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Twitterもやっております(https://twitter.com/tera_yoi) フォローはお返し致します。 1つ1つの物語を考えるのは本当に大変だけど、やっぱりモノを書くって楽しい。 そのうえで人を楽しませられるなら、なおさら素晴らしい。

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  • 東京大空襲

    私の大叔母の実体験を基に、書きました。 一人でも多くの人に、考えてもらいたいです。 そして、忘れないでもらいたい。 それだけです。

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東京大空襲 (あとがき)

私は今、横浜のとある老人ホームでお世話になっております。 体がうまく動かせず、ベッドから起き上がるのも一苦労です。 介護士の方々には、毎日のようにご迷惑をお掛けしております。 周りの、まだ比較的若い入居者の方々にも、お世話になっております。 体はもう十分に動かせなくなりましたが、五体満足です。 子供にも、孫にも恵まれ、幸せな人生を送ることができた。 心から、そう思っております。 家族も、たまにですが、お見舞いに来てくれます。 特に病を患わっているわけではないですが、お見

    • 戦争 ”あらゆる犠牲”(十話)

      皆様、お早うございます。 今日は、日曜日ですね。 週末は、気分が上向きますね。 私は特に予定はないので、自由にモノを書きたいと思います。 皆様は、「月月火水木金金」という表現をご存知ですか? 戦時中に、おそらく大本営が考え出した表現です。 御国の為に、働き続けろ。 そういう意味を持った表現です。 当時は、文字通り休みなど無い状態でした。 「休みたい」などと言えない状況でした。 「疲れた」などと言ったりすれば、「国賊」として扱われました。 「表現の自由」など、あり得な

      • 戦争 ”あらゆる犠牲”(九話)

        私の祖父母は、戦争を経験した人間です。 たまに帰省してゆっくり話してると、その話が出ることがあります。 そこは、もう人もそんなに残ってない過疎地です。 1940年代でさえ、人が多くはなかった場所。 そう、祖母から聞いています。 それでも、幾度となく警報が鳴ったと聞きました。 東京に向かう爆撃機。 その通過点にあった場所だから、だそうです。 昼でも、夜でも、際限なく警報は鳴った。 そう、言っていました。 だから夜寝るときは、必要物資を枕元に置いていたらしいです。 いつで

        • 戦争 ”あらゆる犠牲”(八話)

          今の世の中は、とても幸せになりました。 私は胃腸も弱くなり、もうあまり食べものが喉を通りません。 しかし、毎日三食摂ることができています。 私がまだ子供であった頃を思い出すと、この奇跡が信じられません。 毎日、一食でさえ満足に摂れない日が続きました。 一番の御馳走は、兄が田んぼで取ってきたウシガエル。 家族みんな、喜んで食べていました。 現代では、考えられないことです。 兄は、学徒であった頃から、ウシガエルを取って売っておりました。 蛇も高く売れていたので、休日は終日

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        東京大空襲 (あとがき)

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        • 東京大空襲
          5本

        記事

          戦争 ”あらゆる犠牲”(七話)

          消防士の方に話を聞いたことがあります。 火事の現場に着くとすぐにわかるそうです。 犠牲者がいる、と。 途端に、悲しくなるそうです。 消火するのが、怖くなるそうです。 だって、火を消したら、見えてしまう。 焼かれて亡くなった方々が。 なぜ、彼らが火を消す前から分かるのか。 単純な理由です。 「焼肉のような匂いがするから」だそうです。 人の肉が焼ける匂い。 肉が焼けることに、牛も、豚も、人も変わらないのです。 現代でも、犠牲者は多数出ています。 故意の犯罪、偶然の不始

          戦争 ”あらゆる犠牲”(七話)

          戦争 ”あらゆる犠牲”(六話)

          両腕が、思うように動かない。 箸を握ることすら、ままならない。 文字など、書けるはずもない。 我が子を抱くことすら、できなくなった。 あの雨のせいか? あの雨の、せいなのか? 爆発はなんとか免れたが、あの雨にあたってしまった。 未だに、鮮明に覚えている。 全身が黒く濡れた、あの時を。 すぐに川に飛び込んだが、濡れた時点で私の命運は決まっていた。 我が子が屋内にいたことが、私の唯一の救いだった。 あの子が、あんなに幼い子供が、犠牲になってはいけない。 これからこの国

          戦争 ”あらゆる犠牲”(六話)

          戦争 ”あらゆる犠牲”(五話)

          東京大空襲。 私の大叔母は、それを経験しました。 爆発音、断末魔、そして、死臭。 その真っ只中を、彼女は走りました。 後ろを振り返る余裕など、無い。 大人の叫び声に反応する余裕も、無い。 泣き叫ぶ子供を助ける余裕も、無い。 自らの命を、優先しなければならない。 爆弾が直撃して、一瞬にして亡くなった方。 火炎に巻き込まれ、声にならぬ助けを叫びながら亡くなった方。 煙に包囲され、息のできない苦しみの中で亡くなった方。 何もかもを、後ろに置き去って、走りました

          戦争 ”あらゆる犠牲”(五話)

          戦争 ”あらゆる犠牲”(四話)

          『地獄絵図』 貴方はこの言葉を聞いて、どんな光景を思い浮かべますか? 人それぞれ、ですよね。 鬼を、想像しますか? 悪魔を、想像しますか? 連続殺人現場を、想像しますか? 色々と、あるかもしれません。 でも現実で見ることなんて、ほぼ無いでしょう。 私に、貴方に、そして特に、若い世代のみなさんにとって。 それを想像するのは、容易なことではない。 しかし私の大叔母は、実際に見たのです。 無差別殺人の、積み重なりを。 連続殺人の、究極の集合体を。 それは、一晩にして起

          戦争 ”あらゆる犠牲”(四話)

          戦争 ”あらゆる犠牲”(三話)

          米国で、10人殺害で、115年の懲役だと? ならば、あの憎き米兵はどうなのだ? 何か、刑罰を受けたのか? 私の愛した家族を、共に過ごした親類を、一緒に笑った友人を。 殺したあの鬼畜共は、今、何をしているのだ!? 許さぬ。 絶対に、許さぬ。 他人が許そうとも、法律が許そうとも、神が許そうとも。 私は、絶対に、許さぬ。 地の果てまで追いかけて、殺す。 あの鬼畜共の家族、親類、友人、関係者含めて全員殺す。 すぐには、死なせんぞ。 彼らの感じた恐怖と苦痛、それ

          戦争 ”あらゆる犠牲”(三話)

          戦争 ”あらゆる犠牲”(二話)

          「母ちゃん、オラ、死にだぐねぇ!!」 瓦礫に、挟まれた息子。 潰れた下半身の痛みに耐えながら、母親を呼びます。 火の手は、目の前にまで迫っています。 母親の力だけじゃ、どうしようもならない。 でも、周りに助けてくれる人もいない。 誰かがいたとしても、助けられる時間の余裕は無い。 泣き叫ぶ息子を置いて逃げる、母親の心境。 それが、どれほど辛いものか。 辛い、どころの話ではない。 これから一生、罪の意識に苛まれる。 「あの時、何かできなかったのか。」 自分

          戦争 ”あらゆる犠牲”(二話)

          戦争 ”あらゆる犠牲”(一話)

          お兄さんを持つ方々。 喧嘩するかも、しれませんね。 罵声を、浴びせ合うこともある。 二人とも興奮して、自分が何を言っているか分からない。 「お前なんか、死んじまえ!」 そんなことを言ってしまう時も、あるかもしれない。 後で謝ることができるなら、まだいいんです。 仲直りできるなら、まだいいんです。 でも、本当に死んでしまうかもしれない。 二度と顔を合わせることも、話すこともできなくなるかもしれない。 そんな時、貴方は彼に何と言えますか? 同じことを、言えま

          戦争 ”あらゆる犠牲”(一話)

          東京大空襲 (あらすじ)

          『地獄絵図』 貴方はこの言葉を聞いて、どんな光景を思い浮かべますか? 人それぞれ、ですよね。 鬼を、想像しますか? 悪魔を、想像しますか? 連続殺人現場を、想像しますか? 色々と、あるかもしれません。 でも現実で見ることなんて、ほぼ無いでしょう。 私に、貴方に、そして特に、若い世代のみなさんにとって。 それを想像するのは、容易なことではない。 しかし私の大叔母は、実際に見たのです。 無差別殺人の、積み重なりを。 連続殺人の、究極の集合体を。 それは、一晩にして起

          東京大空襲 (あらすじ)

          東京大空襲 (後編)

          翌朝、私は目覚めました。 否、眠ってはおりませんでした。 眠られるはずなど、ございませんでした。 気の遠くなるような、一晩でした。 プロペラの音が遠くに聞こえるだけで、飛び起きました。 人の叫び声と泣き声と断末魔が、絶えず続いておりました。 私は自分が生きていることを、はじめは信じられませんでした。 四肢が残っていることが、信じられませんでした。 昨晩見た、腕と脚が散らばる光景が、目に焼き付いていました。 何度も何度も、確認しました。 自分の腕と脚を、何度も触りました。

          東京大空襲 (後編)

          東京大空襲 (中編)

          私の周囲では、既に避難が始まっておりました。 否、「避難」などと呼べるものではありませんでした。 恐怖に混乱した者たちが、四方八方へと駆け出していただけです。 大人は、まだいいほうでした。 偶然、親から離れて行動していた子供たちは、無力です。 何が起こっているのかも分からず、立ち尽くしておりました。 その頭上からは、容赦なく爆弾が降り注ぎました。 男、女、大人、子供、何も関係ございません。 空襲とは、そういうものでした。 私の一町ほど先でうずくまっていた小さな少女。 彼

          東京大空襲 (中編)

          短い昔話 総集編 part 1

          白雪姫は、厳重な警備に守られておりました。 めでたし、めでたし おじいさんは、子供達と一緒に、亀をいじめました。 めでたし、めでたし 鶴は、自力で罠から抜け出しました。 めでたし、めでたし 白雪姫は、魔女からもらったリンゴを、近所におすそわけしました。 めでたし、めでたし シンデレラの掃除は、完璧でした。 めでたし、めでたし 「これ毒リンゴですよね?」 「いえいえ、新鮮なリンゴですよ。」 「じゃあ一緒に食べましょ。」 「どうぞ、どうぞ」 「いや」「そんな遠慮せずに

          短い昔話 総集編 part 1

          つぶやき part 27

          『菅義偉』ようやく辞めたか。 最後の最後まで引きずりやがって。 未練タラタラじゃねぇか。 素直に「腹痛い」っつって辞めりゃいいんだよ。 前回だってそうしただろ。 ま、そろそろ俺の時代だな。 ちょっと練習しておくか。 「責任を痛感しております。」 『アメリカ人』「暑いね」 「暑すぎ」 「なんか冷たいもの食べよ」 「かき氷?」 「腹にたまんない」 「うん、賛成」 「フライドチキンが食べたい」 「冷たくないじゃん」 「フライドチキンって冷やしたらどうなるの?」 「や

          つぶやき part 27