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粕汁であったまろう。

冬になると恋しくなるメニューのひとつに粕汁があります。

粕汁が粕汁であるために必須な材料が酒粕。

酒粕はお酒を絞ったあとに残るものなので、日本酒の酒造りの季節にあたる冬に生まれます。つまり、今が旬。

そしてそんな酒粕を使ったメニューの中でも定番で、そして寒い冬だからこそ美味しいのが、具だくさんの粕汁。今回はそんな粕汁を作ってみます。

♨粕汁にしましょう

♨粕汁の素の材料(2人分)
・酒粕…50グラム
・味噌…大さじ1
・みりん…大さじ1

酒粕、味噌、みりんをボウルに合わせます。

よく混ぜて溶いたら、ベースのできあがり。

♨出汁の材料
・昆布…1枚
・干し椎茸…1本
・水…4カップ

今回の出汁は昆布と干し椎茸を使います。

もちろんかつおぶしや煮干しでもOK。酒粕はけっこう味のインパクトも強いので、魚系のおだしでも美味しく仕上がります。

🥩肉そぼろをメインに

粕汁というとけっこう具だくさんなイメージですが、野菜いろいろのほかにも、メインになるお肉やお魚を入れたいところ。たとえば豚肉で豚汁っぽいのもいいし、鮭のぶつ切りを入れたりするのも美味しいです。

今回はなににしようかなと考えて、甘辛く煮たひき肉のそぼろにすることにしました。なぜならば、そこにひき肉があるから。ちょうどコロッケを作ろうとしていたんですね。

その一部を酒粕の具に使うことにしました。

♨肉そぼろの材料
・ひき肉
・にんにく
・しょうが
・醤油
・みりん
・砂糖

千切りにしたしょうがと薄切りのにんにく、ひき肉を炒めます。

砂糖、醤油、みりんを加えてあとはその水分で煮込む感じ。

けっこう甘めのしっかり味に仕立てます。今回は粕汁の具にするのでベースの味は醤油だけですが、ふだんのおかずとして作るときは、お好みでお味噌を足してもOK。

肉そぼろはごはんにのっけて食べても美味しいので、作り置きして冷凍していくのもおすすめ。粕汁の具にかぎらずいろいろ便利なひと品です。

🥬野菜たっぷりですよね

そして野菜はたっぷりいろいろと。

♨粕汁の具
・大根
・にんじん
・干し椎茸
・ねぎ
・肉そぼろ
・こんにゃく
・油揚げ
・ほうれん草

煮物系、汁系にかかせない大根を筆頭に彩りのにんじん、出汁を取ったあとの干し椎茸も細切りに。今回こんにゃくは、煮物にしてあった突きこんにゃくを使うことにします。ちょっとしたリメイクで料理の幅って広がりますよね。

昆布と干し椎茸のお出汁で煮ていきます。

ねぎがしんなりして、大根とにんじんが柔らかくなってきたら、次のステップの準備。

お揚げは細切り、ほうれん草は下茹でして絞ってあります。

お揚げは粕汁には欠かせない具という気がしています。たぶん実家の粕汁にいつも入っていたからだと思うのですが、天ぷらそばの天ぷらのように、染みだす油のパワーでおつゆにぐっと深みが増すのでおすすめです。

ほうれん草はおつゆの彩りにもなるので、仕上げにトッピングする感じで盛り付けます。

♨酒粕、入ります

酒粕と味噌のベースを濾しながらお出汁に溶きます。

油揚げを足して煮込みます。

酒粕のいい香りが漂います。

彩りにほうれん草。にんじんの赤とともに、白い粕汁の鮮やかな彩りに。

仕上げにたっぷりこしょうを振りました。

♨懐かしあったか冬の粕汁

粕汁は酒粕を入れることもあってか、食べるとぽかぽか温まる気がします。

もちろん実際に温かいお汁ものなので、温まって当然なのですが、自分にとって、それだけが温かさの理由ではないと思います。

実家はお商売をしていた関係もあって、お取引先から毎年年末になると、酒粕をいただいていました。そして、それをみんなで食べる冬休みのお昼ごはんの風景がなんとなく脳裏に浮かぶのです。

ストーブを炊いた部屋で、みんなで食卓を囲み、窓の外は雪。家族が揃って食べる冬のおうちごはん。

いつものお味噌汁とひと味違う粕汁は、おとなたちの食卓の話題にもなっていて、毎年こんな話題を聞きながら育ちました。

あの人がこの冬も挨拶にきてくれたよ。酒粕も持ってきてくれたよ。ことしも変わらずみんな元気でよかったね。

その一年を振り返る年の瀬らしい会話。

そんな懐かしいシーンが、故郷を離れて久しい自分の中によみがえり、温かい気持ちになるのかもしれません。

懐かしくて温かい。そんな粕汁をこの冬もいただいています。



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