【速報】『W杯に向けた最後のサバイバルマッチは攻撃に課題を残す0‐0』~国際親善試合日本VSエクアドル~

2022 国際親善試合
9/27 20:55K.O. デュッセルドルフ・アレーナ
日本(0-0)エクアドル

ワールドカップに向けた最後のサバイバルマッチ。日本代表は23日に行われたアメリカ戦から先発選手を全員入れ替えた。GKはシュミット・ダニエル、ディフェンスラインは右から山根視来、谷口彰吾、伊藤洋輝、長友佑都。腕章を巻く柴崎岳と田中碧がボランチを組み、2列目の右は堂安律、左は三笘薫、南野拓実がトップ下を務め、最前線には古橋享梧入った。

黄色のユニフォームを着たサポーターが多く駆け付ける中でキックオフを迎えると、日本はエクアドルにボールを握られる。[4-1-2-3]の布陣を採用するエクアドルは、アンカーのジェクソン・メンデスがCBの間に落ちて3選手でビルドアップを行う。それに対して日本は古橋と南野を第一ラインとする[4-4-2]で応戦。前線からプレスを掛けていくも、数的不利の状況であるため掻い潜られてしまう。開始2分には中盤で細かなパスワークを許し、右SBのバイロン・カスティージョにミドルシュートを打たれた。

日本は三笘が自陣低い位置で守備に奔走する時間も続く中で、我慢強く対応する。ディフェンスラインを高くして全体をコンパクトにすることでプレスの強度を上げていき、相手選手を囲い込んでボールを奪う。そして三笘が得意のドリブルでチームを推進させる。7分、三笘が左サイドから切れ込んでクロス。これを南野が頭で合わせたシュートは枠を外れる。ボールを持つ時間帯が増加するも、堅いエクアドルの守備ブロックの前に横パスやバックパスを選択するシーンが多くなり、シュートチャンスを作れない。逆にエクアドルに鋭いカウンターを起点にゴールを脅かされる。20分、左WGのロマーリオ・イバーラが上げたクロスは長友がクリアしたが、こぼれ球をモイセス・カイセドがミドルシュートを打つ。22分の右CKではゴール前の混戦からCBのピエロ・インカピがオーバーヘッドシュートを許すも、堂安が体を投げ出してブロックした。

シュミットも積極的にハイボール処理を行ってピンチを防いでいくと、40分に最大のチャンスが巡ってきた。南野が相手ゴール前で左SBのペルビス・エストゥピニャンを懸命に追い掛け、古橋がパスをカットして左足でシュートを放つ。しかし、これはGKのエルナン・ガリンデスのセービングに遭った。

プレスからチャンスを作った日本だったが、エクアドルのペースで試合が進み、前半終盤に連続してピンチが訪れる。43分に左サイドから切れ込んだ左WGのイバーラのシュートは右のポストに当たり、45+2分にはCKからヘディングシュートが枠を捉えたが、シュミットがゴールライン上で掻き出した。

スコアレスで迎えた後半、日本が古橋に代えて上田綺世を投入し、エクアドルも1選手を交代してスタートした。57分、上田が最前線で体を張って起点を作ると、三笘が左サイドから縦に突破して折り返したボールを南野が左足で合わせる。しかし、シュートは左に逸れた。

森保一監督は67分に鎌田大地、相馬直紀、遠藤航を同時に送り込む。70分に相馬が左サイドを突破して蹴り込んだクロスを上田がヘディングシュートするも、枠の左に外れた。

エクアドルも75分に2選手を交代する。2014年のブラジルのワールドカップで3得点を決めたエネル・バレンシアが入り、システムを[4-4-2]に変更した。

日本はカウンターから作ったチャンスを仕留めきれずにいると、83分に最大のピンチを招いてしまう。谷口がPA内で相手を倒してPKを献上。しかし、シュミットがステップを踏み、キッカーのバレンシアにプレッシャーを与え続けると、左に蹴られたPKをストップ。完全にコースを読んでいた。背番号23がチームの窮地を救った。シュミットはその直後にも枠に飛んできたヘディングシュートを掻き出す好セーブも見せた。

試合終盤、鎌田がするりとゴール前に進入してシュートを打つも、GKにストップされてタイムアップ。試合は0‐0で痛み分けとなった。

エクアドルは手強かった。ボール保持する力もあり、切り替えも早く、守備も堅い。日本は押し込まれる場面も作られながらも、粘り強く無失点に抑えた守備は一定の手ごたえがあったかもしれない。PKストップだけでなく、安定したハイボール処理を見せたシュミットはワールドカップのゴールマウスを守るべき存在だと感じた。サイドの1対1で必死に食らい付き、奮闘した長友もさすがの一言。

しかし、問題は攻撃にある。後半は上田が起点を作り、2列目の選手が飛び出していく形を作ることができたが、前半はボールを前に運ぶことができず。動き出しの質で勝負する古橋の特徴は全く生きなかった。スペースや背後に抜け出す意識が乏しく、足元ばかりになってしまい、反転を試みる南野が相手に潰されたシーンは目立ってしまった。改めて日本代表の攻撃には前線で時間を作れるポストプレー型のFWが必要だと強く感じた一戦になった。

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