戦争 ”あらゆる犠牲”(七話)
消防士の方に話を聞いたことがあります。
火事の現場に着くとすぐにわかるそうです。
犠牲者がいる、と。
途端に、悲しくなるそうです。
消火するのが、怖くなるそうです。
だって、火を消したら、見えてしまう。
焼かれて亡くなった方々が。
なぜ、彼らが火を消す前から分かるのか。
単純な理由です。
「焼肉のような匂いがするから」だそうです。
人の肉が焼ける匂い。
肉が焼けることに、牛も、豚も、人も変わらないのです。
現代でも、犠牲者は多数出ています。
故意の犯罪、偶然の不始末。
この2つのケースに分けられます。
でも、昭和の時代にはもう一つのケースがありました。
故意ではあるものの、犯罪ではないのです。
正義の為に、人を燃やす、人を殺す。
それが当然の時代がありました。
今を生きる我々には、想像もできない世界です。
でも、そんな時代があったのです。
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