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書きとめておかないと忘れてしまうので

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2021年5月の記事一覧

5月某日 積ん読以前の問題

5月某日 積ん読以前の問題

この週末は書評サイト『ALL REVIEWS』のオンラインイベントが充実していた。土曜の夜は『勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版』の千葉雅也さんと鹿島茂さんの対談だった。日曜の夕方は柴崎友香さんと豊崎由美さんのガブリエル・ガルシア=マルケス著『族長の秋』を課題本に据えた回であった。この催しは毎月2回開かれていて鹿島さんと豊崎さんがナビゲーターとなり、それぞれノンフィクション・フィクション部

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5月某日

5月某日

映画『ファーザー』を観にいった。認知症になった父親の話で、取り巻く娘や夫など身の回りのことが描かれる。アンソニー・ホプキンズがアカデミー賞主演男優賞を受賞している。なぜここまで評価されたか、上映から数分ですぐにわかった。こんな作品は今まで観たことがないのである。最後まで観終わって観客の手元に残る確かなことは、現在、介護施設に入っていることと娘がいること。それは父親が抱いていることとほぼ同じなのであ

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5月某日

5月某日

志賀島にて取材。空を雲が覆っていてなかなか完全には晴れない。海は空を鏡のように写すので、部分的に日差しが差して明るくなったとしても、完全に雲がなくならなければ海の色は青く映らない。カメラマンさんに後日、再撮をお願いすることになる。申し訳ない。取材先はオープンして間もないショップや施設、飲食店など。大変な状況は続くけれども、なんとか対応し、足を踏ん張っていく意気込みをみなさんから感じた。

5月某日

5月某日

 昨日は夕方に緊張しまくる案件があって、そっちが気になって仕事が捗らなかった。そのため今日はやややることが詰まってますがギュウっとやります。
 小学生を対象にした作文教室を主宰して5、6年が経つ。楽しみにしているのが子どもたちから今気になっている物事を教えてもらうこと。もちろん作品理解にもつながるためである。ここ一年だとやはり鬼滅や韓国アイドル、そして最近はボカロ曲から発生したボカロ小説のことを教

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5月某日 ビリヤニにハマリ気味

5月某日 ビリヤニにハマリ気味

昨日は夏を思い出すような暑い日だった。日陰を選びながら歩いてインド料理店に向かった。お目当はビリヤニ。南インドの炊き込み&炒めご飯のようなものなんだけど、実は最近覚えたばかり。これまでエビビリヤニ、チキンビリヤニを味わった。ご飯と生姜がスパイスで炒めてあって、あらかじめスパイスに漬け込んでいた(と思われる)豚肉なりエビなりと一緒に食べる、というもの。今日はポークビリヤニで、ちょっと厚めの豚肉に味が

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5月某日 まだ見ぬお姉さん

松林を散歩していたら足元に転がる毛虫に気づいた。そんな季節かと思い、どうぞ私が通り過ぎるまでは落ちてこないでと枝をじっと睨みながら歩いた。午後、大きな交差点で信号待ちをしていると5枚ほどのまだやわらかい葉をつけた枝が、フロントガラスにぽたりと落ちた。スピードを出してもワイパーに引っかかって落ちない強いやつだ。今日は上から何かが落ちてくるらしい。これで雨粒でも降ってきたら、ツモだな。いや雨粒では面白

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5月某日 書くを科学する

昨日は立命館大学のサイエンス・ライティング講座を視聴した。『馬疫』(光文社)の作者、茜灯里さんによるオンライン講座である。書くコツを科学的に分析するという、最近のあまたある文章講座と比べるとめずらしいタイプであった。茜先生は別の講座でのお話を何度か拝聴したことがある。その際、的を得た指摘と必要な要素が相手にズバッと届くお話しぶりに触れた。今回は対象の中心は学生さんであったようだが、ロジカルな書き方

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5月某日 冒険はしているか

5月某日 冒険はしているか

雨が降ったり止んだりの一日。雨脚はさほど強くない。夕方から子ども劇場の例会で『エルマーのぼうけん』を観る。演者は人形劇団プークさん。これまでも何度か舞台を拝見している。東京に常設の劇場があるそうで、一度は訪ねてみたいものである。しかし遠くから来てくだり、よい物語を届けてくださるのってありがたい。これは市民劇場にもいえる。この九州にいても第一線で活躍する舞台文化に触れられることを、もっと広められたら

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5月某日 インクが切れるの速いです

一日デスクワーク。十数軒の取材先に依頼のメールを送る。メールは手軽だからささっと送りがちだけれど、結構注意が必要なツールだと改めて思う。中身によってその先の仕事を多いに左右するものね。ちょっと前に『仕事を気持ちよく&前倒しできる仕事術』といった記事の企画を考えたことがある。サンプルメールを査定しながらアドバイスをするというやつ。ボツったのだけれど結構面白くなりそうと思ったけどな。ところでプリンター

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5月某日 メッシュのTシャツが気持ち良い日

メッシュ製の速乾性のあるTシャツを着ると、心地よさを感じた。バスに乗って買い物へ。ここでも夏用の速乾性のある肌着を買い求める。考えたら快適さばかりを求める生活を繰り返している。帰りのバスで子どもと口喧嘩となる。叱ったのではなく完全に口喧嘩。だって帰宅後、算数と作文の宿題のどちらを先でやるかで揉めたのだから。そんなのまかせておけばいいのに、先を読んで、量が少なく時間がかからないほうからやりなさいと思

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5月某日。映画『ジェントルメン』を観る

とっくにお日様は昇っている時間なのに、窓の外は暗かった。雨は降っていないけれど、梅雨が本気を出してきたようだ。冷たい風が雨雲をもうすぐ運んでくる予感をもちつつ、長靴とビニール傘を装備して映画館へ向かった。

今日のお目当はガイ・リッチー監督の『ジェントルメン』。主演はマシュー・マコノヒー、ヒュー・グラントなど名優の競演である。これがもうお釣りがくる面白さだった。構成はよくできてるし、セリフもセンス

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5月某日。気づけばバタバタ

急ぎの仕事はないと悠長に構えていたのに、始まってみると真逆だった。朝から天神・博多駅のランチスポットのアンケート回答を送り、別件の校正ゲラを戻す。アンケートは昨日の締切を忘れていたもの、校正ゲラは自分なりに朝イチの予定でいたけど、気づけば正午をとうに過ぎていた。アンケートはついつい時間をかけて真剣に書いてしまう。ライターの性分だから仕方ない。

ゲラの戻しは校閲さんからの赤字を参考にしつつ、文末に

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5月某日。糸島へ

広報誌制作のためクライアントさんの元へ。10人ほどの方々に軽めのインタビューをする。1時間ほど対話するみっちりインタビューも好きだけれど、限られた時間内でテンポよく話のキャッチボールをするのもライターとしては楽しい作業なのである。タレントさんや会社経営者の方々はお喋りが上手だけれど、大方はそうではない。私はどちらのインタビューも好んでやりたいほう。後者の場合は特に、相手が気持ちよく答えてくれるよう

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5月某日。曇り。志賀島へ下見に

取材の下見に志賀島へ。博多湾に浮かぶ島だが、島といっても市街地とは砂州で繋がっている。海を分かつように伸びる道を車で走ると、視界の左右から波が打ち寄せる。ラジオではもうすぐ福岡も梅雨入しそうだと言っていた。

私の志賀島の思い出といったら自転車。うんと若いとき友人に誘われて20kmほど離れた自宅からママチャリをこいで向かったことがある。9月とはいえ夏本番の暑さを感じる日曜日だった。時間を持て余して

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