シアターキノ

札幌のミニシアター「シアターキノ」スタッフが、上映作品に関することやその他映画に関する…

シアターキノ

札幌のミニシアター「シアターキノ」スタッフが、上映作品に関することやその他映画に関する様々なこと書いていきます。 ----- TEHATER KINO シアターキノ 札幌市中央区南3条西6丁目南3条グランドビル2階 TEL : 011-231-9355

マガジン

  • キノを訪れた人々

    シアターキノには日々映画監督をはじめ、多くの方訪れます。そんなシアターキノに訪れた皆さんに同じアンケートに答えていただきました。

最近の記事

ひとりひとり顔のある人生に、そして寄添いに~「ラジオ下神白」

徒然に 617 本日のKINOフライデーシネマvol.216 は 【ラジオ下神白】 (ラジオしもかじろ と言います)の上映です。 8/2(金)18:50(終19:07) いわき市ににある福島県復興公営住宅 下神白団地には 2011年の東京電力第一原子力発電所事故によって 浪江・双葉・大熊・冨岡町から避難してきた人たちが暮らしています。 2016年から、まちの思い出と、当時のなじみ深い曲について 話を伺い、それをラジオ番組風のCDとして届けてきたプロジェクト「ラジオ下神白」

    • 人はみな、内側に2匹の狼を抱えています~「関心領域」8月9日迄延長決定

      徒然に 616 映画はある男と妻と家族のドラマだ。 彼らは自然に囲まれ幸せに暮らしているが、ある時、夫は別の場所に異動するかもしれないと言い出し、妻は自分が丹精込めて作ってきた生活を失うのではないかとショックを受け、 夫婦生活に亀裂がはいりそうになる。 しかし、一度家を出たはずの男は家に戻り、家族と共に暮らすことになる。 ハッピーエンド。 「ひとつ言い忘れていた。 彼はナチスのアウシュヴィッツ強制収容所所長だということ」                    (ジョナサン

      • お父さんから娘への誕生日プレゼント

        徒然に 615 先日、まだ若いお父さんでしたがビンテージ会員の申し込をされていて、 「娘の誕生日に毎年贈ってるんです」とちょっと照れながらお話して下さった。 こんなお誕生日プレゼント、うらやましいですね。 お父さんは娘さんと一緒に映画を見に来ることもあるでしょうね、 そんな嬉しそうな光景を想像するだけで幸せな気持ちになりました。 受付さんは「私にもこんなお父さんが欲しい!」と、 ずいぶんお父さんの株が上がりました(笑) 只今2024年度KINO会員の申し込み締め切りは7月

        • ようやく完成!お待たせしました。

          徒然に 614  ●ようやく完成!のおしらせ 昨年のサポーター、クラウドファンディングでは大変ありがとうございました。 支援いただきましたみなさんのおかげでデジタルシステムの更新ができ、 現在も上映することが出来ています。 深い感謝の気持ちを込めて、お名前を出して構わないとご確認いただきました皆さんの お名前入りポスターが ようやく完成、展示いたしました。(カフェ側の入り口です) 初心を忘れずに世界中の多様な作品たちをこれからも上映してゆきます。 どうぞよろしくお願いいたし

        ひとりひとり顔のある人生に、そして寄添いに~「ラジオ下神白」

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        • キノを訪れた人々
          46本

        記事

          ヒトラーが生きていた!?「お隣さんはヒトラー?」明日26日公開

          ヒトラーが生きていた!?明日7/26(金)~公開の「お隣さんはヒトラー?」はヒトラーの南米逃亡説をモチーフに、新しい展開をみせる、ちょっとコメディサスペンス。ホロコーストを生き延び、南米コロンビアで穏やかに過ごしていた主人公は、ある日隣に引っ越してきた男が、ヒトラーにそっくりで、大使館まで出向いて訴えるも、当然ながら信じてもらえない。そこで証拠を捕まえようと、カメラで監視するようになるが・・・ なぜ似ているのか、もちろん理由の解明はあるので安心して、展開をお楽しみいただきた

          ヒトラーが生きていた!?「お隣さんはヒトラー?」明日26日公開

          32歳になったキノ~ことこつと、ときをためて

          徒然に 613 先日配給会社の方とお話をしていて、「札幌って地元の映画館はキノだけになっちゃったね」という言葉に、今まで考えてみたことなかったことに、 我ながら驚いてしまいました。 この方はキノが誕生した頃からのお付き合いだったので、 1992年7月4日~2024年、いま32歳になったキノは 「ひょっとして札幌の老舗ミニシアター?」という言葉にまたまた驚いてしまって。 当時札幌には地元の大きな映画館がたくさんあって、 狸小路だけでも1丁目から6丁目まで 歴史ある風格の、

          32歳になったキノ~ことこつと、ときをためて

          映画の魅力に溢れた「墓泥棒と失われた女神」公開

          明日20(土)~公開になるのは、夢や幻想にギリシャ悲劇、民間伝承から考古学、でもってロマンチックという、映画のありとあらゆる映画の魅力に溢れた「墓泥棒と失われた女神」です。  まず、電車の座席で眠っている主人公(ジョシュ・オコーナー)から始まるのが、もうそれなんですね。夢を見ているのでしょう。この彼は昔の墓をなぜか発見できる特殊な能力を持っていて、墓泥棒の仲間と掘り出した埋蔵品を売りさばいて日銭を稼いでいる。  その墓というのは、紀元前のイタリア中部で高度な文明を築いていた

          映画の魅力に溢れた「墓泥棒と失われた女神」公開

          この夏、キノの映画たち~ロビーでは

          徒然に 612 連日の暑さ、でも今日は少し小休止で過ごしやすい1日になりそうですね、 明日からちょっと変わった「こんな映画好き」って 言ってもらえそうな「墓泥棒と失われた女神」がはじまったり、 「クレオの夏休み」では場内は6歳の少女クレオとグロリアの別れに涙が・・そんな可愛らしいクレオのバナーが届いたり、 連日お昼の回はたくさんの皆さんに来ていただいている 「大いなる不在」では廊下の展示を見ながら 観終わったお客さまがいろんなお話をお友達としていたり。 この作品は藤竜也

          この夏、キノの映画たち~ロビーでは

          ずっと愛してるからね、忘れないで~「クレオの夏休み」

          徒然に601-1 「クレオの夏休み」始まりました。 この映画と出会えてよかった。お客さまと一緒に しみじみしてしまうくらい、気持ちが良くて、 今日はそんな1日の始まりでした。 小さな少女のころんとした指先が宙を泳いであそんでいたり 大きな瞳が笑ったり、戸惑ったり、怒ったり、 そんな表情の変化に私たちも一緒になって笑ったり、はらはらしたり、 悲しんだり、安堵したり、 いつの時代も私たちの心をつかんで離さない、 幼い少女の無垢のまなざしに、 この夏は、そんな少女たちに魅了さ

          ずっと愛してるからね、忘れないで~「クレオの夏休み」

          繊細で可愛い「クレオの夏休み」公開始まりました

          ゲストトークラッシュがやっと終わり、紹介が遅れていましたが、とっても繊細でチャーミングな作品「クレオの夏休み」が本日より公開になりました。  父親とパリで暮らすクレオは、いつもそばにいてくれるナニー(乳母)のグロリアが大好き。お互いに母と娘のように想い合っていましたが、グロリアが西アフリカのカーボベルデへ帰ることになり、クレオはどうしてもそれを受け入れることができません。父は、夏休みの間だけと、クレオをグロリアと家族が住むアフリカの家に一人で行くことに。そして・・・  クレオ

          繊細で可愛い「クレオの夏休み」公開始まりました

          緊急特別上映&パレスチナ対談「医学生 ガザへ行く」7月26日

          緊急特別上映のお知らせです。 「医学生 ガザに行く」上映&対談 7月26日(金)18時台予定  ●上映後の対談は 猫塚義夫さん(「北海道パレスチナ医療奉仕団」 勤医協札幌整形外科医)  関根健次さん (ユナイテッドピープル代表) 何度もパレスチナを訪れ、今年はガザには無理でも 医療応援団を引き連れ西岸地区に入った猫塚義夫さんに 現在の状況をお話しいただき、 このドキュメンタリーを輸入配給するウナイテッドピープル代表の関根

          緊急特別上映&パレスチナ対談「医学生 ガザへ行く」7月26日

          「関心領域」をより深く観るために

          「関心領域」の上映がキノでも始まっている。ぜひ見てほしい作品だが、パンフレットに興味深い論考を書いている、原作の翻訳監修もやっている田野大輔教授が、朝日新聞デジタルでのロングインタビューに答えていて、それが大変重要な論考になっているので、ポイントを紹介しておきたい。ネタバレ程度で半減するようなヤワな作品ではないので、安心してお読みください。  ★主人公のアウシュビッツ収容所所長でナチ親衛隊幹部だったヘスは、木を傷つけないように部下に命令したり、馬に優しくねぎらいの言葉をかけた

          「関心領域」をより深く観るために

          1992~2023 にかけてシアターキノの総上映リスト~ひとつひとつ映画には顔があってキノの宝もの

          徒然に600 夏の北海道は旅気分で人気ですね。 キノで映画をご覧の方も「東京から来たんです」という方や金沢、大分からという方、 「出張だったので夕方からは映画を観て三昧しています」というかたなど、 そんな皆さんがキノのロビーをぐるぐると、いろんな壁面にサインがあったりしますので、会話が弾んでいるようです。 昨日は「これはすごい!」とおっしゃっていただいた方がおふたり。 1992~2023年まで、キノの31年分の上映総リストを展示していて、 「これ欲しい」と言っていただいた

          1992~2023 にかけてシアターキノの総上映リスト~ひとつひとつ映画には顔があってキノの宝もの

          キノ32周年記念 昨年好評だった「映画を読もう!映画古本市」は7月1日~開催

          徒然に 599 お客さまから素敵な想い出パンフレットが届けられました。 ●トラン・アン・ユン監督の長編デビュー作 「青いパパイヤの香り」(1993) ●シネマライズ上映時の永遠の大ヒット作「アメリ」(2001) ●とってもかわいい北欧を意識したパッケージと おいしいクロワッサン、「かもめ食堂」(2005) どれもキノの大ヒット作です。 「青いパパイヤの香り」はキノが1992年7月4日誕生してから 2年後くらいの公開だったので、 まだよちよち歩きのキノが多くの皆さん

          キノ32周年記念 昨年好評だった「映画を読もう!映画古本市」は7月1日~開催

          モノクロームのざわめき~「Opus」

          徒然に598 「Ryuichi Sakamoto Opus」上映が始まっています。 暗闇の中でスポットが当たる1台のピアノと音楽家がひとり。 長く愛用のピアノだという。 子どもの頃、青年だったとき、中年にさしかかってきたころ、 若くはないがまだまだやりたいことがある、そのころ、 老いと病いと共に生きることを選んだとき、 自分には時間がないことを悟ったとき、 人はどんな人生を生きることを選ぶのだろう、 そんなことを思いながらずっと音楽家の指先を見つめ、 ピアノに向かう後ろ姿に。

          モノクロームのざわめき~「Opus」

          「でも行きつくところ、生き方の問題なのではないだろうか」と金平さん。

          徒然に 594 6月15日は「ヤジと民主主義」アンコール上映で山崎監督と金平茂紀さんのジャーナリスト対談が実現。 現在日本が抱える問題をメディアの視点で、 大きな問題点をもとにお話されました。 「でも行きつくところ、生き方の問題なのではないだろうか」と金平さん。 強いもの、多数派にくっついていると安心、脅かされない。 そういう人たちが多い。 でもそういう強いものに対してチェックしていかなければならないと思えること、 権力を監視すること 少数派であることを恐れない 多

          「でも行きつくところ、生き方の問題なのではないだろうか」と金平さん。