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プレイングマネージャーのリアル:厳しいからこそ得られる信頼

4年前、TISという大企業に初のUXデザイナーとして入社した加藤さんにインタビュー。デザインのトッププレイヤーとして長く活躍してきた加藤さんが、さらにチームを成長させていく上で直面している壁について、語っていただきました。

<経歴>
2019年5月にTIS入社。人間中心設計専門家。UXデザイナーとして事業企画の伴走から表層のデザインまで幅広い案件に携わり、SI文化の中にデザインを根付かせた立役者。2021年中東 省エネ促進プロジェクトにて行動変容のデザインを担当し、同国において翌年のBEST INNOVATIVE IDEA FOR SUSTAINABILITY & ENEGY EFFICIENCY AWRADの受賞に貢献。

現在は、DXクリエイティブデザイン部 デザイン事業の責任者としてマネジメントを行う傍ら、自らもプレイヤーとして活躍中。 休日はビールを片手に、子供達とアニメ三昧。



入社時点で、僕の周りにはデザイナーがいなかった


-- 今のチームになるまで、どんな道のりでしたか?

広義の意味での”DESIGN”を大きな企業に浸透させるミッションを持って入社したのですが、当初デザイナーは私ひとりで、「何から手をつけよう…」という状態でした。まずは、バナー、資料レイアウト、UIデザインなどできることは何でもやっていきました。


-- 現在、どんなチームになっていますか?

人数としては10名を超えるUXデザインチームになりました。

メンバー各々が専門分野を持った上で、クライアントのビジョンを理解し、上流工程からデザインしているのが良い意味でとても刺激的です。中には、20代という若さでプロジェクトをドライブさせる役割を持つメンバーもおり、立ち上げた身からすると本当に感慨深いです。


チームのトップとして感じる、不甲斐なさ


-- 成長過程のチームにおける、加藤さんの業務について教えてください

主に2つの業務を担っており、案件の創出および実行をするプレイヤーとしての業務と、チーム自体を成長させるマネジメントの業務があります。

-- 今はプレイヤーだけでなく、マネージャーとしての1面もあるんですね

はい、プレイングマネージャーという働き方だと思います。

正直ここには自分の力不足や不甲斐なさを感じることもありまして、 プレイヤーに時間を割きすぎるとマネジメントが疎かになり、メンバーの声を拾って状況を確認したり、改善したりといったことが難しくなります。
一方、マネジメントに集中しすぎると、案件の創出ができなくなる上、デザイナーとして満足のいくアウトプットを出すことが難しくなったりします。


プレイングマネージャーだからこそ作れる強い信頼もある


-- プレイングマネージャーは両立の困難さから、組織の成長にそぐわないという世間の声もありますが、どう考えていますか?

全ての側面においてNGではないと考えています。

マネージャーの仕事は大変ですが、「人 対 人」で進める仕事において、手を動かすだけでは学べない大切なことがたくさんあると感じます。
また、デザインチームのリードデザイナーとして、手を動かしながらメンバーに道を示すことも重要です。成長中のメンバーの視点で考えても、プレイヤーとしてリスペクトできなければ、ついていきたいとは思えないんじゃないかと。


長くプレイヤーとしてデザインをしてきた加藤さんですが、チームのマネジメントを辞めたいと思ったことはありますか?

ありません!

これは私の夢にも関係していますが、将来、UXデザインの先生になって日本のサラリーマン、特に大企業のサラリーマンにUXデザインをインストールするお手伝いがしたいと思ってるんです。

日本の大企業は真面目で体力があります。そんな彼らがデザインを使いこなせるようになれば、未来の日本はもっと明るくなると思うんです。その夢を叶えるためには、実力や実績だけでなく、人と繋がって巻き込んでいく力や人間力そのものを伸ばしていくことも重要です。


マネージャーも弱音を吐いていい


-- 辛い状況を乗り越えるためにしていることを3つ教えてください

◎ 最悪の状況は永遠に続かないと考える
これまでの人生の中で得られた、自分自身に染み付いている教訓です。

◎ メンバーの成長を楽しみ、それに感謝する
マネージャーの重要な仕事のひとつに“人材育成”があります。人の成長に責任を負うのでプレッシャーも大きいですが、その分、メンバーの成長を間近で見て深く楽しめるという面もあります。

最近、若手メンバーのかずき、うおちゃん、みーちゃんと3ヶ月間みっちり仕事をする機会があったのですが、彼らが先頭に立って牽引してくれて、メキメキと力をつけているのを肌で感じることができました。

「デザイナーとして、自分には何ができるんだろう…。」とキャリアを模索してきたメンバーから受け取った「ここは若手に任せてください!」という言葉は涙が出そうになる贈り物でした。


◎ 先輩にも後輩にも、勇気を持って弱音を吐く
チームを引っ張っていく人間として“見せなければいけない背中”みたいなものがあると理解しているのですが、弱音を吐くことで自分自身も救われるし、同じ悩みを抱えているメンバーにも寄り添えることを学びました。

このように弱音が吐ける環境が構築できたのは、今のメンバーの存在、そして部門長である鈴木 翔一朗さんの存在が大きいですね。こんなに愛情が深く、デザイナーファーストな部門長は他にいないと思います。


デザインを、大企業の動脈に


-- 今後デザインチームはどうなっていきますか?

中長期的には各々のメンバーが専門分野のスキルを活かして、新しい領域でのデザイン事業がどんどん生み出せているような状態を目指しています。 今は私が牽引するUXデザイン事業がメインですが、これからはリサーチに特化した事業も立ち上げていきたいですし、ブランディングを専門的に伴走するチームも盛り上げていきたいです。

デザインを、サービスや事業を通じて価値のある形で浸透させていき、大企業自体の動脈にすることで、多岐に渡って社会に意味のあるものをつくっていけたらと考えています。


-- 1人の挑戦から始まったチームが、大企業の幹に入っていくのはとても楽しみですね

そうですね!とても楽しみな一方、もっと自分も力をつけていきたいなと思うところです。 ずっとプレイヤーをやってきたので、人をマネジメントする難しさ、両立の大変さを日々感じています。同じ境遇にいるプレイングマネージャーの方がいたらお互いの経験や情報を交換したいです。


ともに、メンバーの成長を楽しめる仲間を探しています


立ち上げから今日まで期間としては短いですが、人が成長するための環境が整っていることにはとても自信があります
ともにメンバーの成長を、組織の成長を楽しみながらデザインも深めていきたい方は、ぜひこちらよりお話をお聞かせください。


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