マガジンのカバー画像

<素敵なnote>読み返したいnote💭

10
運営しているクリエイター

#エッセイ

おばあちゃんのきらいな料理

おばあちゃんのきらいな料理

先月投稿いたしました『人生初の料理はキャンプ飯だった』の記事の中で、
ガールスカウトのキャンプで作っていた料理で、サラダ、フルーツポンチ、カートンドッグ、カレーライス、豚汁、魚のホイル焼き、そして重ね煮の7つのメニューだけが私の記憶に残っていると書いたのですが、この記事を書いた直後に思い出した1品がありました。そしてその1品がなぜ全く思い出せなかったのには理由がありました。今日はその料理について書

もっとみる
vol.24 「家」大寒 1/20〜2/2

vol.24 「家」大寒 1/20〜2/2

「小さくて感じのいい平屋の空き家があったよ。
千葉の隠居みたいだったよ」
 私がまだ東京に暮らしていた頃、三春で物件探しをしていた夫からそんな連絡があったのはかれこれ6年前。見つけた当初は借りることすら叶わず諦めていた平屋の家。その後も前を通るたびに「いい家だなぁ」とつぶやいていた。小さな家の背後にはケヤキの木がのびのびと育ち、気持ちよさそうに葉を風にそよがせていた。ピーチクパーチクと鳥の鳴き声が

もっとみる
脱・丁寧な暮らし風

脱・丁寧な暮らし風

大学4年生の夏休み、私は1カ月間、ホームステイをした。
私が住んでいた家から車でわずか20分の所にある、母方の祖父母の家がホームステイ先だ。

当時、私は大学3年生のうちに就職先が決まり、大変不規則な生活を送っていた。昼夜逆転する体内時計。それを正常に戻すために全く寝ない日を設ける。そんな日々を定期的に繰り返し、気付けば人生最後の夏休みが目前に迫っていた。(社会人にも夏休みはあるけど、学生の夏休み

もっとみる
夢を見たのと祖母は言う

夢を見たのと祖母は言う

祖父が旅立ってから10年以上経つが、未だに祖母の暮らす部屋には亡き人の気配が色濃く残る。
揺り椅子は主人の帰りを待ち続け、本には栞が挟んだままだ。

数え年で100歳になる祖母は、幸い元気に暮らしているが、偶に顔を見せる私には弱音を漏らす事がある。

「あの人の背には羽があって、ふわりふわりとお伽話の世界に私の手を取り連れて行ってくれた。
2人で過ごした時間は楽しくて、あっという間に過ぎ去って。

もっとみる