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親子で知っておくべきこと


  1、他人のことはよく分かる


他人の行動や選択を観察し

その改善点を見つけることは

よくあります。



例えば、子供が勉強する様子や

何か作業をしている姿を見て

「もっと効率的にできるのでは?」

と感じることがあるでしょう。


これは、親としてお子さんを

注意深く観察しているため

効率の悪さに気づくことができるのです。

同様に、

テレビでよく見る芸能人に対して

「ショートヘアの方が似合うのに」

と思うのも、

私たちが彼らを細かく観察しているからです。


私たちは他人の振る舞いや

特徴に対して鋭い洞察力を

持っているものですが、

自己に関してはどうでしょうか?


例えば、痛風を抱えながらも

ビールを楽しむおじさんが

「自分のことは

自分が一番よくわかっている」

と自信満々に言う場面を

想像してみてください。


これはやや極端な例かもしれませんが

多くの人が似たような状況で

自己認識に誤りを犯していることがあります。

実際、心理学の研究により、

多くの人が自分自身を

正確に理解していないことが示されています。



  2、自分のことを知らない


かつて

当塾で聞いた生徒の言葉があります。

「うちの母ちゃん、鬼ババァ」と。


この発言は

子どもが叱られる際に

母親が鬼のような

厳しい表情をすることに

由来しているかもしれません。



しかし、その母親自身は、

自分が子どもを叱るときの表情については

ほとんど気にしていないでしょう。



「あら、私って

今どんな顔をしているのかしら?」

と鏡でチェックする人はほとんどいません。



表情だけでなく

自分の心の状態を理解している人も

少ないのが実情です。


例えば

「俺が本気を出せば何でもできる」

と豪語する男子高校生もいますが、

今本気を出せない人が

将来突然本気を出せるように

なるわけではありません。



これは自己認識が欠如している一例です。



また

「私は何もできない」

「将来やりたいことが見つからない」

と感じている人たちに

「もし100万円もらったら何に使う?」

と尋ねると

「○○を買いたい」

「○○に行ってみたい」

と具体的な答えが返ってくることがあります。


これは彼らが本当に

何もできないわけではなく

やりたいことが全くないわけでも

ないことを示しています。



つまり

私たちの多くは自分の能力や

心の奥底にある欲求について

十分に理解していないのです。



私たちは自己の細かい部分まで

把握しているわけではなく

あいまいな感覚のまま生きていることが

多いのではないでしょうか。



  3、運命


毎日が楽しく

順調に過ぎていく人生では

人としての成長は望めません。




問題や困難がなければ

深く考えることも少なく

新たな発見もありません。




実際、困難に満ちた人生は

多くの気づきを与え

その結果として人は成長します。



子育ては

そのような苦難の一つです。



例えば、子どもが勉強せずに

日々をだらだらと過ごしている様子を

目の当たりにし

叱ると「うるさいんだよ!」と

反発されることもあります。



その時

「なぜ私がこの子を

育てなければならないのだろう」

と思うのは自然なことです。



自己疑念に陥り

子育てからの解放を望む気持ちも

生まれるかもしれません。


しかし

状況を異なる視点から見ると

様々な気づきが得られます。




「もし自分が母親でなかったら

誰がこの子の母親になれたのか?」



「自分がいなければ

この子はもっと問題を

抱えていたかもしれない」


・・・という考えに


至るかもしれません。



また、子どもも

「今このように振る舞えるのは

この親だからこそ」


と気づく可能性があります。



このような問いを自問することで

「親子関係は運命であり、宿命である」

という結論に達することでしょう。


確かにイライラすることや

腹を立てることもありますが

この親子関係こそが

お互いにとって意味のあるものです。


この関係は相互の気づきがあり

支え合いながら成長するものです。


苦難を避けたい気持ちは

誰にもあるでしょうが

それがなければ

人生から得られる教訓もなく

人間的な成長も期待できないのです。



  4、人生の目的


「無くて七癖」

という言葉が示すように

私たちは自分の気づかない癖を

持っています。


これらの癖は

行動の仕方だけでなく

物事の考え方にも見られます。


たとえば、食べ物の好みは、

目玉焼きにソースをかけるか、

醤油をかけるか、

あるいは塩を選ぶかによっても表れます。



これらは自分なりの思考パターンの一例です。



日常生活で無意識のうちに

行っているこれらの選択は

「自分では認識できていない自分」

の存在を示唆しています。




さらに深く掘り下げると

自分がなぜ生まれ、

この人生を歩んでいるのかについての


理解も不完全です。


しかし、

自然科学から心理学に至るまで、

世の中の様々な事象は

厳然とした法則に基づいています。



これらの法則から


全ての物事には(人間の思考や精神でさえも)

因果関係が存在すると推測できます。


したがって、

自分が生まれ、親子となったことも

何らかの法則に基づいた

因果関係の産物であるはずです。



40代にもなると、

自分の人生がどう進むかについて

ある程度予想でき、

自分の人生の目的や役割について

客観的に考えることで

心の奥底から納得する結論に

達することがあります。


例えば

「この子を立派に育てるために

自分は親として存在している」

という結論や

子供が「この親を助けるために

自分は生まれてきた」と思うのも


自己認識の結果です。





人は

このような理解に至ると

心が落ち着き、

不要な心配や不安が消え去ります。



しかし、この境地に達するまでには

親子共々に多くの学びが必要です。


これは、学校での勉強とは異なり

自分自身の性格、個性、能力、

運命を理解するための学びです。




現在の日本の教育システムは

一定レベルの教養と知識を

身につけることに焦点を当てていますが

自己理解を深める探究学習には

至っていません。


これが、個性に合わない学習や

自己肯定感の低下につながっています。


自分自身や将来進むべき道を理解するには

自分を構成する様々な要素について

学ぶことが重要です。



これにより

ブレない生き方が可能になり

人生を豊かにするための大切な学びとなります。


果たして学校や塾で

20代や30代の若い先生たちが

人間として大切にすべき点を

子供たちに教えられるか・・・


いや、無理ですよね。

アルバイト講師なら尚更。。。


勉強は教えられても

人生の根幹に触れる最も大切な要素について

学んでいる人は極めて少ないです。


本当に大切なことは

学校の勉強ではなくて

自分自身を深く理解するための勉強なのです。





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