【勝因】『目指すべきは前』~DFBポカール準々決勝ライプツィヒVSドルトムント~

試合結果

2022-23 DFBポカール 準々決勝
4/5 27:45K.O. @レッドブル・アレナ
ライプツィヒ(2-0)ドルトムント
22分 ティモ・ヴェルナー
90+7分 ビリー・オルバン

スタメン

DFBポカール準々決勝、昨年王者のライプツィヒとドルトムントが激突した一戦は、攻守両面で前に向かってプレーし続けたライプツィヒが2‐0で勝利した。

立ち上がりからライプツィヒが強烈なプレスでドルトムントに襲い掛かる。[3-4-2-1]を採用した中で、ダニ・オルモ、ドミニク・ショボスライの2シャドーと両WBで相手の4バックからボールを奪いに行く。それに連動するように2ボランチと3バックが押し上げていき、コンパクトな陣形から敵陣でボールを奪い取って鋭いショートカウンターを繰り出した。

ライプツィヒはプレスで相手にペースを握らせないどころか自分たちのペースを掴んでいくと、勢いそのままにゴールに向かった。6分、敵陣で縦パスを相手にカットされたコンラッド・ライマーがすぐに切り替えて相手を逃がすことなくボールを奪い、オルモがミドルシュートを放つ。12分には敵陣でハイダラが相手のボランチからボールをかっさらい、オルモがPA左から左足でのシュートで右スミを狙った。しかし、GKのファインセーブに防がれた。

相手の圧力を完全に受けてしまったドルトムントは、13分過ぎからビルドアップに変化を加える。アンカーのエムレ・ジャンがCBの間に下りて最終ラインを3枚にすることでパスコースの角度を府増やし、右ウイングを務めていたマルコ・ロイスが右斜めに下りて出口を作る。立ち位置を変えたことで一時はライプツィヒのプレスを交わしてゴールに向かった。しかし、21分にユリアン・リエルソンが左サイドから切れ込んで放ったシュートはGKに防がれてしまう。

鋭いプレスをベースにした力強いボール奪取と縦に早い攻撃を展開するライプツィヒは、ドルトムントの変化にマンツーマンで対応していくと、22分に試合を動かす。モハメド・シマカンが自陣から相手を突破してショボスライにパス。背番号17は右サイドで3人を引き付け、内側を駆け上がるシマカンにスルーパスを送る。背番号2はファーストタッチで相手を突破してクロスを送ると、ティモ・ヴェルナーが左スミに流し込み、ネットを揺らした。3バックの右を務めるシマカンが前に進み続けたことによって、右サイドを切り裂く先制点が生まれた。

後半は追い掛けるドルトムントが63分にジュード・ベリンガムを投入すると、盛り返す。19歳ながら腕章を巻く背番号22は後ろでの組み立て、中央での起点作り、裏への抜け出しをこなし、チームに推進力を与えていく。

さらにドルトムントは選手交代を行い、システムを[4-3-3]から[3-5-2]、最終的には[3-4-3]に変更してゴールに向かう。しかし、ライプツィヒが奪ったボールから高速カウンターを繰り出して確実にゴールを脅かしてくるため、完全にペースを握れない。

ボールを持っているのはドルトムントだが、チャンスを作っているのはライプツィヒという構図で試合は終盤に差し掛かる。

90+7にドルトムントがGKも攻め上がってCKから同点弾を狙いに行く。しかし、ライプツィヒが跳ね返すと、クリアボールを拾った途中出場のケビン・カンプルが相手ゴールに向かって一直線に進む。背番号44に追いつき追い越せと言わんばかりに3選手が自陣ゴール前から敵陣ゴール前に駆け上がり、最後はCBのヴィリー・オルバンがGKのいないゴールに蹴り込んで勝負あり。

目指すゴールは自分たちの前にある。試合を通して攻守両面で前に進むことを貫いたライプツィヒがドルトムントを下し、準決勝へコマを進めた

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