長谷川ちえ

エッセイスト/「in-kyo」店主。 「三春タイムズ」vol.25〜48が書籍『続・三…

長谷川ちえ

エッセイスト/「in-kyo」店主。 「三春タイムズ」vol.25〜48が書籍『続・三春タイムズ』(文・長谷川ちえ 素描・shunshun)として 2023年春、信陽堂https://shinyodo.netより書籍化されました。前回に引き続き造本装幀はサイトヲヒデユキさん。

マガジン

  • 日記 / in-kyoの縁側

    日々の出来事、季節の風景、ぼんやりと頭に思い浮かんだことなど暮らしの観察日記のようなものをポツリポツリポツリと書き始めてみようと思います。 気軽に腰を下ろして、ご近所さんがやって来れば、お茶でも飲みながら他愛もないおしゃべりもできる憩いの場、縁側。 私が営む雑貨店「in-kyo」の店名にちなんでタイトルを「in-kyoの縁側」と名付けてみました。 さて、その縁側では一体何を目にするのでしょう。

  • 三春タイムズ

    • 49本

    福島県三春町での暮らしや季節の行事、風景など ゆるやかで心地よい時間の流れを 「三春タイムズ」と題して追っていきます。 題字をはじめ、毎回文章に合わせて 素描家shunshunが絵を描き下ろしてくれます。 更新は二十四節気の変わり目に沿って 一年で二十四のお話を綴っていきます。 文・長谷川ちえ 絵・shunshun

最近の記事

客人のひと皿

*漆の器と人参のポリポリ春巻き  結婚を機に、暮らしと仕事の場を東京から福島県の三春町へと移して、今年で8年の月日が経ちました。三春町で暮らす我が家には、東京をはじめとした県外から友人たちがよく遊びに来るようになりました。私が営む器と生活道具の店「in-kyo」で取り扱う器などの作品をつくる作家たちも展示期間中に滞在したり、ライブイベントを行うミュージシャンとは小さな打ち上げをしたりということも。こうしたことは東京での暮らしとの大きな変化のひとつかもしれません。  近くには

    • 香りの誘惑 7月20日

      今日は朝から湿度も気温も高かった。 どうやら最高気温は32℃もあったようだ。 それでも三春の空気は、陽が沈めば一日の暑さを リセットするかのようにサーッと涼しい風に変わる。 夜道(といってもPM7時頃)を歩いていると、道の向こうに またもや富士子の姿を発見!こんなところまで行動範囲なのだろうか? と思うほど、我が家からはだいぶ離れている場所。 私になど目もくれず、スタスタ歩いている。 やっぱりムーンのようだ。 涼しくなって富士子もさぞかしホッとしていることだろう。 私は重

      • 富士子ちゃん 7月19日

        本日は予定通り、まだ気温が上がりきらないうちに 昨日の草刈りの続き。というか、今日は竹刈り。 我が家の裏手に建つ空き家との境に生い茂る竹藪。 その竹を間引いて光を入れて風を通すのだ!と、少しばかり 気合を入れないと暑さでくじけそうだったので、 今日のところはエイッと勢いをつけて。 帽子を被り、その上からは虫除けネット。 虫よけスプレーもして完璧な装備。 さて!と外へ出ると、久しぶりに姿を見せた富士子が登場。 うーん。 ずいぶんと痩せてしまったようだが大丈夫だろうか。 いつも

        • 山紫陽花が咲いたよ 7月18日

          関東・甲信越が梅雨明けしたとのニュース。 福島ももうすぐということでしょう。 三春では久しぶりの晴れ間。ここのところ、晴れても突然雨が 降ることもあったから油断できない。が、今日はめずらしく 雨は降らずに一日が暮れて行った。 日中は草刈り。 冬にはいったん枯れてしまうミントやフェンネルが、 この時季になるとものすごい勢いで成長する。 フェンネルは今年、ついに私の背の高さを越えて見上げるほどになった。 種がつくまでこのままにして、フェンネルシードを収穫したいところだが、 さす

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        • 日記 / in-kyoの縁側
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        記事

          汽笛を鳴らして 7月17日

          夫君は早朝、山梨へ出張のため出かけて行った。今日は泊まり。 雨が降らないと良いけれど。 ならば私は…と、アトリエ展期間中には伺えなかったいわき市の omoto夫妻に会いに磐越東線に乗って出かけることにした。 いわき行きの磐越東線に乗るのは久しぶり。 ディーゼル列車独特のエンジン音。そしてトンネルやカーブで 鳴らす汽笛の音。生い茂る緑の中をグングンと突き進み、 道が開けていく様。その先にあるのは光なのか何なのか。 幼い頃は電車に数分乗るだけで乗り物酔いしていたけれど、 今はこ

          汽笛を鳴らして 7月17日

          二度寝 7月16日

          夫君はいつもよりも早く仕事へ出かけて行った。 私は休み。 今朝はゆっくり起きようと思いつつ、スイとモクのごはん!と 飛び起きたのが9時。 さぞかしお腹を空かせているだろうと思いきや、のんびりしている お二人さん。夫君がちゃんとごはんをあげてくれたようだ。 ありがたい。ならばもう少し二度寝を…と、スイとモクと 一緒になってストンと眠りに落ち、目覚ると14時⁉ ビックリしたー! 私、そんなに疲れていたかしら??? たまにこういうことがある。自覚がないものだから 自分でも驚いて

          二度寝 7月16日

          三匹獅子の続き 7月15日

          朝一でKUU先生ととっちゃんがご来店。 とっちゃんは橋長鮮魚店のお母さん。 お魚がとびきり美味しくて、我が家に来客があるときは 橋長さんで手巻き寿司用のお刺身をお願いすることが多い。 「手巻き寿司用に」と頼んでおくと、手巻き寿司を しやすいように、お父さんが細長く切って用意してくれる。 そしてあれば必ず購入しているのがとっちゃん特製イカの塩辛。 これがまた絶品なのだ。 KUU先生は子どもの頃から橋長さんと親しくご近所づきあいを されていて、そのお陰で私もお話をさせて頂くように

          三匹獅子の続き 7月15日

          三匹獅子 7月14日

          今日は田村大元神社の例大祭。昨夜は宵祭で今日が本祭り。 移住してから毎年のように(コロナ禍は神事のみで 舞などのお祭りは中止でした)このお祭りで行われる 長獅子と三匹獅子の舞が楽しみで観に行っている。 今年もKUU先生と約束をしていたのだが、日中は晴れていたものの 午後になって雲行きがあやしくなってきた。 お店を閉めてから一旦自宅に帰って、スイとモクにごはん。 そして私もお祭り見物のために腹ごしらえ。 と、あれこれやっているうちに外は白く煙って遠くが 見えなくなるほどの豪雨

          三匹獅子 7月14日

          世界三大料理 7月13日

          トルコ料理が世界三大料理のひとつだということを 知ったのは先月のこと。1カ月が過ぎるのは早い。 今日は月に一度のMさんの料理会。 この企画をしている代表のKさんからのリクエストで決まった 今回のテーマがトルコ料理だったのだ。 トルコ料理ですぐ頭に浮かぶのはシシカバブとかフムス、 トルコアイス?私の知識ではその程度のもの。 Mさんもリクエストに応えるために、あれこれ調べて試作を繰りかえし、 現地のレシピ通りではなく、誰でもすんなりと食べやすいように 甘さやスパイスやハーブ、

          世界三大料理 7月13日

          写真から始まって写真で終わった日   7月12日

          今日は朝から9月に開催するくまがいのぞみさんの 個展DM用の撮影。 くまがいさんの個展開催は3年ぶり。その前はコロナ禍もあり 今回の展示でくまがいさんが在廊するのは実に6年ぶりとなる。 そんなに経つのか…と感慨深くもある。 さまざまな記憶を辿りつつ、カメラのファインダー越しでは 新作のオーバル皿の「ここだ」と思う一点に集中する。 DM写真を自分で撮るのも久しぶり。 東京でお店をやっていた頃は、DM写真は自分で撮影することが 多かったのだけれど、信頼のおける写真家二人との出会い

          写真から始まって写真で終わった日   7月12日

          青梅と氷砂糖を交互に 7月11日

          日記を3日飛ばしてしまったけれど、 その間に梅シロップはちゃーんと漬けた。 青梅は洗ってヘタを取ってから冷凍していたので、 作業と言っても特別なことは何もなく、 後は熱湯消毒した広口瓶に氷砂糖と交互に入れるだけ。 入れ終わった様子が美しいことも知っているはずなのに。 そう。 漬けるというよりも「入れる」というただそれだけのこと だったというのに、なんでやれなかったのだろう。 でもそんな自分を責めないこともトレーニングのひとつ。 この梅雨時の空気のように、気持ちも頭も体も、

          青梅と氷砂糖を交互に 7月11日

          想像力たくましく 7月7日

          まだ梅雨明け宣言は出ていないというのに すでに真夏のような陽射し、暑さの七夕。 「暑いですねぇ~」が早くもお店にいらしたお客さまとの 挨拶になっている。 これが来月も、いや9月まで続くのだろうか。 店内から外を見ると、真っ青な空にヨークベニマルの赤い文字。 薄目を開けて、想像力だけはたくましくはたらかせていると、 びゅーんとハワイへ。 ここはハワイ・ホノカアの町。簡単にそんな気分になれるのだから 私はお安くできている。毎年このくらいの季節になると、 同じようなことをして楽し

          想像力たくましく 7月7日

          特徴は採れたて 7月6日

          二十四節気の暦は小暑。そして今日は新月。 新しい扉が開く感覚といったところか。 と言いつつ、何か新しいことを始めるでも始まったでも ないのだけれど、shunshunの暦カレンダーを夏至から小暑に 差し替えて「よしっ」となんとなくすっきりとした心地になった朝。 先日の定休日。陽が少し傾きかけてから庭の草刈りをしていると、 ご近所のFさんの奥さまがいらしてたくさんのキュウリを下さった。 「このキュウリの特徴は、採れたてです!」 Fさんの奥さまはいつもこうした気の利いたひと

          特徴は採れたて 7月6日

          ふり返ればスイとモク 7月5日

          梅雨の晴れ間…というか、今日も晴れ。 今年は空梅雨。夏の青空は爽快だが水不足が心配だ。 しかも気温はグングン上がって最高気温が33℃! 皆さまもお身体どうぞご自愛ください。 今日は朝から草刈りをしようと頭では予定を立てていたものの、 この暑さにくじけてグズグズしていた。今までだったらそこも 「エイヤッ!」と気合と勢いにまかせてやり切っていたのだけれど、 無理をしないということを最近になってようやく覚えた。 罪悪感も抱かないように気をつけながら、休むも仕事だと 自分に言い聞か

          ふり返ればスイとモク 7月5日

          出張→実家→三春へ 6月28日

          お昼前から梅雨らしい雨降り。 咲き始めた紫陽花の色が、雨に濡れてしっとりと、 いっそう鮮やかさを増して目を喜ばせてくれる。 この定休日中は、仕事で東京へ。 暑くなり始める今の時期に、ファッションの世界は秋冬物の展示会が 開催される。なかなか都合がつかず、2年ぶりにお伺いできたPois Éの 展示会。平岡夫妻にお会いするのも久しぶりだが、変わらない空気感に ホッと笑みがこぼれた。 いつもは代々木上原なのだが今回は違う場所、外苑前での開催。 空間は白くて明るくて、気持ちが良くて

          出張→実家→三春へ 6月28日

          東カワウソopen 6月21日

          夏至。 一年で一番昼が長い日。 夕方に少し雨がパラついたけれど、また青空が広がって PM6:30でも外がまだ明るい。 今日は私たち夫婦にとって大切な友人の船出、門出の日。 「東カワウソ」のopen! なんだか私が朝からドキドキ、ソワソワ。 花嫁の父かいな、という心境。 心配の要素は1mmもなく、この日が来るのを待ち侘びていた。 これまで萬田くんがコツコツ、コツコツ積み上げてきた あらゆるものがこの場へ注ぎ込まれ、そしてあふれ出るように 始まり、そしてこの先じっくりゆっくり

          東カワウソopen 6月21日