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コーヒー豆 片手鍋 自家焙煎の記録 Vol.61

BRAZIL TOMIO FUKUDA BOURBON AMARELO

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昨日の朝は白い靄で包まれていました。いつだったか朝に散歩している時、同じ白い靄の中を不安な気持ちで歩いたことを思い出しました。靄の中では一寸先の道さえ見えなかったんです。でも今は心の中に道を描ける。

そういえばいつの間にか朝の散歩もしなくなっています。あんなに毎朝4時に目が覚めて散歩していたのに。布団の中の温もりに起きるギリギリまで包まれていたくなったからかな。目覚めると隣にいるコーヒーノキを見つめてからゆっくりと起き上がるのが日課となっています。

越冬の準備をしたコーヒーノキ。春が来るのをじっと待っています。

さて、今回の焙煎の記録を見ていきましょう。

日:2020年10月31日(土曜日)13.1℃ 湿度:59% くもり 予熱:60℃→投入後41℃
豆:ブラジル Tomio Fukuda Bourbon Amarelo (生豆本舗)
生豆の重さ:200g
焙煎後の重さ:169g
1ハゼ:7:40(177℃)
消火:12:00(222℃)
煎り上げ:14:00
色:シティ
<感想>

今回は焙煎途中でデジタル温度計の調子が悪くなりました。1ハゼの温度もいつもより低く出ました。片手鍋の温度計は目安としては参考になるけれど、過信することはやめておこう。

焙煎はシティを狙うことが多いのですが、片手鍋焙煎だと1ハゼから大体4分くらいでシティの焙煎度に仕上がることが多い印象です。

味の方は、とってもおいしかったですよ。ほんのりやわらかい甘みがあって香ばしさがあって。今回の生豆はブラジルはセラード地域(ブラジル高原に広がるサバンナ=アフリカ・南アメリカなどの熱帯・亜熱帯の草原地帯)にある、日系のトミオ・フクダ氏が運営するバウ農園で作られました。

↓黄色の包囲網がブラジルのセラード地域となります。

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↓セラード地域は、カンポ・セハード(Campo Cerrado)とも呼ばれているようです。カンポとはポルトガル語で「畑・草原」、「セハード」はブラジルポルトガル語で「閉ざされた」(英語の"Closed"に相当)という意味だそうです。閉ざされた草原。耕作には不向きとされてきた土地です。

↓セラード地域のパトスデミナスという都市近隣で、今回の豆は栽培されているとのことです。地図上ではこのあたり。サンパウロから約10時間北上したところにあります。

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↓もう少し広範囲の地図だとこの辺です。

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↓このようなところでコーヒー農園を切り盛りしている人物が、トミオ・フクダさんです。トミオさんについては土居コーヒーさんのインタビューサイトがとても参考になります。

上記のインタビュー、すごく示唆に富んだ言葉が並んでいます。

-コーヒー農園を運営してきたなかで失敗談があれば、教えてください。
当初、コーヒーを作ることの目的を、はきちがえていたことです。コーヒー農園をはじめたころは、とにかく自分の力を見せつけたかった。どのコーヒー農園よりも品質の高いコーヒーを育ててやる。自分にはそうした力があると考え、自分の持っている知識をたたきつけながらコーヒーの樹を育てていました。努力も人一倍していましたから。しかし、やっているうちに、これは違うということがわかってきたのです。
-どういうことでしょう?
コーヒーを飲む人は、わたしの腕自慢を見せつけられたいわけではないということです。コーヒーを飲む人は何を求めているか?それは、おいしいコーヒーが飲みたいということです。では、おいしいコーヒーというのは、どうやって出来上がるのかと言えば、「自然の力」が作り出すのです。人間ひとりの力なんて、たかがしれています。

謙虚な姿勢って大事だなと思います。そして本質は何なのかを考えることも。植物であるコーヒーノキから収穫されるコーヒー豆。大地の恩恵を忘れないこと。

↓ブラジルのセラードにおける農業開発には日本も深く関わってきたことがわかります。そんな土地のコーヒー豆を飲んでいるんです。

コーヒーの焙煎をはじめなければ知らなかったこと、知らずにいたことがたくさんあります。調べるとそこには必ず何かしらのつながりがあります。

1杯のコーヒーから少しずつ自分の世界が広がります。想いを馳せながら飲むコーヒーは深い味わいです。

↓焙煎したこの日は満月の日でした。コーヒー豆を空に向かってお供えしました。

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金曜日。みなさんお疲れ様です。ホッとコーヒーが飲んで、今日も良い日になりますように!

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