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繊細で可愛い「クレオの夏休み」公開始まりました

ゲストトークラッシュがやっと終わり、紹介が遅れていましたが、とっても繊細でチャーミングな作品「クレオの夏休み」が本日より公開になりました。
 父親とパリで暮らすクレオは、いつもそばにいてくれるナニー(乳母)のグロリアが大好き。お互いに母と娘のように想い合っていましたが、グロリアが西アフリカのカーボベルデへ帰ることになり、クレオはどうしてもそれを受け入れることができません。父は、夏休みの間だけと、クレオをグロリアと家族が住むアフリカの家に一人で行くことに。そして・・・
 クレオ役のルイーズは、撮影当時なんと5歳半、公園で遊んでいた姿が偶然、スタッフの目に留まり、オーディションに参加して、出演することになりますが、天才というしかないような、素晴らしい演技を見せます。今年の春に横浜フランス映画祭に8歳で来日してのはじめてのインタビューがパンフレットに載っているのですが、めちゃしっかりとした答えで最後には、「将来は学校の先生、お医者さん、映画監督、俳優のどれかになりたい」と、監督がとっても嬉しい!と、なんかその情景が伝わってきますね。
 その監督も、子ども時代にナニーに育てられたので、血のつながりではない深い愛を描きたかったと語っています。プロデューサーが「燃ゆる女の肖像」はじめ、セリーヌ・シアマ監督の全作を製作していて、主要なスタッフが全て女性とのこと。ネタバレになるので語りませんが、カーボベルデでの後半の重要なシーンは、スタッフ全員が女性で、ルイーズが安心して演技に集中できたと語っています。


 ナニーのグロリア役のイルサも、実際にカーボデルデ出身で、フランスにわたりナニーの仕事をしていて、同じく演技が初の経験。だからなのか、本当にこの二人に深い絆があることがとってもナチュラルに伝わってきます。
 そして、植民地であったこの島と、ヨーロッパとの経済格差なども背景として、しっかりと描かれています。決して大作とは言えないけど、このような繊細に人と人の関係を、背景と共に共感をもって描き出す作品が、私はとっても好きなのだと、あらためて思うのです。


 

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