長谷川ちえ

エッセイスト/「in-kyo」店主。 「三春タイムズ」vol.25〜48が書籍『続・三…

長谷川ちえ

エッセイスト/「in-kyo」店主。 「三春タイムズ」vol.25〜48が書籍『続・三春タイムズ』(文・長谷川ちえ 素描・shunshun)として 2023年春、信陽堂https://shinyodo.netより書籍化されました。前回に引き続き造本装幀はサイトヲヒデユキさん。

マガジン

  • 日記 / in-kyoの縁側

    日々の出来事、季節の風景、ぼんやりと頭に思い浮かんだことなど暮らしの観察日記のようなものをポツリポツリポツリと書き始めてみようと思います。 気軽に腰を下ろして、ご近所さんがやって来れば、お茶でも飲みながら他愛もないおしゃべりもできる憩いの場、縁側。 私が営む雑貨店「in-kyo」の店名にちなんでタイトルを「in-kyoの縁側」と名付けてみました。 さて、その縁側では一体何を目にするのでしょう。

  • 三春タイムズ

    • 49本

    福島県三春町での暮らしや季節の行事、風景など ゆるやかで心地よい時間の流れを 「三春タイムズ」と題して追っていきます。 題字をはじめ、毎回文章に合わせて 素描家shunshunが絵を描き下ろしてくれます。 更新は二十四節気の変わり目に沿って 一年で二十四のお話を綴っていきます。 文・長谷川ちえ 絵・shunshun

最近の記事

打合せ 4月26日

顔面神経痛はまだ治らない。時折思い出したように左目のあたりがピクピクと痙攣する。やっぱり緊張しているんだろうか。 自宅でお昼を挟む打ち合わせとなる予定だったので、ブーランジェリーカヌレさんのパンを使ったサンドイッチとサラダ、スープを用意しておくことに。スープは内田真美さんのスープの本(「内田真美の日々スープ」KADOKAWA) を見て作った「春のかぶの2色ポタージュ」色がなんとも春らしく、そしてやさしい味わい。 はじめてお会いする方に料理をお出しするのも気づけば緊張要因だっ

    • 緑が目に眩しく  4月25日

      昨日の雨で花粉やら黄砂やらが洗い流されたのかもしれない。 そこらじゅうが光り輝いて、空気も空も澄んで色が鮮やかに見える。 足元の草花たちや木々の新芽は、心なしか昨日よりも 成長しているような気もしてしまう。いや、成長というよりも、 ぐーんと背伸びをしているようだ。 天候でこうも気分は変わるものだろうか。あぁ爽やかで気持ちがいい。 夫は休日出勤。 出がけに「あぁ筍掘りたい」と言い残して出かけて行った。 そうか、筍か。 私とて休日とはいえ、G.W.に入る前に振込などを済ませてお

      • 備え 4月24日

        二十四節気の暦「穀雨」の通り、大地にとっては恵みの雨。 晴れていたらあれもやりたい、これもやりたいと思っていた (主に庭仕事)私を制するかのよう。雨なら仕方がない。 春の土用だし、静かに過ごそうと諦めもつく。 お昼前にブーランジェリーカヌレさんへパンとカヌレなどを買いに行き 少しおしゃべり。ずっと渡しそびれていた北海道土産(フキノトウの イラストパッケージの六花亭のホワイトチョコ)をようやく渡すことが できた。 夫も休日だったが、本人の苦手な事務作業があってなんだかピリピリ

        • タヌキ? 4月23日

          暑くもなく、寒くもなく、日が照りすぎることも無く。 虫もまだ少ない庭仕事にぴったりの陽気。しかも春の土用の間日だから 土いじりにはうってつけの日だ。 先日の草刈りと同様、根は残して頭の方だけをザッザッザツと鎌で刈って 風の通りを良くしていく。 図書館で借りた本「庭時間が愉しくなる雑草の辞典」で、いくつかの雑草の名前や特徴などを覚えたのはいいが、名前がわかると急に距離が縮まるというか、親密さが生まれてしまって刈る度に心の中で 「すみませんねぇ。だいぶ広がっているから失礼しますね

        打合せ 4月26日

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        記事

          富士額 4月22日

          なんだか肌寒い。 お店には春物の洋服(中には半袖やタンクトップも)も扱っていることも あって、ニットはもうしまいたいところだが、出勤時間の肌寒さを思うと まだ手放せずにいる。「おしゃれは我慢」などと言うけれど、私はおしゃれはしたいが我慢はできない。体調を崩したら元も子もなく、おしゃれどころではなくなってしまう。 夜になり、家に帰ってからもうっすら寒い。スイとモクのためにエアコンは常に一定温度に設定して稼働させているから我慢できない寒さではない。「なんとなく」くらいの寒さを言

          富士額 4月22日

          帰りに図書館へ 4月21日

          先週とは打って変わって、町が落ち着きを取り戻した日曜日。 歩いている人も少なく、これが通常と言えばそうなのだが 少し寂しい。桜が終わっても若葉が芽吹き、植物たちの生命力を 感じられるこれからの時季もまた素晴らしいのだけれど。 それにしても日曜日だというのに町が静かだ。お店は床や窓ガラスの 掃除、花器の水の取り換えはいつもの通り。暖かくなってきたので、 花壇の水やりついでに入り口には打ち水までして、お客様をお迎えする 準備は万全だ。だが開店してからしばらくしてもしーんとしてい

          帰りに図書館へ 4月21日

          春の味 4月20日

          お昼過ぎにやっちゃんとKUU先生がご来店。 やっちゃんから昭進堂の柏餅を差し入れでいただいたので、 コーヒーをいれて3人でお茶っこタイム。 昭進堂の柏餅は白味噌餡とこし餡の2種。私は白味噌餡を。 柏餅ならほうじ茶や緑茶でももちろん良いのだが、餡にはコーヒーも 良く合うと思っている。 他愛もない話をしていると、Yさんがお取り置きのお品を引き取りに ご来店。「良かったらこれを…」と、手渡された紙袋には、お父さんが 敷地内で採ってきてくれたという、朝採れのコシアブラとタラの芽が び

          春の味 4月20日

          電車に乗って 4月19日

          電車に乗っていそいそと出かける。 いそいそ?コソコソ? 今年に入って通い始めた爪のお手入れのため郡山まで。 爪の形にコンプレックスがあったからか、若い時分から 爪はとにかく短く切って清潔にしていれば良し。 それ以上の手入れなどしてこなかった。それを今になって きれいにしようなどとしている自分に照れ臭さが伴うのだ。 別に悪いことをしているわけではないのだが。なぜか。 おそらく娘といってもおかしくないくらいの年齢のネイリストさん。 彼女のお陰でささくれもできにくくなったし、本来の

          電車に乗って 4月19日

          次々と 4月18日

          先週の今頃は満開だった桜も、今では花がハラリハラリと散り始め、 早くも若葉の緑へバトンを渡す。 一日一日、わずかではあるけれど目覚める度に外の景色が違ってきている。 桜が散ってしまって寂しいなどと思っているヒマはなく、 山は柔らかな緑や白に黄色、山桜や花桃のピンクなどがふんわりと 重なって目を喜ばせてくれる。 「山笑う」という俳句の季語があるが、笑い出す少し手前、 「山が微笑んでいる」くらいのやさしい様子。 遠くの山だけではなく、庭の木々や足元の草花も。 一斉に目を覚ました

          次々と 4月18日

          ツクシのオムレツ 4月17日

          連日「お城山で朝ごはん」が流行っている。 流行っているといっても、私の中でだけなのだが。 3日目となる今日は、とうとう夫を連れ出して、 東屋のある広場へ。 桜満開から一週間。夫はその間、仕事が忙しくて昼間の花見はおろか、 帰りも遅く、夜のライトアップさえも見れずにいた。 一方で私は桜、桜と浮かれていて、ちょっとした後ろめたさというか、 申し訳ない気持ちを抱いており、言い訳するかのように半ば強引に 連れ出したのだ。 今年の桜の花もそろそろ見納めだろうか。早くも桜吹雪が舞い始め

          ツクシのオムレツ 4月17日

          居ても立っても居られず 4月13日

          「居ても立っても居られず」とはこういうことなんだろうな。 昨日に引き続き、今日も今日とて桜日和。 また早い時間に目が覚めてしまい、熟睡している夫を置いて、 ひとりで朝の散歩を兼ねて家から10分ほどで登れるお城山へ。 息が上がるほどの急な坂道もなんのその。 どうしてこれほどまで桜に惹かれるようになったのだろう。 これから一日が動き出すといった、早朝の空気が気持ちいい。 良く響くウグイスの鳴き声や、ツピー、ツピー、ツピーと鳴くのは シジュウカラだろうか。 鳥たちの時間を邪魔しな

          居ても立っても居られず 4月13日

          夢の続き 桜の季節 4月12日

          旅の疲れで起きられるだろうか。 そんな心配などどこへやら。シャキン!と早くに目が覚めて出かける支度。 自分でも意外なほどのシャキン!だ。これはおそらく旅のテンションが 続いているのかもしれない。まだまだ夢の続きだ。 今日はご近所やっちゃん、KUU先生のナビゲートで三春の桜パトロール (誰に頼まれているわけでもないけど勝手に)の日。 東川へ出かける直前に滝桜の開花宣言。旅に出ている間に桜満開の見頃を 見逃してしまうかもしれないかと思うと、三春を離れたくないという気持ちもあった

          夢の続き 桜の季節 4月12日

          東カワウソ3日目 帰途へ 4月11日

          昨夜睡魔に襲われて、数時間横になって眠らせてい頂いたものの、 その後はまた眼が冴えてあまりよく眠れなかった。 だいたいいつもは旅先だろうが、どこでもどれだけでも眠れるはずなのに こんなことは珍しい。 それでもやっとうつらうつらして再びハッと目が覚めると明け方。 まだ薄暗いが、これから新しい一日が始まろうとしているところだった。 家ならそこで二度寝となるのだが、そのまま寝てしまうのが なんだかもったいなくて早起き。夫は隣で熟睡中だ。 階下に降りると、今朝もシナモンロールをブラッ

          東カワウソ3日目 帰途へ 4月11日

          東カワウソ 2日目 4月10日

          日の出前に目が覚めてしまった。 いつもなら2度寝、3度寝などあたり前なのに、目も頭も冴えて もう眠れそうになかったので、階下に降りて白湯を飲みながら 朝の美しく雄大な景色に見惚れていた。 刻々と移り行く空の色。その景色は昨日とも明日とも、 1分先ですら同じではないということ。 それは何も北海道だからなのではなく、自分が暮らす環境でも 起きているということを、北の大地で今さらながら気づかされる。 昨夜札幌入りをしていたエフスタイルのお二人が、始発のカムイ (特急電車)で旭川駅

          東カワウソ 2日目 4月10日

          東カワウソへ  4月9日

          2泊3日で北海道東川町にて「東カワウソ」open準備中の萬田康文くん (東京から東川へ移住する写真家であり、料理人であり、釣り人でもある)のもとへ。夫と、新潟・エフスタイルのお二人(10日に合流)との旅。 お互い完全なるオフである。 友であり家族のような存在。そんな萬田くんの新しい「場」を訪れるのは、嬉しいのと同時に、ソワソワと緊張するような感覚もあって なんとなく落ち着かない心地で出発。 関東は大荒れの空模様だったようで、福島も激しい雨。 心配した通り、ANAとはいえプロペ

          東カワウソへ  4月9日

          入学式  4月8日

          朝、夫の車でお店へ向かう途中、お母さんと一緒に歩く ピカピカの一年生の姿を見かけた。 新しい一日のはじまり。 新しい学校生活のはじまり。 真新しい小さな一歩はとびきり輝いているようだった。 ♪ 友だち100人できるかな ♪ なんて歌があったなぁ。 そりゃぁ100人できたらすごいことかもしれないけれど。 でも100人なんてできなくたって、1人でも一緒にいて たとえ何も喋らなくても、楽しいと思える時間を 過ごせるお友達ができたらいいんじゃないかなと思う。 私に子どもがいたらたぶん

          入学式  4月8日