わたしが旅したJAIP パレスチナ

中東訪問中の河野外務大臣。昨日はパレスチナJericho(エリコともいう)にある農産加工団地JAIPを訪問、そして式典ではパレスチナ首相はじめ要人たち列席の中、日本の立場や今後のパレスチナ支援、中東和平への尽力について演説した。

JAIPはパレスチナ、イスラエル2国共存のための日本の取り組みであり、パレスチナはもちろん、隣国のヨルダン、そしてイスラエルも共に4カ国で進めているプロジェクトだ。注目すべきはイスラエルも含まれていること。イスラエルをなしにこのプロジェクトは立ち行かないだろう。そして日本でないと、イニチアシブを取るのは難しいだろう。

1つ目に物流の問題がある。ここの製品はヨルダン川を越えてヨルダンから航空便に乗せることになる。このヨルダン川の国境はイスラエルが警備管轄しているため、イスラエルの許可を取る、パレスチナだけでは許可を取るのがかなり難しいと想像するに難くない。国境からJAIPまでの交通網の整備もこのプロジェクトに含まれている。


2つ目は日本がイニチアシブを取る重要性。東アジアの島国日本。国教はない、憲法で信仰の自由がある。しかし、敢えていうなら神道となるだろう。人口でいえば仏教というところか。パレスチナ問題は政治的な問題ではあるが国民感情として宗教の影響は少なくない。イスラム教、ユダヤ教、キリスト教の一神教とは遠い日本、そんな国がイニチアシブを取ると心情的な摩擦は限りなく小さいと言える。

今年で10年目となるJAIP事業。この2月にわたしも訪問した。まだまだ建設ラッシュの中、JAIPを運営するディベロッパーと創業している企業を”大人の社会科見学”と称して説明を聞き、工場内や生産過程を見せていただいた。

この秋には米国要人もここを訪問している。親米の日本が進めているパレスチナ支援事業だからと言えるだろう。サプリメント大国アメリカにここで生産されているオリーブエキス抽出のサプリメント(成人病予防)が輸出される日も遠くないと思い描きたい。オリーブの産地であるパレスチナであるので、オリーブオイルの石鹸やデーツパウダーも作られている。じつはウエットティッシュ(赤ちゃんのお尻拭きにもなる)がかなり高性能だった。今でも愛用している。これはエルサレム市内にはすでに出荷されていて販売されている。

大いなる可能性を秘めているJAIPに今後も注目していきたいし、その製品が日本市場に出回るのもそう遠くないと信じている。

経済的な自立は人間としての尊厳である。


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