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出張→実家→三春へ 6月28日

お昼前から梅雨らしい雨降り。
咲き始めた紫陽花の色が、雨に濡れてしっとりと、
いっそう鮮やかさを増して目を喜ばせてくれる。

この定休日中は、仕事で東京へ。
暑くなり始める今の時期に、ファッションの世界は秋冬物の展示会が
開催される。なかなか都合がつかず、2年ぶりにお伺いできたPois Éの
展示会。平岡夫妻にお会いするのも久しぶりだが、変わらない空気感に
ホッと笑みがこぼれた。
いつもは代々木上原なのだが今回は違う場所、外苑前での開催。
空間は白くて明るくて、気持ちが良くて、どこか見覚えが
あるような…。と思っていたら、永井宏さんが展示の企画や
ポエトリーリーディングなどを行っていた場所、元タンバリンギャラリーだったと聞いて、一気に記憶がワープした。そうだった、そうだった。
窓から入るこの光。最後にここを訪れたのは何年前だろう?

この日は思えば、時空を行ったり来たりするような一日だった。
その後、急ぎ足で移動をして上北沢にあるオカズデザインのアトリエ
「カモシカ」へ。伊藤環さんの個展最終日というタイミング。
時間が間に合うかどうかもわからなかったので食事の予約はせず、
またオカズデザイン吉岡夫妻にも事前に連絡もせず。展示も観たかったのも
もちろんあるが、ご無沙汰していた二人に会いたい。
ならばとにかく間に合うように急いで行こうと。
三春で暮らすようになってからなかなか会えないままコロナ禍もあり、
気付けば5~6年ぶり??だったんじゃないだろうか。
まず玄関で出迎えてくれたヒデさん、そして店内に入ってトモさんの顔を見たら涙が滲んだ。涙腺がすっかりゆるんでしまったお年頃。
お互い、いろんなことが動き出して、仕事も遊びもとにかくがむしゃらに進んできた30代。よく食べ、呑み、語らい、様々なことを分かち合い、
共に過ごしたひとときが土台となり、今を支えてくれていると言っても過言ではない大事な友。たとえ距離が離れ、いっとき時間が空いてしまっても、タイミングさえ合えば、またこうして昨日会っていたかのように再会を喜べる。それも奇跡のようなことなのかもしれないな。
展示最終日でやることもきっとたくさんあっただろうし、疲れもたまっていただろうに、ヘルプで入っていた新貝さんも交えて近くのお店での食事の
時間をつくってくれた。今思い返してもそのあたたかさがじんわりと嬉しい。再会を祝して乾杯。なんていい夜だったんだろう。
きっと後々何度も思い出すんだろうな。

まだまだ話したりないことが山ほどあったけれど、またの再会を約束して
早めに解散。そして千葉の実家へ。今回の実家滞在はショートステイだったけれど、また母が見ていない隙に掃除をして、庭に咲く白の夾竹桃を仏壇の花入れに活けて。涼しげな薄紫の紫陽花は洗面所に。
そしていつもの通り、ごはん食べてテレビ見てお茶しておしゃべりしたところでタイムアウト。一泊して昼過ぎには実家を後にした。
まっすぐ三春へ帰れば4時頃には到着していたのだが、どうしても観たかったブランクーシ展へ(京橋ARTIZONE MUSEUMで7/7まで開催)
一番観たかった石膏の「眠れるミューズ」は5/12までの展示だったため、
観ることは叶わなかったが、ブロンズで制作された「眠れるミューズⅡ」と
ご対面。触れてみたいと思うほど、艶やかで観音様のお顔のように穏やかな作品だった。
20代の頃に訪れたポンピドューセンター。今観たら受け取り方も見え方も
違っているのだろうか。あの頃はブランクーシも知らなかったけれど、心惹かれるものがあったなぁ。それは一体なんだったんだろう。今回の展示タイトル「本質を象る」 惹かれる部分はまさにそういうことなんじゃないかと思った。

東京、千葉の梅雨時の蒸し暑さに身体がびっくりしたまま新幹線に乗り、
覚悟して郡山駅に降り立つと、思いのほか乾いた風が涼しく感じられた。
空が広いな。
三春に着く頃にはきれいな夕焼け空が広がっていた。