【レビュー】『自信に満ちたプレーで掴んだ今季ホーム初勝利』~第4節ファジアーノ岡山VSツエーゲン金沢~
試合結果
スタメン
マッチレポート
自信みなぎる岡山が攻守で金沢を圧倒して3発快勝
攻守ともに自信をもってプレーした岡山が金沢を下し、今季ホーム初勝利を飾った。
岡山はステファン・ムークが2トップの一角を務め、今季初先発の仙波がトップ下に入り、田中が右SHに復帰すると、チームとして自信をもってパスをつないで攻めていく。ムーク、仙波、田中といった受け手が流動的に動きながら狭いエリアでもボールを要求し、出し手が勇気をもって縦パスを打ち込む。22分にはテンポの良いパス回しでプレスを掻い潜り、河野のクロスを田中がジャンピングボレー。こぼれ球を櫻川が詰めるも、相手DFに防がれた。
ホームチームは守備も堂々としていた。全体を押し上げてコンパクトに保つ中、ヨルディ・バイスと柳が金沢の2トップを厳しくマークしてカウンターの芽を摘む。ボールを失っても全員が素早く切り替えて即時奪回を狙う。岡山が金沢に反発するスキを与えずに押し込み続け、前半終了間際に先制点を奪取する。45+1分、河野がゴール前に蹴り入れたFKの混戦から最後はバイスがネットを揺らした。
後半は追いかける金沢が攻勢を強めてスタートした。途中出場の石原が推進力を発揮し、2トップがスペースに流れてサイドの深い位置を突いていく。56分、右サイドから抜け出した林の折り返しを加藤が右足で合わせて枠を捉える。しかし、これは懸命に戻った相手DFにブロックされた。
リードする岡山は冷静に金沢の攻撃を対処していき、64分に追加点を挙げる。仙波、ムークのパス交換で相手守備網を切り裂き、櫻川が力強いポストプレーでタメを作ると、2列目からムークがゴール前に飛び出す。背番号8は華麗なステップで相手2選手を交わして、シュートを流し入れた。さらに84分には前掛かりになった金沢をGK山田のロングボールでひっくり返し、途中出場の高木が迷うことなくPA左で相手DFを突破して強烈なシュートをネットに突き刺した。
自信をもってアグレッシブにプレーした岡山は、攻守に充実した3‐0で今季ホーム初勝利を飾った。一方の金沢は開幕から4連敗。狙いをもった攻撃を繰り出す時間はあったが、前節に続き守備に課題を残す敗戦となった。
コラム
逆境に強い男。その名は河野諒祐
先制点は河野の正確無比な右足から生まれた。45分+1分のFK、河野がゆったりとした助走から右足を振る。ゴール前に蹴り入れたボールはニアサイドで待っていた木村にピンポイントで届く。それを木村がすらしたことで混戦が生まれ、最後はバイスが押し込んだ。リードして試合を折り返すことができる。チームの強みであるセットプレーのキッカーを担う河野の右足がチームに貴重な先制点をもたらした。
さらに背番号16は失点も防いだ。56分に身体を投げ出して加藤のシュートをブロック。最後まであきらめずに戻ったことで、GK山田の横をすり抜けるシュートを弾き出すことができた。
河野は前節に失点に直結するミスをしてしまった。今季はプレシーズンに好パフォーマンスを見せていた本山が右SBのポジションで控えているため、先発から外れても不思議ではない状況だった。しかし、引き続き先発に選ばれると、アグレッシブなプレーと強みを発揮してチームを今季ホーム初勝利に導いた。逆境に強いリバウンドメンタリティをもっているからこそ、JFLからJ3、J2へと這い上がってJ2通算100試合を達成できたのだろう。背番号16はこれからも信じてくれるモノのためにタフに戦う。
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