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ダーレン・アロノフスキー「レクイエム・フォー・ドリーム」

成功と栄光、愛、あるいは夢を求めて陥る急降下。絶望と虚無で作られた落ちることしか知らないジェットコースター。
筋書きは恐ろしく、映像はセンセーショナルで目まぐるしい。落ち着く暇もないことは彼らが一瞬一瞬の快楽に浸りながらどこまでも破滅していく姿と重なる。
まさに瞬間瞬間の刺激が人を狂わせる。あるものは身体を、あるものは心を、あるものは精神を蝕まれていく。
一欠片の希望こそが人をおかしくさせている。金儲けの可能性、テレビ出演の可能性、親から自由になる可能性。可能性、可能性、可能性!
薄暗く、毒々しく、痛々しいキャメラ、演出、編集、音楽。神経に触るとはこういうことだとアロノフスキーは叩きつける。
強烈。
急降下していく映画はラストに直滑降するかのようだ。終盤のとてつもない畳み掛け。カットバック、カットバック、カットバック!あまりの悲惨さに目を背けたくなる。
しかし逃れられない。その悲惨さは、もしかしたら見るもののすぐそばにあるかもしれない破滅だからだ。
ありきたりでつまらない日常と家族に別れを告げて、成功と栄光、あるいは愛、夢を求めた瞬間からこのジェットコースターは始まっている。
レスト・イン・ピース。落ちきってこれ以上どうしようもならないところで物語は終わる。夢の破滅の先にまだ夢を見る人間たちのあまりの悲劇が終幕する。

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