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時計じかけじゃないマダム

子どもの頃実家の朝がパン食だったこともあって、今も朝はパンのほうがしっくりきます。
 
和食のごはんにお味噌汁、焼き魚にのりがついてきたりする朝ごはんにも憧れはありますが、それは旅先の宿での朝という印象があって、どこかよそゆきで、おうちの朝ごはんという感じがしないんですよね。

🍞朝はパン。スペシャルな朝は

そんな朝ごパンの定番はトーストとサラダにハム。パンはコンロを使わずオーブントースターで焼けるし、サラダは前の夜に洗って冷蔵庫に入れておけば手早く用意できて、忙しい朝にはとても便利。

でも余裕があるときは、オムレツを焼いてみたりもしますし、サンドウィッチを作ったりすることもあります。

そんな朝のパンメニューでこれは特別だぞ、と思うのがこちら。

ぱっと見は目玉焼きオンザトースト的な朝の定番ですが、ただの目玉トーストではなく、フレンチのプティ・デジュネですボンジュール。

🍞人気のカフェメニューを作ります

カフェのメニューでクロックムッシュという、ハムとチーズたっぷりのトーストサンドみたいなのがありますが、さらにそこに目玉を載せたらこれ。

クロックマダムです。

ムッシュよりさらに豪華なマダムを作って、ちょっと豪華な朝ごはんにしてみたお話です。
 
🍞材料
・食パン
・卵
・ベーコン(またはハム) 
・オリーブオイル
・ホワイトソース
・チーズ
・こしょう

食パンにホワイトソースを広げます。これがこの料理のキモで、ソースがあることで、ただの目玉トーストなんて呼ばせないわよ、ワタクシはクロックマダムですわよ、という矜持を感じます。

上からチーズを載せます。

あとはトースターで焼けばトースト部分はOK。

🍳目玉焼きの焼きかた

パンを焼きつつトッピングを用意します。

刻んだベーコンをオリーブオイルとともに小鍋に入れて火にかけます。本来はハムを使うところですが、冷蔵庫にあると思ってたハムがない…。というわけで今回はベーコンスタイルにします。

ちなみにここでフライパンでなく、小さなお鍋を使うのには意味があります。

卵を割り入れたら、ここからが小鍋の本領発揮。

すこし傾けて、卵をオイルにひたす感じで、揚げ焼きにしていきます。これができるのは面積が小さくて深さのある小鍋ならでは。こうすると白身の縁がかりかりと焼けて美味しいんですよね。

トーストにサラダを添えて玉子を待ちます。

🍞オン・ザ・トーストでボンジュール

鍋の縁からすべらせるように玉子をトーストの上に載せます。

どうでしょう。クロックマダム。マダムの名に恥じない高貴な感じがしませんか。

ちなみに今回、玉子を移動させるときにちょっといろいろありまして、黄身が破けて流れ出してしまいました。何があったかというと、はからずもずいぶん元気な玉子だったようで、空中で一回転してトーストの上にダイブしたんですよね。

裏向けにパンの上に盛り付けられた形になったので、ご機嫌をうかがいつつひっくり返したら、そのときに破れてしまいました。

でもそのおかげで黄身がソースのように広がって、写真的には美味しそうになった気もします。高貴なマダムが思いがけないおてんばな一面を見せてくれたひと幕でした。

ちなみに食べるときは、手に持ってかじりついてもいいのですが、せっかくのフレンチでマダムなひと品ので、フォークとナイフで切り分けながら、ソースとして黄身をからめつつ食べるのがおすすめです。

これこそクロックマダム、それでこそスペシャルな朝ごパンです。ちょっと優雅な気分で苦めのコーヒーとともにいただきたい気分になります。

朝ごはんってなるべく手間は省きたいし、時間はかけたくないし、洗い物だってしたくないし…。そんな気持ちがついつい生まれがちですが、そのひと手間を乗り越えるとなんだかリッチな気分になれたりしますね。

そしてそれが美味しかったりすると、やっぱり料理って楽しいなと思います。

🕐時計じかけじゃなくても

ところでクロックマダムという名前。忙しい朝でも時間管理をしながらマダムのために用意される由緒正しき豪華な朝食、みたいな感じを意味してると思い込んでいたのですが、今回あらためて調べてみたらぜんぜん違いました。

マダムもムッシュもよく考えたらフランス語ですもんね。カタカナで目にするクロックの文字列に、つい英語のClockをひも付けてしまってましたが、そんなはずがない。だってフレンチのカフェメニューですもの。思い込みって面白いですね。

というわけでこちらのマダムは時計じかけじゃなかったです。本物のマダムは、きっと今朝も時計に縛られず、優雅にフォークを口に運ぶのです。

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