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「優しい死神の飼い方」を読んで

表紙のイラスト、優しいと死神の相対する言葉のならびに興味を惹かれ読んでみました。

死神が出てくる物語は個人的に好きで、伊坂幸太郎さんの「死神の精度」もお気に入り。歳を重ねるに連れて、生と死について考えるようになったのかなと感傷に浸る。

この作品で、人間の思いやり・優しさは相手にだけでなく自分にも返ってくるもので、それこそが人間の持つ素晴らしい一面なのだと学びました。

過去の失敗、後悔は誰にでもあるもので、変えられない過去を悔やむよりも今が大事なのだとも強く思いました。

泣ける作品、ミステリー小説好きな方にオススメです!


○ざっくりとストーリー解説

未練を残したまま亡くなると人間の世界にとどまってしまう魂。そんな魂を導く仕事をしている死神。

少しでも多くの魂を救うために、仮の姿で人間界に降り立った死神。

死神がたどり着いたのは丘の上にある、死を目前にした患者の緩和ケアを目的としたホスピス。

悲しい過去を抱え、未練を残したまま死を迎えようとしている患者を救うため奮闘する死神。

患者の過去にふれながら、病院を出入りする怪しい人たち、そしてホスピスに隠された謎に迫っていく物語です。

○オススメポイント

・優しさが起こす奇蹟

最初は仕事の気持ちが強く、めんどくさいと思う死神が、人間の持つ優しさにふれ、思いが変わっていく。そして、行動にも変化が起きてくる。

助けられた患者も、残された時間を誰かのために使おうと心を入れ替える。

この優しさの連鎖が起こす奇蹟に感動しまくりです。

・死への向き合い方

死を恐れるのは誰でも同じ。

過去に縛られ、人生に絶望している患者たちは、迫ってくる死に脅えたり、いつ死んでもいいと投げやりに日々を過ごしたりしている。

こうなるのも過去の経験を悔やむ気持ちが原因。

いわばトラウマが、その人たちの時間を過去で止めてしまっている。

その後悔が解決されたとき、人は過去ではなく、今に目線を向けることができる。そこで、自分自身を見つめ直して死を受け入れ、今を精一杯生きられることができる。

過去ではなく今に集中して生きる。

今後悔しないように生きることで、間接的に間違った選択を防ぎ、過去のトラウマを少なくできる。

今を生きる学びを得られました。深い……

○まとめると

戻らない過去を悔やんでも意味はない。今を生きることが大事。

優しさこそが人の最大の魅力。

こんなことを僕は感じとりました。

患者たち一人一人のエピソードが繋がっていき、思いもよらない方向へ物語が進み、人の優しさ・思いやりを感じられる心暖まる感動ストーリーでした。

ミステリー好き。

泣ける話が好き。

こんな人にオススメです。

「黒猫の小夜曲」、「死神と天使の円舞曲」と続くシリーズの第1作目。このシリーズにハズレなし!


最後まで読んでいただきありがとうございました。


おしまい。


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