とく

文学はつねに人生を予測する。文学は人生を複製はしないが、その目的に人生を鋳造する。

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文学はつねに人生を予測する。文学は人生を複製はしないが、その目的に人生を鋳造する。

最近の記事

17分間

こんばんは、今日も皆さんいろいろお疲れ様です。 多分約一年くらい投稿してないと思うんですけど、ちゃんと執筆はちょくちょくしてます。 で、今日は乃木坂46 5期生ちゃんの楽曲の「17分間」という曲を題材にショートショートを書いてみました。楽曲原作のショートショートは数年ぶりに書いたんですけど、歌詞の理解深められてとてま楽しかったです!楽曲を聴きながら読んで頂けると幸いです!それではまた。 朝7時、カーテンの裾から溢れる陽の光とけたたましく鳴り響く携帯のアラーム音で目を覚ま

    • 執着

       皆さん、お久しぶりです。数ヶ月投稿をサボってしまいまして大変申し訳ないです。オッドアイに関してですが、他の作品との兼ね合いもあり連載が厳しい状況です。なので僕のnoteでは一話完結型の短編を掲載していく方式に変更しようと考えています。気に入っていただけましたら個人的に連絡頂けると幸いです。有料にはなりますが、僕が連載させていただいているサイトをお教えいたします。  さて、今回の話は「生」についての話です。生きている中で「死にたい」とふと思うことは、皆さんもあると思います。

      • ホームシック

        オッドアイも書かず毎日毎日ぐうたら過ごして、挙げ句の果てに今回も関係ないこと綴りますが大目に見てください。 ホームシックってありますよね。僕も家族と地元の仲間が大好きなので、上京した時寂しくて仕方がなかったんです。その時の気持ちと記憶って割と鮮明に覚えてるんです。心に余裕がなくなっているのに、ぽっかりと隙間が空いたような不思議な感覚。で、今僕は1年半ぶりに同じ体験をしてるんです。 10月5日、MTV LIVE MATCHに参戦してきました。大勢の友達(通称:atok

        • 100の質問

          Q1.年齢  20 Q2.性別  男 Q3.血液型  A Q4.何型っぽいってよく言われる?  O Q5.身長  174cm Q6.職業 自称ツッコミ師 Q7.第一印象は何て言われる? 目つき悪い Q8.自分の性格 悪い Q9.周りから言われるあなたの性格は? 理屈っぽい Q10.喜怒哀楽激しい? 哀と楽だけ激しい Q11.涙もろい? 媒体による Q12.友達といる時のポジションは? 人と人の間 Q13.小さい頃どんな子供だった? うるさいガキ

        17分間

          最近夜は涼しいですよね。タバコ吸いながら外で執筆して自分に酔ってる今日この頃です(笑)

          最近夜は涼しいですよね。タバコ吸いながら外で執筆して自分に酔ってる今日この頃です(笑)

          オッドアイ #3

          クラスメイト達のため息と同時に1時間目の数学の授業は終わった。そしてやはりクラスメイトが煇の周りに集まる。普段は煇のことなんて目もくれず、教室内で自分の能力をひけらかしている千葉理人、何度か陰口を言われているのを聞いたことがある平原佑美。このような自分とは遠いはずの面々が煇に愛想を振りまいている。「何なんだよお前ら、俺がなんかしたか?安心しろ。普段から俺はお前らなんかに興味ない。力を使うのは必要な時だけだ。だから余計なちょっかいかけるな。」「は?お前何言ってんだよ煇。お前その

          オッドアイ #3

          オッドアイ #2

          カーテンの裾から光が刺す朝6時30分、気に入っている星野源の「week end」で煇は目を覚ました。「はぁ」とため息をついて家族のもとへ向かう。このため息は日に日に大きくなっている気がしていた。「おはよう」とか細く挨拶をすると、優しい笑顔の母が「おはよう」と返す、そして父は相変わらず気難しい顔でコーヒーを片手に新聞を読んでいる。いつも通りの朝。だが煇は何かいつもと違うものを感じていた。近所のイチョウ並木を抜けて駅に着くと、サラリーマンと学生でごった返す車両に乗り込む。この時間

          オッドアイ #2

          オンラインとオフライン

          皆さんは今のこのご時世なかなか友人に会えない中、どのように友人関係を築いていますか? 僕が今回関西に来た目的は、友人に会いに行くことです。友達と言っても会うのは今回が初めてでした。インターネットで繋がる友人って皆さんはどう思いますか?まぁ、あまり良い印象を持つ方はいないと思います。T「坂道アイドル」という共通の趣味を持った人間とTwitterで繋がって、毎日、タイムラインやDiscordで話しているうちに相手の根幹がわかってきたりもして、今では互いに気を遣わないで話せる

          オンラインとオフライン

          大人と時間

          小学校の修学旅行で先生の見回りに怯えながら、こそこそおしゃべりした夜はとても長く感じた覚えがあります。子供の頃の夜の長さの感覚って今よりもすごい長くないですか? そして今日、この感覚を自分の中で確定づけることがありました 最近僕は夜な夜なゲームをしたり友達とふざけ合ったり、時にはタメになるような話をしたり、当たり前の様に夜を明かしています。僕は昨夜、関西に向かうため夜行バスに乗っていました。7時間半のロングドライブ、元々昼夜逆転しているせいもあってか全く寝付けなかった

          大人と時間

          オッドアイ

          「俺は目が合った人の心情を読み取ることができる。」 この世界の人間は必ず1つ特別な能力を持って生まれてくる。物質の形状を変えられる者、体内から発火できる者。はたまた、家電を遠隔で操作できる者など、需要の有無に問わず様々な能力を有しているものが共存している。国民は持っている能力でランク付けされ、社会への貢献度に応じて酷い差別やいじめを受けるものもいた。しかし大人や教育機関は社会の歯車を止めないために見て見ぬふりするに他なかった。 2083年 第6東京都。清水煇は希少性の高

          オッドアイ

          軋轢 #最終話

          「お疲れ様。カッコよかった。」爽やかな春の風が吹きつくイチョウの木の下で優里の笑顔が輝く。「ありがとう。コレのおかげかな」手作りのマスコットを嬉しそうに持ち上げて雄司も笑った。もう2人の間に恥じらいはなかった。「それで、あの...」2人が同時に口を開いた。「先に言ってくれ」雄司がそう呟いた。「わかった。あのね... 私去年までね、目が見えなかったの。映画館で倒れたことがあったでしょ?それも強い光に耐えられなくて倒れちゃったんだ。」「そうだったのか。なんでそんな大事なこともっ

          軋轢 #最終話

          軋轢 #16

          雄司達は順当に大会を勝ち上がっていた。優里も彼にあげたものと同じマスコットを握りしめて全ての試合を見に行っていた。初めて目で観るスポーツという世界に彼女は心を奪われていた。1つのボールに全てをかけた男たちの熱い表情が優里の脳裏に深く焼きついていた。こうして迎えた決勝の前日に、雄二は優里に電話をかけた。「明日、勝てたらグラウンドの裏で待っててくれ。」「わかった。私も話さなきゃいけないことあるし...。じゃあ明日頑張ってね。雄司が勝たなきゃ話にならないんだからね!」「あぁそうだ

          軋轢 #16

          軋轢 #15

            雄司は、いつもより重い自転車のペダルを漕ぎながら罪悪感とやるせなさを噛み締めていた。5分ほど自転車を漕ぐと、いつもの路地裏でやや下を向きながら歩く華奢な背中を見つけた。「優里。ありがとうな」息を切らしながらも聡の表情は澄んでいた。「わざわざこっちまで来てくれたんだね。ありがとう。」「こんな時間だし、俺のせいで帰るの遅くなったんだし送るよ」「え?いいの?明日、はやくないの?」「大丈夫だよ。」2人は街灯と月の光だけが灯る道をゆっくりと歩き出した。約1月会話のなかった2人は互い

          軋轢 #15

          軋轢#14

          インターハイ予選前日、聡の頭の中から彼女の存在は、晴天の時の水溜りのようにジワジワと消えかかっていた。せっかく交換したLINEも「よろしく」の一言だけが寂しく残り続けている。決戦前日の部活を終えた聡が独特の緊張感を持ちながら駐輪場に向かうと、青いクロスバイクの隣に寂しく立つ黒い影を見つけた。「聡君お疲れ様」「優里、どうしたんだよこんな時間に。」「どうしても渡したいものがあってね。はいコレ。じゃ明日頑張ってね。」聡の周りに先輩が居たからか、寂しげな笑顔を浮かべ優里は小走りで去っ

          軋轢#14

          軋轢#13

          次の日、優里は何事もなかったように笑顔で教室に入ってきた。「優里ちゃん、大丈夫なの!?」「うん!全然平気だよ!」聡は安堵ながら雄司に目線を変えた。「なんでお前俺に何も連絡しないんだよ!大丈夫なら教えてくれよ」「あぁ、わりい」「杉山君、おはよ」「ん」雄司のそっけない対応に聡と優里は顔を見合わせた。雄司は優里が自分に何か重大なことを隠していることに少し苛立ちを覚えていた。「俺がどんな想いで、病院まで駆けつけたと思ってんだよ。」心の中で呟きながら、また深く考え込んだ。「まず、この年

          軋轢#13

          軋轢 #12

          「あなたが雄司君ね!いつも優里から話聞いてるわ。仲良くしてくれてありがとう」優里の母親は優里の見た目に良く似ていてスラっとした手足と大人びた顔つきの女性だった。「こちらこそいつも仲良くしてもらってます」雄司は慣れない敬語を恥ずかしそうに使いながら優里に向き直した。「お母さん、私もう大丈夫だから。仕事中でしょ?」「わかった。じゃあ私戻るね。雄司君、優里のことお願いしてもいいかな?」「あ、え、はい...」照れながら答える雄司に微笑みをかけて優里の母は病室を後にした。2人になってか

          軋轢 #12