そもそも、人体の気血があるという事は、まるで天地に潮汐があるに等しい。ゆえに、人の気血は潮の進退(≒差し引き)に応じて盈虚(えいきょ、=満ち欠け)がある。つまり、潮が差し盈(みち)る時は、人の気血もまた盈る。よって、その時に観れば血

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南北相法(前編/巻ノ五)

南北相法(前編/巻ノ五)

水野南北居士 著
門人 平山南嶽・水野八氣 校

《人中(にんちゅう)を論ず(人中は鼻の下から、口の間の事を言う)》一 人中は神気の強弱を知る。また、命の長短を知り、子孫の有無を論ずる。

△ 人中が短い者は根気が薄く、思慮が浅く、涙もろい。また、少しの事に驚き、人と長く付き合う事が出来ない。

△ 人中が優しく、素直に観える者は、心が素直である。また、心が優しく、涙もろい。少しの事に驚く。

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南北相法(前編/巻ノ四)

南北相法(前編/巻ノ四)

水野南北居士 著
門人 平山南嶽・水野八氣 校

《額を論ず》一 額は貴人・目上の官を司る。また、運の吉凶を観る。

一 額が狭く、肉が薄い者は目上と意見が合わず、運が悪く、苦労が多い。また、狭くとも肉が厚い者は相応の福分がある。

一 額が広く、豊かな者は、目上からの恵みがあり、運が強い。

△ 額が広く、肉が厚くとも、凸凹な者は目上と意見が合わない。

□ 額が削げていたり、歪んでいたり、とに

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