【ショートショート】初夜のピロートーク

　Ｌ、行為のあとのうたた寝から目覚める。隣のＲを見つめていると、Ｒも重たそうなまぶたをうっすらと持ち上げる。

Ｒ「……どうしたの？」

Ｌ「……なんか、思ってたのと違った。体が結ばれたら、あなたの頭の中も見えると思ったのに……今のうたた寝で夢さえ見なかった」

Ｒ「じゃあ、想像して」

　ＲはＬに近づき、おでことおでこをくっつける。２人とも目をつぶる。

Ｒ「見えたことを教えて」

Ｌ「うん……いつもの浜辺……２人とも制服を着て、手をつないで歩いてる……一緒に海に駆けだすと、いつのまにか裸になってるの……海に入る……２人とも人魚になってて、ずっと水中を泳ぎ回る……気づいたら、２人の下半身が一体になってて、頭が２つある魚みたい……泳ぎ疲れて海から上がると別々になって、足も元通りになってる……砂浜で並んで寝てたら、人間と同じくらいの大きな犬が来て、私の隣であなたを犯す……あなたは眠り続けている……私はその様子をそばで見てるだけなの……犬が満足して去っていくと、あなたは目を覚まして、私に向かって微笑んで『気持ちかった』って言って、また寝てしまう……いきなり私に男のイチモツがはえてきて、あなたにまたがったら『いらないよ』ってあなたは言って、それをハサミで切り取って海に投げたの……私は嬉しくて、あなたに抱きついて一瞬に寝るの」

　Ｌが目を開けてＲを見ると、すやすやと寝息を立てている。Ｌは体を近くに寄せ、ふっくらとした互いの胸を密着させて、Ｒの耳元で囁いた。

「ありがとう」

（了）

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