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再考「ありがとうもごめんなさいもいらない森の民」第一部 脱!現代日本社会、文化人類学者奥野克巳氏、旅立つ!の巻
去年の今頃書いた記事だったか、こちらの本を読みかけの時チラリと紹介したことがある。
「ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと」奥野克巳著
読み終わりブックオフにて買い取ってもらおうとしたが、染みで値段がつかず家に持ち帰った。今、SNSにて縄文や原日本人的魂を取り戻そうというムーブメントが起きているように見えるので、こちらの本をがっつり引用紹介させてもらおうと思う。こちらはインドネシアのプナン族の下でフィールドワークを行った文化人類学者奥野克巳氏の体験と考察である。
ぼくは縄文人の暮らしと精神性いうものは現代からはなかなかわからないと思うけど現存する狩猟民族の暮らしと精神性からその一端を想像することは出来ると思うのだ。
それでは行ってみましょう♪
レッツ・ゴートゥ縄文時代〜!!💫💫💫💫💫
大学生時代に海外を周り最後にメキシコの先住民の村に一ヶ月間滞在した後、日本に帰国した奥野氏。そこで見た日本の社会。自分自身が行っていること、日本で行われていることが、何もかもが虚しく感じられるようになった。本を読んでもテレビを見ていても言葉や音が自分の中に入ってこなかった。電車に乗ってふと見ると乗客に顔がないことがあった。ちょうどなにかの選挙期間中、選挙カーのがなり声を聴きながら奥野氏は思う。議会制民主主義とは何なのか。議員たちが話し合って道路や橋が作られ公民ホールが作られ催し物が行われ私達が生きていくうえで必要なことが決められるとは一体どういうことなのか。
目の前に行われることを真に受けるのではなく外側から見てその枠組が気になりだした。学校とはそもそも何のためにあるのか。毎朝ぎゅうぎゅう詰めの満員電車に乗って会社に行き、そこで金を稼ぎそれでもってものやサービスを買う。頭の中で考え続けるとそうしたことに対する懐疑主義が奥野氏の頭の中で膨らんでいった。「私自身がなぜここにいてこんなことをしているのかを疑う気持ちだった。」
海外から戻った奥野氏の気付き。
学校や会社、社会で行われる自我の押し付け(他我の押し付け、心理学者フロイドは超自我と呼ぶ)。
「私自身がなぜここにいてこんなことをしているのかを疑う気持ちだった。」
奥野氏の自我がゆらぎ始め奥底の魂の呼び声が聴こえてきたようである。
奥野氏はその後会社勤めを経て大学院生となり、文化人類学に辿り着きシャーマニズムや呪術の研究をインドネシアで行うが、日本社会における自分自身の在り方、行動と思考を疑うことが頭から離れなかった。
現代社会の私達の周りで進行する諸課題の底の部分には世界に囚われたかのような思い込みと言っていいほどの前提があるのではないか。それは生きていくために働かなくてはならないといった条件であったり、働くことが目的化して働くことの中に発生する課題に向き合わなければならないという思い込みであったりする。また、国家という前提があって所得に応じて税金を払わなければいけない仕組みが常識としてあって困ったことがあったら国家が助けてくれるはずだと考えていたり実際に国家や政府にこうしてくれああしてくれとああしてほしいと願ったりすることである。
私達がそうしなければならない、そうなっていると思い込んでいる習慣や一般常識こそが実は問題そのものを複雑化させているのではないか。通念から身を翻したり世を統べる法に対して無関係な位置に至ることはできないだろうか。
思い込みのような前提がないか極小化されている場所から私自身の思考と行動の自明性を照らし出してみる事は出来ないだろうか。そんなところに出かけていって人間の根源的なやり方や考え方について考えてみることは出来ないだろうか。
「そんなところに出かけていって人間の根源的なやり方や考え方について考えてみることは出来ないだろうか。」
現代社会で成長するに従って「私」という自我が形成され家族的社会的に《男らしくあらねばならないとか逆に女らしくあらねばならない、大人らしく、社会人としてこうあらねばならない》というような自我を心理学者フロイドは超自我と呼んだが大学を出てからの奥野氏はこの《超自我》に対して疑問を持ち行動に出た。
インドネシアのプナン民族の下で暮らし始めるのだ。
そこは本のタイトルにあるようにありがとうもごめんなさいという言葉もなく反省もない自己と他者の境目の薄い自我の弱い社会だったのだ。
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第二部へ続く。
ナマステ✨
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