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ケチャッピーな沖縄焼きそば

沖縄そばをはじめて食べたのはいつだったか、いまでは思い出せません。でも、かつおと豚のスープに、トッピングの豚肉、ちょっと太いラーメンのような独特の麺。けっこう好きで、たまに作って食べています。

そんな沖縄そばをアレンジしたひと品が今回のテーマ。

そう、沖縄焼きそばです。

沖縄料理店で食べたのがその出会いでしたが、そのとき知ったのは、味付けには種類があって、ソース味だけではないということでした。

お店の人に訊くと、ソース、醤油、ケチャップ味が選べるとのこと。

え? ケチャップ?

と思ったけれど、ソースや醤油は焼きそばでも焼きうどんでもよく知る味。でもケチャップは違う。珍しいものには興味がかきたてられます。さらに訊くと、店主がいうには沖縄の焼きそばはもともとケチャップ味が主流だったという話でした。ならばそれしかないとケチャップ味を選んでみました。

食べる前にはなんとなくナポリタンの麺がちょっと平べったいようなものなんだろうなと思っていたのですが、いざ口にすると、これは明らかにナポリタンとは似て非なるもの。味付けはケチャップで、具もランチョンミートに玉ねぎピーマンと、ナポリタンっぽくなる要素を合わせているのに、これはやっぱり沖縄焼きそばという別の料理なんだと感じるものでした。

沖縄焼きそばの沖縄焼きそばたるアイデンティティ。その要因はどこにあるんだろう。そんなことを確かめつつ、今回は沖縄焼きそばを作ってみます。

もちろんこれがなくては始まりません。

🍜材料
・沖縄そば
・ランチョンミート
・玉ねぎ
・ピーマン
・にんじん
・もやし
・粉末かつおだし
・ケチャップ
・お好みソース(中濃でもOK)
・かつおぶし
・青のり

まずは麺を茹でて調理スタート。

細く切りそろえた具を炒めます。

もやしを加えたら、粉末のかつおだしを投入。お、これか。この味付け。沖縄そばといえばかつおと豚の出汁。洋食のナポリタンなら、ここはコンソメになるところ。これはポイントになりそうです。

茹でた麺を合わせます。

ケチャップをたっぷりと、隠し味にお好みソースを少々プラス。

よく混ぜながら炒めて、香ばしいケチャップの焼ける香りが漂ってきたら焼き上がりです。

トッピングはかつおぶしと青のりで。ソース味の焼きそばなら当たり前のこの組み合わせも、ケチャップ味にはなんだか新鮮なアクセントです。

食べてみると、ナポリタンのようでナポリタンでないポイントは、いくつかあることに気付きます。

たとえばトッピング。ナポリタンなら間違いなく粉チーズとタバスコになるところをおかかと青のり。そしてもやし。この食感が、ぐっと焼きそばらしさをかもしだしてくれている気がします。

ケチャップ味の沖縄焼きそばを教えてくれたお店の人の話によると、アメリカ統治の時代があったことで、郷土麺の沖縄のそばが、ザ・USAな調味料のケチャップと出会って生まれたのがこのメニューだということでした。

ハンバーガー、アイスクリーム、ビール、ステーキ。沖縄はアメリカの食文化を取り込み、それをアレンジしつつ根付かせた街だと思いますが、いっぽうでゴーヤチャンプルー、ラフテー、沖縄そばなど、独自のご当地料理もたくさんあります。

そのふたつの食文化が合わさったひと品が、沖縄焼きそばの中でも、ケチャップで味付けするこのひと品なのかもしれません。

ケチャップ味なのに洋食ではない。そんな不思議なおいしさ。そしてどこか郷愁をそそられるひと品です。


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