戦争 ”あらゆる犠牲”(二話)
「母ちゃん、オラ、死にだぐねぇ!!」
瓦礫に、挟まれた息子。
潰れた下半身の痛みに耐えながら、母親を呼びます。
火の手は、目の前にまで迫っています。
母親の力だけじゃ、どうしようもならない。
でも、周りに助けてくれる人もいない。
誰かがいたとしても、助けられる時間の余裕は無い。
泣き叫ぶ息子を置いて逃げる、母親の心境。
それが、どれほど辛いものか。
辛い、どころの話ではない。
これから一生、罪の意識に苛まれる。
「あの時、何かできなかったのか。」
自分が死ぬその時まで、自分を責め続ける。
彼女の、心境。
本人じゃないから勿論分からないけど、少しだけ、考えてみて下さい。
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