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32歳になったキノ~ことこつと、ときをためて

徒然に 613

先日配給会社の方とお話をしていて、「札幌って地元の映画館はキノだけになっちゃったね」という言葉に、今まで考えてみたことなかったことに、
我ながら驚いてしまいました。
この方はキノが誕生した頃からのお付き合いだったので、

1992年7月4日~2024年、いま32歳になったキノは
「ひょっとして札幌の老舗ミニシアター?」という言葉にまたまた驚いてしまって。

当時札幌には地元の大きな映画館がたくさんあって、
狸小路だけでも1丁目から6丁目まで
歴史ある風格の、映画の黄金期と言われる時代からの映画館さんたちでした。

「○○」の映画を見るのはここで、あそこでは「○○」の映画を、というように
映画館で上映する作品がそれぞれでしたので
時間をチェックして狸小路を行ったり来たり、はしごする方も多かったのでは?

いまは大手シネコンさんで何作品も上映されているので走り回らなくても大丈夫。
私たちのミニシアターも、これは全国的なっていますが
時間によってさまざまな作品を上映しているので
「今日は映画の日」と自分で決めれば楽しくスケジュールが組めたりしますね、
キノの場合は週末になると道内遠いところからもいらして映画三昧されたりします。

でも行ったり来たりしながらのそんな時間もやっぱり捨てがたく
思いのほか豊かな時間になったりもします。

映画の合間は狸小路を歩くと観光客の方が多いので
どこか無国籍風な世界を感じて、日常感がなかったりすることも、
映画の余韻のようで魅力かもしれませんね。

●今日は月に1回 「人生フルーツ」の日。17:05~

ロビーでは英子さんと修一さんの
「ききがたり ときをためる暮らし」という
本を置いているのですが
ロードショーからですのでもう何年も、映画と本はセットのように。
映画のなかの英子さんと修一さんはまるでキノとって家族のような存在になってきました。

こつこつ、ゆっくり、人生が紡がれる、
ときをためる暮らし。
その豊かさに、心がほっとします。



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