マガジンのカバー画像

いちにち・いちとおこ

178
日記のようなブログのようなエッセイのようなコラムのような。恋愛のことや、結婚のことや、助平なことや、時に真面目なジェンダーのことなどが、主な関心事。
運営しているクリエイター

2019年3月の記事一覧

人間関係に抱えていた違和感が腑に落ちた。『安心社会から信頼社会へ-日本型システムの行方』

『安心社会から信頼社会へ-日本型システムの行方』山岸俊男、中央公論社、1999年

はじめに この本を読んだのは、勝手に尊敬している山口一男先生が、山岸先生が亡くなられた時に発表した追悼文をたまたま読み、初めて(山口先生と山岸先生は親しかったんだ!)と知って驚いたから。そして山岸先生はわたしが北大に在学していた時、同じ学科のお隣の講座の教授だったのである。社会心理学の講座だった。

 在学中に山岸

もっとみる
おじいさんネコのピーさんがもう少しで死ぬ。

おじいさんネコのピーさんがもう少しで死ぬ。

 いつもの食べ物の選り好みだと思っていたら急激に何も食べられなくなって、病院に連れて行ったら腸の間にガンがあった。ゴハンにすぐ飽きてこれはちょっと……をやるのは普段からだったし、痩せてきたのは年を取ったからで、お腹がゆるめなのは子供の頃からだと思っていたから、気づかなかった。ピーさんはもう少しで死ぬ。

 先生は、もう手術はしようがないし、抗がん剤はかえって体の状態を悪くするから、ステロイド剤を与

もっとみる
遠い日本から異国の地アラブの料理に寄せる「憧れとリアル」2皿、+α。

遠い日本から異国の地アラブの料理に寄せる「憧れとリアル」2皿、+α。

まえがきののうがき こちらのマガジンをいつもわくわくしながら読ませていただいているので、わたしも僭越ながら参戦させていただきたいと思います。と言っても、わたしは実はアラブ諸国はおろか外国に行ったこともなく、アラブ料理を実際に食べたこともありません。ではどこに接点があったのかというと、アラブ人であった彼氏の記憶と語りの中なのです。

 というかもう別れたのでいつまでも彼氏でもないし、かといって「元カ

もっとみる