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コーヒーと音楽 Vol.72

DON DRUMMOND - The Best Of Don Drummond

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蒸し暑くなってきました。この季節がやってくると同時に聴きたくなる音楽は間違いなくSkaです。それも昔の。そしてレコードで。

今回の「コーヒーと音楽」で紹介するのは、ジャマイカ生まれのトロンボーン奏者 Don Drummond。彼はSkaを代表するバンド The Skatalitesのオリジナル・メンバーです。

↓このベスト・アルバムの中で特にこのEastern Standard Timeの明るいメロディーが好きです。

↓SIDE 1の1曲目は美空ひばりさんのりんご追分のカヴァー。

ずっと気になっていたことがあります。それは、美空ひばりさんのりんご追分がなぜカヴァーされたかということ。おそらく誰しもがこのカヴァーを聴くと不思議に思うはずです。

美空ひばりさんのりんご追分がリリースされたのは1952年

ネットで検索してみると、中村とうようさんと竹中労さんが南米を旅行した際にThe Skatalitesに音源が渡ってカヴァーされたという記事がヒットします。

しかしながら、気になります。中村さんと竹中さんが南米旅行したのはいつだったのでしょうか。

またまた検索してみると、中村さんと竹中さんがキューバ訪問した際に美空ひばりさんの音源を持参したという記事が出てきます。でも、これは1967年の話。

↓Wikipediaの情報でも竹中さんがキューバなどを訪問しはじめたのは1965年あたりからとあります。

↓Discogsで調べてみると、The SkatalitesがRingoをシングルでリリースしたのは1964年とあります。

気になる。もう少し調べてみると、

↓このスレッドにある書き込みには、Arthur LymanのバージョンからThe Skatalitesは知ったのではとあります。

Arthur LymanTabooRingo Oiwakeは収録されています。このアルバムがリリースされたのは、1958年

一次情報源があればハッキリするのですが、ネットでちらっと検索する限りではわかりませんでした。

もしかしたらArthur Lymanの音源経由かもしれないし、中村さんと竹中さんがきっかけなのかもしれないし。

日本国政府は1964年3月にジャマイカとの正式な国交を樹立しているので、双方の国の交流がある中で、The Skatalitesがこの曲を知ってカヴァーしたと考えることもできます。

あともうひとつ興味深いのは、The SkatalitesがRingoをリリースしたTuneico Records(Top Deck Recordsの傘下)を運営していたのが、中国系ジャマイカ人のPhilip "Justin" Yapだったということ。

もしかしたらアジア系移民のバックグラウンドでなんらかの音楽の共有があったとも考えられます。

なぁんて想像しているうちが楽しいですよね。久しぶりに、中村とうようさんの「大衆音楽の真実」を読み返してみようと思いました。

ということで話は脱線してしまいましたが、音楽を聴きながら、その背景に想い馳せること大好きです。

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↓日に日に、大事に大事に育てているコーヒーノキに新緑が増えてきました。美しい艶のある葉っぱです。

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水曜日、この天気はあとからどっと疲れが来るパターン。ぼちぼちいきましょう。

皆さん、良い1日を!

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6月9日 滝沢馬琴(1767 - 1848)この日生まれた江戸の小説家。山東京伝に師事、勧善懲悪主義により雅俗折衷の文で読本を作る。「椿説弓張月」「南総里見八犬伝」

 いにしえの人いわずや、禍福はあざなう繩のごとし。人間万事徃くとして、塞翁が馬ならぬはなし。その福(さいわい)の倚る所、はた禍の伏する所、彼にあれば此にあり、とは思えどもかねてより、誰かよくその極を知らん。憐むべし犬塚信乃は、親の遺言、紀(かたみ)の名刀、心に占つ、身に伝つ、艱苦の中に年をへて、得がたき時を得てしかば、はるばる滸我へもたらして、名をあげ、家を興すべかりし、その福は禍と、ふりかわりたる村雨の、刃は旧の物ならで、わが身をつんざく讐とぞなりし、憾をここに釈くよしもなく・・・そこに必死をきわめたる、心の中はいかなりけん。(南総里見八犬伝) 

 桑原武夫 「一日一言」(岩波新書)より


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